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2010.01.16 *Sat*

琴子日記⑬    鼻血


タイトルで想像つきそうですが、変な話です(^^;)


「ただいまー」

大学から帰ってきたあたし。

「あれ?どうしたんですか?」


リビングのソファーで、お義母さんと裕樹くんが、なんだかごそごそとティッシュを拡げてやっている。

「裕樹が、鼻血出しちゃって」

お義母さんが、ティッシュを丸めて、裕樹くんの鼻に詰めていた。
周りには、鼻血を拭いたであろう、ちょっと血のついたティッシュが散乱してて、あたしは近くにあったゴミ箱を持ってきて、それを拾って捨てる。
どうしちゃったの?
怪我で鼻血でもでちゃったの?
少し心配して裕樹くんを見ると、テーブルの上の、お皿に乗った高級そうなチョコレートが目に入る。

「チョコばっかり食べるから、鼻血出ちゃうのよ!」

バンっと裕樹くんの背中を叩きながら、そのチョコをひとつ摘んで口に入れる。

「うっせーんだよ、ごとご!」

ティッシュ詰められて、もごもご話す裕樹くんにちょっと「ぷっ!」って笑いながら、口の中で溶けたチョコをしっかり味わう。
うわあ~、これ、めちゃくちゃおいしい!!
濃厚だけど、とろりとすぐに口の中でとろける~~~!


「お、お義母さん!!このチョコめちゃくちゃおいしいんですけど!!」

あたしは目を見開いてお義母さんを見る。

「そうでしょ。パパが得意先さんからいただいてきたんだけど、今、すごく人気あるんですって」

「ちょっと大人向けの味ですよね!大人の濃い味だから、これで裕樹くん鼻血でちゃったんですよ」

「裕樹、最近よく鼻血でるのよ。でも、お兄ちゃんもこの頃はよく鼻血出してたし・・・、まあ時期がくればまたマシになるでしょ」

「えっ!?い、入江くんが鼻血~っ!!?」

思わぬ話に、のけぞるようにびっくりするあたし。

「そうよ、よく出してたけど、今は全然ないでしょ?」

「な、ないですよ!入江くんが鼻血なんて見たことないし・・・・想像すらつきません・・・・」

そんな入江くんが鼻血なんて・・・イメージが・・・・・。


あたしはなんだか急にぼーーーーーっとして、暗いトンネルの奥に自分が追いやられるようなおかしな錯覚に陥る。


入江くんが鼻血。
入江くんが鼻血。

時期がくればマシになった。
時期がくればマシになった。

お義母さんの言葉が何度も頭の中で、こだまする。


時期って何っ!?


たかが、鼻血。
されど、鼻血―――――――――。


迷宮にでも入ってしまったのだろうか。
あたしは今、入江くんの鼻血が気になって仕方ない・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「入江くんコーヒー淹れたよ」

書斎で、何やら本を探しいる入江くん。
あたしは、ドアをノックして書斎にコーヒーを持って入る。

「そこ、置いといて」

あたしの方を見もせず、近くの小さいテーブルを指さして、そっけなく言う。
入江くんは本棚から一冊分厚い本を取り出し、しゃかしゃかとページをどんどんめくりだした。
何か目的のものをみつけるために、そこに全部を集中しているであろうその姿。
少し乱れた前髪が、目のあたりを覆っていて、その間からちらりと見える切れ長の鋭い目。
まるで獲物をみつけるハンターみたいであって、そして哲学者のようでもあるその様子。

素敵―――――。

立ったまま、本をめくっている一糸乱れない集中した空気。
その立ち姿は、まるで若き日のなんとかという(あたしにはわからないけど)彫刻の像みたいだ。

もはや芸術―――――。


そんなあたしの最愛の旦那さま、入江くん。


それが鼻血・・・・。
そんなしらっとした顔して、いったいどんな時に、よく鼻血をだしてたのっ!?
んもう、気になって仕方ないっ!!


「入江くん」

「ん?」

「裕樹くん、今日鼻血出して、お義母さん、大変そうだったよ」

「ふーん」

まるで、聞いてないような適当な返事。

「最近、よく鼻血出るんだって。心配だね」

別に、鼻血くらいで本当は心配なんてしてないけど・・・・。

「ふーん」


ダメだ・・・。
全然興味も示さない。


「入江くんも・・・、裕樹くんと同じくらいの年齢の時は、よく鼻血出してたんだってね」

とうとう我慢できず、ダイレクトに核心部分をついちゃったあたし。

「・・・そういえば、そうだったな」

ちょっと髪をかきあげて、少しあたしの方を見る入江くん。

「い、入江くんが鼻血出したところなんて、あたし見たことないから、ちょっとびっくりしたよ。そんなにしょっちゅう昔は鼻血出してたの?」

なんだか言いながら、あたしの顔がだんだん火照ってくるような・・・。

「・・・・・・」


見てる、あたしを――――。


ダメ、目を反らしちゃダメ!
ここであたしが目を反らしたら、なんだかすごくおかしな質問したって証明しちゃうみたいじゃないっ!
ここはあくまで平然と。平然と。


「そういや、あの年代は、よく鼻血出してたな」

静かな口調で、また本に視線をやりながら入江くんが答える。

「え!?そ、そうなの?・・・・で、それはなんで?どうして?」

なんだか、鼻が膨らんで、さらに顔が火照ってくるあたし。

「それは・・・・」

なに?
なに?


「やっぱ年頃だし。やらしいこと考えたり、やらしい雑誌見たり・・・」


どえーーーーっ!!/////
や、や、やっぱりそうなの!?
い、入江くんでも、そうだったの!!??////

いやーーーーっ!(>_<)////
もう、なんていうか、もう、ええ!?入江くんが?って・・・。
やだ、なんでこんなに興奮するのかしら、あたし////
でも、でも、でも―――――。


「・・・・って答えを期待してたんだろ」

「へ?」


今、再び、光線がバチって火花散るくらいに合う、あたしと入江くんの視線―――――。


「鼻血なんて、粘膜の問題で、別にそんな大きな問題は普通ないさ」

そういいながら、さっきまであんなに真剣に見ていた分厚い本をパタンと閉じて机に置き、入江くんがゆっくりとこっちに向かって歩いてくるのが目に映る。

「そ、そ、そうなの」

思わず目を反らしてしまうあたし。

「でも、まあ最近俺が鼻血を出さなくなったのは」

気がついたら目の前に影。
目を上げたら、そこには入江くん!!!
少し顎をあげて、下を見下ろす入江くんの仁王様のような眼!
思わず、後ろに後ろに下がってしまうあたし。

ガタン

ひっ。
後ろには本棚。
もう、これ以上下がれない!

「最近俺の鼻血がでないのは・・・・、間違いなく、刺激が足りないからだろうな」

フッと口を斜めにあげて、その間からちろっと見える入江くんの舌。
そしてじりじりとまだ近づいてくる、大きな影。

ひーーーーーーっ!
またまたあたし、追いつめられた小動物状態ーーーーっ!!?


「琴子、俺の鼻血出したところ見たいんだろ?」

「い、いやいや、そんなの見たいなんてないよ!ないない!」

手をぶんぶん振って、必死で答えるあたし。
でも、目は完全にどこか別の世界をおよいでいる。


入江くんの長い脚が、ぐいっとあたしの膝を割って入ってくる。

「!!!」

「琴子が刺激的なことしてくれたら、また俺、鼻血でちゃうかも?」

あたしの背後の本棚に、両手をガツンとついて、あたしは完全に入江くんの包囲網の中。
そして、ずいずいと入江くんの脚があたしの脚の間に入ってきて、入江くんが膝を曲げてあたしのスカートをゆっくりまくりあげる。
入江くんの顔がどんどん近づいてくるのを、スローモーションのように見ている息をもつけないあたし。
気がつくと入江くんの顔が、あたしの目と鼻の先にまであって、そこでぴたっと止まっている。
そして―。


「俺に、鼻血出させてみろよ・・・」


ひーーーーーっ!

ふーーっと息を顔に吹きかけられ、思わず目を思いっきり瞑って、肩を竦ませるあたし。
そして、硬直して窄んだあたしの唇に、入江くんの唇が触れたか触れないくらいのとき――。



ガチャン!!

グワングワングワン・・・・・。


何かがひっくり返って、こだまするような金属の音が響く。


思わず、あたしと入江くんは同時にその音の方に顔を向ける。



「お、お、お兄ちゃんに・・・チョコレート・・・」


コロコロコロっと、あたしと入江くんの足下に転がってきたチョコレート。


床に落ちたお皿と金属のトレイの側には、呆然と立ち尽くす裕樹くん――。
そしてその顔から、つつつっと流れる赤い線。


鼻血―――――――。




**********

タイトルといい、ラストといい・・・・・。
なにがなんやら・・・・。
思わず最後に「完」っていれたくなりました(^^;)



COMMENT

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by
2010/01/16(土) 14:46 [Edit
コメントありがとうございます
>Maさま

こんにちは。「ドロップ」との差が確かに激しかったですね(^^;)
ひとつ書いたら、次はいつも違うジャンルが書きたくなってしまって・・・、それでも楽しんでいただいて、うれしいです(*^_^*)
裕樹がいつも被害者になるパターンは、ありきたりだけど、きっとまた使うと思います(笑)。ごめんね、裕樹くん・・・。
ねぎらいのお言葉、ありがとうございました。
by chan-BB
2010/01/17(日) 12:05 [Edit
拍手コメントへのお返事です
>Rさま

まだここを見ていただいてて、うれしいです。もう休止決定なので、見ている人はいるのだろうか?と思いつつ・・・また衝動的にUPしちゃいました(笑)。
真っ赤になる琴子がかわいくてからかって追いつめたのか?ちょっぴり本気も入っているのか?
私も、そのあたりは、ご想像におまかせしま~すという感じで。
でも、どちらにしても直樹に「LOVE」の感情ははいってるでしょう(笑)。
こちらこそ、ありがとうございました(^^)

>Pさま

こんにちは。裕樹の災難再び!の回でした(笑)。
そして、多分また裕樹の災難はあると思います(^^;)
幼気な思春期の少年をこんな目に遭わせるイリコト・・・ほんと、裕樹が心配ですよね!(って完全に他人事・・・)
がっつりは想像するところに、萌えがあるかもしれません(^m^ )ぜひぜひよろしくお願いします。ちなみに昨夜は私も新年会で、飲み過ぎてましたo口(・∀・ )
by chan-BB
2010/01/17(日) 12:19 [Edit
拍手コメントへのお返事です
>Nさま

こちらこそ、いろいろありがとうございました(^^)
笑っていただけてうれしいです。直樹の心の声が聞こえてきましたか!?(笑)直樹は、もう琴子が何聞きたいのか、何に興味持ってるのかわかってますよね。
私でも、そんなわかりやすい琴子がいたら、ちょっとからかいたくなります(^_^;)直樹みたいなからかいかたはしませんけど・・・。
しかし、Nさまのおもしろい、いや素敵な(笑)妄想絡んだコメントにはしみじみと萌えを感じさせていただきました(*^_^*)もうそれ読んでるだけで、私もうれしくなっちゃいます。どうもありがとうございました♪
by chan-BB
2010/01/18(月) 17:50 [Edit
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by
2012/01/25(水) 12:03 [Edit
コメントありがとうございます

あやみくママさま

これまた懐かしい作品を読み返してくださってありがとうございます!
もう私も爆笑ですよ。思春期の頃、ティッシュを鼻に詰めている入江くんって!!(爆)番外編書きたいかもって思っちゃいました(*^m^*) 大きくなって鼻血を出さなくなって入江くんは、ぜひその理由を裕樹くんに教えてあげてほしいですね。「おまえも早く結婚することだな」とか。それ聞いてまた裕樹は鼻血出しそうですが・・・(^_^;)
by chan-BB
2012/01/26(木) 13:30 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
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私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
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まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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