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2010.04.12 *Mon*

HOLIDAY in Kobe 「動物園」編  ①

「はあ?もう一度、言ってみろ」

「明日、動物園に行かない?」

「・・・空耳か?」

「なんで!空耳じゃないよ!動物園に行ってみない?」


ここは、神戸の直樹のマンション。
年明け二月に看護師の国家試験をひかえた琴子が、試験の勉強を直樹にみてもらうという口実で、2泊3日でここにやってきた。
今、問題集を広げて、まさに直樹が覚える必要のあるところをチェックしているところ。
しかも、今日琴子は神戸に着いたところ。

それなのに、もう話は脱線しはじめている・・・。

直樹は、ため息をついた。


(どういうつもりだ・・・。おれと一緒に働くために、がんばってるんじゃないのか?)


自分と一緒に働くために、琴子はがんばって苦手な勉強をしているとばかり思っていた直樹。
現在だけの状況を考えるのではなく、未来を考えて敢えて離れて暮らすことを決めた二人。
会えないのを琴子が悲しんでいるのは、わかってる。
でもそれは直樹だって一緒だった。
そのために、二人がこれから一緒にいられるように、今一番必要なものが琴子の国家試験合格のはずだ。
それなのに――――。



「パンダもいるみたいよ?」

神戸のガイド雑誌を見ながら、顔を輝かす琴子。


(いつの間にそんな雑誌を・・・)


直樹は琴子の横で問題集を広げている自分がばからしく感じてきて、またため息をついた。



「動物園なら、東京にもあるだろ!」

「でも、一緒に行ってくれたことないじゃない!じゃあ、東京で行ってくれるの?」

いつになく語気を荒げて、直樹に詰め寄る琴子。
確かに動物園なんぞに、一緒にデートをしたこともない二人。
ただでさえ、デートと呼べるものは、琴子が看護学科に受かった時に、琴子のおねだりで実現したあの時だけ。
直樹の頭の片隅には、動物園デートなどというものの存在はない。
だから、琴子の言うことに反論する余地はない。


「思い出がないと、寂しくて、勉強が身に入らない・・・」

琴子は本当に目にちょっと涙を浮かべて、直樹の腕に自分の腕を絡めて下から直樹を見上げてくる。
直樹の頭の中にない動物園デートも、琴子の頭の中には、もうずっと前から存在しているようだ。


(そうきたか・・・)


これが普通の女だったら、こんな仕草も男をまどわす演技なのではと疑ってかかる。
しかし、琴子という女は・・・「素」でこういうことを平気でやってのける。
勉強に身が入らないのは、いつものことだろうと直樹は思いつつも、琴子の大きな目を見てしまうと、思わず口元が緩み始めてしまう。
それをぎゅっと唇を噛みしめ、わざと難しい顔をする直樹。


「・・・とりあえず、やることやってから、考えてやる」


目を伏せて、口調は敢えて冷静に。そして淡々と。
しかしもう、唇を噛みながらこの返事は結局「OK」と同じだと、直樹は自分のふがいなさに少し情けなくなる。


「きゃあああ!やったー!!入江くん、ありがとう~~!」


抱きついてくる柔らかい感触。
久しぶりの甘い匂い。


(はあ・・・・)


天井を見上げながら、意志が弱いのはどっちの方だと、直樹は琴子の頭に手を添えてやり、結局は抱き寄せてしまった―――。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「きゃああーー!!見て!見て!動物園見えてきたわよー!」

平日の午前中。
結局、琴子の思うままに動物園に来てしまった二人――。

まださほど人のいない動物園の前で、琴子の声がひときわ響き渡る。
直樹は思わず、周りを見回してしまう。
琴子にぐいぐい手をひっぱられる度に、身体の重心を後ろに持って行き、だんだんおもりのようになっていく直樹。
自分で行くと承諾してしまったものの、なぜか直樹の心と身体は拒否反応をおこしている。
そんな重い直樹も気にせず、琴子はどこにそんな力があるのか、ぐいぐいと直樹をひっぱって前に進む。


「お、お、王子動物園!!王子!王子!王子様!!入江くん、入江くんにぴったりよ!!」

「・・・・・」

琴子が興奮すれば興奮するほど、直樹のテンションはさらに下がっていく・・・。

「まさか、中に王子様がいるとか?それとも昔ここに王子様が住んでたとか!!??」

「ただの『地名』だ」

「入江くんも、王子様ともっと勝負できる服着てきたらよかったね」

琴子がちょっと申し訳なさそうな顔で、直樹を斜めに見上げる。
それがさりげなく自分の服装をダメだしされたような気分で、直樹は余計にいらつく。

「『地名』だって言ってるだろーっ!!この辺り、みんな王子町なんだよーーっ!!」

変にムキになって、声を荒げる直樹。



直樹の罵声に、近くにいた遠足に来ただろう幼稚園児たちが、びくっとする。
思わず殺気を感じた保育士が園児たちを、自分の傍に集めた。


「入江くぅん、怒鳴っちゃダメだよ・・・」

「・・・・」





(この話は「イタKiss何でも書いてみよう!」に投稿させていただきました。)

**********

これ、読んだ方もおられると思いますが、投稿サイト様に投稿して、そのままになってたものです・・・(^^;)
気がついたら、もう1ヶ月近く放置・・・。
このままブログで続きをUPすることにします。
理由は・・・・・、あまりにバカップルな二人が展開されるからです・・・。
苦手な方は、回を増すごとにひどくなるので、自己規制よろしくお願いします。


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千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

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私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
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