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2010.04.01 *Thu*

―9分― (前)


いいえ、あたしの旦那さまは天才で、お医者さまなんですよ!!
え~~、モデルかタレントだと思ったんですか~~!?///
そうなんです!よく言われるんですよ!!
お顔もこんなによくって、頭もよくって・・・性格はちょっとひねくれてますけどね。
でも、二人っきりの時は、これでもちょっとは優しいとこあるんですよ、ふふ///。
それが、今神戸と東京で離れていて・・・入江くんは・・・、あっ、入江くんってあたしの旦那さまのことなんですけどね。
入江くんは神戸の病院で働いていて、あたしは看護師になる勉強を東京でがんばっているんです。
もちろん!!いずれは一緒に働くことを夢見てるんですよ!!
でも、今はまだ・・・そうなんです・・・寂しいけど・・・遠距離でがんばってるんです。ぐすっ。
今からまたお別れで・・・次またいつ会えるかわからなくって・・・。
そうですよね。うん。うん。そうなんです、なのに入江くんが・・・。


「早く払い戻ししろよっ!!」

直樹の大きな声が、新神戸駅の構内に響き渡る。
琴子の背後には、怒りで身体を少しぷるぷると震わせた直樹が腕を組んで立っている。


「旦那さん~!聞いたらまたしばらく会えないって言うじゃないですか!?せっかく奥さん、入場券買っちゃったみたいだし、プラットホームまで見送ってあげたらどうですか?」

窓口から琴子の頭を越して、駅員が笑顔で直樹にたずねてくる。


本当はマンションで別れる予定だった直樹。
新神戸駅まで琴子を送って行くのには抵抗があった。
きっとこんな風にどんどん別れを延ばされていくのが想像できたからだ・・・・。

それでもどうしてもと、琴子は必死で直樹に頼み込んだ。


―「プラットホームには絶対上がらないからな!」

―「うんうん!わかってるよ。わかってるから、新神戸の改札口までで十分よ!!うれしいっ!入江くん、ありがとう~~」


そう約束して、ここまで来てしまった直樹。
それなのに・・・・・琴子はいつの間にか入場券を買ってしまっていた・・・・。
結局、「払い戻ししろ!」と直樹に怒鳴られ、窓口に入場券を持っていったものの、なかなか戻ってこない・・・。
そして、案の定こんなことに・・・。


「ほら、旦那さん、奥さんのためにこの入場券で行ってやりなって!ダメだって言っても、入場券の払い戻しはしないからね!」

すっかり琴子の話に同調してしまったのか、初老の駅員が年配者の貫禄でこんなことまで言い出した。

「職権乱用だろ・・・」

直樹は小さい声で呟きながら、その駅員の横でちょっとほくそ笑んでいる琴子を見る。

「ったく」

直樹は駅員から入場券を取り、また大きな声で怒鳴る。

「さっさと行くぞ!新幹線来るだろ!」

琴子の手荷物を持ち、さっさと先に歩いて改札口を通って行く。

「やん~~、待って~~~」



「素直じゃないね、あの旦那さん。本当はもっと一緒にいたいはずなのに、強がっちゃって」

初老の駅員が、ため息をつきながらフッと笑った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「入江くん・・・、これで本当にしばらくのお別れだね」

新神戸駅のプラットホームで、琴子がべそをかきながら直樹に話しかける。

「それ、朝から何度言った?」

「う~~ん、いじわるぅ~」

そう言って琴子は直樹の胸の辺りに倒れ込んだ。

「やめろっ!」

「やんっ!」

直樹は琴子の肩を押さえて、思い切り自分から身体を離した。

「いじわる!もう、これでまたしばらく会えないのに!」

「だから、こんなとこまで送りたくなかったんだ。おれはこんな人前でべたべたするのが嫌なんだよ!」

「じゃあ、あそこは?あの柱の影なら誰もいないわよ。そこで最後のお別れする?」

「バカか!?おまえ、絶対この遠距離ってシチュエーションに酔いしれて、楽しんでるだろ?」

「た、楽しんでなんかいないわよ!!これは演技じゃなくって、本当に寂しいんだもん!本当にまたしばらく会えなくなるんだもん!」

「とにかく、おれは、新幹線が来たら、すぐに帰るからな」

「・・・昨日の晩は、入江くんの方が・・・放してくれなかったくせにぃ・・・」

琴子がブチブチと少し小さな声で呟く。

「はああ~!?何か言ったか!?」

「・・・別に何も・・・」

ちょっと口を尖らせて、直樹をうらめしく見る琴子。
反対に直樹は、不審そうな目をして琴子を見る。
こんな場所まで見送りに来たら、琴子のことだからムードにのまれて、絶対人前でも何かやらかしてくれると直樹は思っていた。
だから気が進まなかったのもある。


「来たみたいだな」

プラットホームの新幹線到着を知らせるアナウンスと同時に、直樹が呟く。

「ちゃんと乗る号車とかはわかってるのか?」

「え、あん、うん!えっと・・・4号車の9A・・・だね」

琴子がチケットを確かめながら答える。

「ほら、4号車ならあっちだ。行くぞ」

「あん、待って~」


直樹は琴子の手荷物を持って、素早く4号車の乗り場の方に歩き出し、琴子はそれを追いかけるように小走りで付いて行く。
直樹の早足に琴子がやっと追いついた時に、ちょうど新幹線も新神戸駅に到着した。


「入江くん・・・これで本当にお別れだね」

「ああ。ほら、早く乗れよ。扉閉まるぞ」

「元気でね!あたしのこと忘れないでね!!」


(忘れるわけねーだろ?こんな強烈な奥さんを・・・)

直樹は琴子らしい最後のセリフに、思わず口元を綻ばせる。

琴子は少し涙を浮かべながら、新幹線のチケットをひらひらと振り、しぶしぶと車内へと入っていった。
その時、ふと直樹の目が、そのチケットに止まる。


「!!こ、琴子、おまえ!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ええっと・・・9のA・・・」

琴子は自分の指定席を探して、新幹線の車内を歩いていた。
すでに新神戸駅を出発して、新幹線は動き出している。
琴子は、自分の乗る4号車で、自分の座る席である「9A」の前にまで歩いてきていた。

「あ、あれ??」

何度か自分のチケットと席の番号を確かめる。
確かにここが自分の席だ。

「あ、あれ??」

今度は号車を間違ってないか、出入り口に記してある号車を確認する。
間違いなくここが4号車で、目の前の席が琴子の指定席だ。

でも、そこにはすでに男性が座っていた―――。


「あの・・・すみません・・・9Aは、あたしの席になっているんですけど・・・」

琴子はすでに席に座っている若い男性に、おずおずと話しかける。

「え?僕も9Aですけど?」

男性は不思議そうな顔をして、琴子を見上げる。

「でも、あたしもほら、9Aなんですよ。号車も4号車だし、間違いないはずなんですけど」

そう言って琴子は自分の持っている新幹線チケットを男性に見せる。

「ぼくもほら、4号車の9Aですよ」

男性もサイドに掛けていたスーツのポケットから新幹線のチケットを出して、琴子に指定席の座席番号を見せた。

「ホントだ!!なぜ??どういうこと???」



「琴子!!」


背後から、聞き覚えのある声がしたような気がして、琴子は一瞬動作が止まった。
でも、そんなわけない、ここで聞こえるはずのない声だと琴子は思った。
そして、ゆっくりゆっくり・・・疑うように後ろを振り返る。
スローモーションのように少しずつ背後の光景が琴子の目に入ってくる。
そしてその光景の中に・・・。


「い、い、い、入江くんーーーーっ!!」



**********

これまた、書きかけでかなり放置していた作品です。
いったい、この神戸っていつの時期?って感じですが、それは読まれた方々のご想像におまかせします。

一応、神戸の話を一つ書いているので、その続きにしてもいいなと思ってたのですが、先にこっちをUPしちゃったので、時期の設定を詳しくしませんでした(^^;)




COMMENT

拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
>くーこさま

こんにちは。最初の琴子のおしゃべり、しっかり脳内で再生していただいたみたいで♪(笑)うれしいです(*^_^*)書き出したら、なんかとまらなくて、気がついたらセリフどころの量じゃなくなってました(笑)。どうも言動に統一性がない直樹!(笑)さらに加速しますので、続き読んでやってください。

>繭さま

こんにちは。これぞ「イタキス」と言っていただき、光栄です(*^_^*)かなりのドタバタで、直樹が怒りっぽくて申し訳ない気分ですが、どこか冷たくないのは相手が琴子だからと思っていただけたら(とうまくごまかす感じですが(^^;))。細かいセリフなども拾ってもらえて、本当に感激ですよ♪新幹線のチケットは・・・、そんなすごいからくりはありません(汗)。琴子らしいものだと想像して下さい。続きを切望(?)していただき、うれしいです(^^)/

>藤夏さま

こんにちは。タイトルは「1/10000」にするか「9分」にするか迷いました。どちらにしても今の時点で、意味さっぱりですよね!?(^^;)直樹の言動は自分で書いていながら、「なんて一貫性のない・・・」と思いますが、正直一貫性ないようにしてもらわないと、話が進まないんです!(笑)なので、今後「あれ?」という展開になっても、「ラブコメだから~」と軽く流していただけたらと・・・。

>りきまるさま

こんにちは。そうです、琴子はドラマで見るような恋人同士の甘いプラットホームでの別れのシーンを思い描いてたと思っていただいたら(^_-)。昼と夜で人が変わる直樹(爆)。ふと何かしたきっかけに直樹が変わるというように解釈して、ぜひ続きも読んでいただけたらと思います♪
by chan-BB
2010/04/03(土) 17:42 [Edit

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こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
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私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
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まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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