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2016.05.11 *Wed*

琴子日記 壊れるほど抱きしめて



またまたご無沙汰しています。
相変わらずしっかりブログ管理できていなくてすみません。
お返事もできていないところいっぱいあり、多分今回もどうなるやら・・・でありますが、ふとまたリハビリ的に書いてみたのでUPさせていただきます。
.・・・・・・・・・・・・・・



~壊れるほど~抱きしめて~



テレビで懐メロが流れてきて、ふとその歌詞が耳に残った。


「壊れるほど・・・抱きしめて・・・」

思わず自分で確認するように口にすると、ぶるぶると身体が震えた。


いやあ~~ん、ステキすぎる~~!!


あたしは思い起こす。
あたしは、入江くんに壊れるほど抱きしめられたことはあっただろうか。
あった。あったよ。
一番に思い出したのは、あの雨の日の出来事だ。



―「オレ以外の男 好きなんていうな」

―「もう 数えなくていいよ」



いやあ~~ん、ステキすぎる~~!!


自分の出来事なのに、まるでどこかからその光景を第三者として見ていたかのように、あたしは入江くんがぎゅうと壊れるほどあたしを抱きしめている姿をリアルに目に浮かべた。
光景だけでない。あのときの本当に身が壊れるくらいぎゅうと締め付けられたあの感触。
あの感触も、まだあたしの身体はしっかり覚えている。




「・・・何、してんだ?」

「・・・へ?」

あたしは、部屋に戻ってその場面を実演していた。
枕をつかってぎゅうううって抱きしめ、目をつぶってあのときの光景と感触を・・・。

「枕とプロレスか」

「ち、ちがう」

あたしは思わず、枕をベッドに放り投げた。
いつの間にか入江くんも部屋に戻ってきていて、真っ赤な顔で枕を抱きしめているあたしを見ていたようだ。
よくよく考えたら、あたしが枕を抱きしめていたら、抱きしめられてるシチュエーションとは全然違うじゃない。
あたしは、壊れるほど抱きしめたいんじゃなくて、抱きしめて欲しい方であって・・・。

「入江くん、あの・・・」

「なに?」

いつになく真っ直ぐな視線で入江くんがあたしの方を見る。

「えっと・・・」

「は?だからなに?」

いつもの不機嫌そうな入江くんの顔。
ますますきゅんときちゃう。
こういう不機嫌な顔をしていながら、入江くんったらあたしのこと壊れるくらい抱きしめてくれることあるんだから、今も、できたらぎゅうって抱きしめて欲しい。

「えっと・・・」

壊れるほど抱きしめて欲しい・・・

「だからなに?」

壊れるほど抱きしめて欲しい・・・って言いたいけど、言ったところでこの入江くんが素直に抱きしめてくれるわけもなく・・・

「どうせまたつまんないこと考えてたんだろ。おれはレポート書くから、おまえ、これから静かにしていろよ」

「・・・はあい・・・」

それに頼んで抱きしめられても、ちょっとそれは違うような気がして、あたしはそれ以上何も言わなかった。
ベッドに上がって、また枕を取りぎゅっと抱きしめる。
カッコイイ背中だなあ。
ああ、やっぱりこの入江くんのカッコイイ身体にぎゅうって壊れるほど抱きしめて欲しい。
でもそれは、あのときみたいに突然で、それでいて自然に心から気持ちを込めてそうなって欲しい。





「はい、入江くん、今日はお弁当張り切ったから!」

「重箱!!?」

「五段も入っているよ。よかったら、お友達と一緒に食べて」

「・・・・・・」

その日からあたしはいろいろなことに頑張ってみた。
入江くんがそのあたしの頑張りに気付いてくれて「琴子!」と思わず、壊れるほど抱きしめてくれることを夢見て・・・。

しかし、重箱弁当は置いていかれてしまった。
大きすぎて大学に持って行けない。
他の人に食中毒をおこさせてもいけないと・・・。




「入江くん、入江くんの白衣のポケットが少しほつれていたから、縫っておいたよ」

「なんだこれは!!?」

「すぐに入江くんの白衣ってわかるように、入江くんの顔のアップリケをつけて・・・」

「余計なことするな!」

もう着られないと怒られた。
頼むから、おれの持ち物に手を出さないでくれとも言われてしまった・・・。




「入江くん、コーヒーいれたよ」

「ありがと」

「・・・おいしい?」

「ああ」

「ねえ、すごくおいしい?」

「・・・なんでそんな血走った目でじろじろ見るんだ?」

さすがにコーヒーがおいしいくらいじゃ、抱きしめてもくれない。







「おまえ、最近、何か変じゃねーか?」

「・・・へ?」

夜、あたしはベッドの上でまた一人で枕を抱きしめていた。
ぼうっといろいろ考えを巡らせていたら、珍しく入江くんの方から声をかけてきた。

「やたらと最近、おれにあれこれ絡んでくるし、それにやたらと枕を抱きしめている」

「あ、こ、これは・・・」

「もしかして」

「え・・・」

もしかして、もしかして、入江くんは天才だから、あたしの考えていることわかっちゃったんじゃないのかな?
あたしが、ぎゅうって入江くんに壊れるほど抱きしめて欲しいこと・・・。


「おまえ、欲求不満?」

「・・・はあ?」

入江くんが顔を近づけてきて、にやりと笑ってそう言った。

「よ、欲求不満って、どういうこと?」

「そういや、おれ、最近レポートに追われてさっぱりだったよな」

「な、な、なにが?」

「なにって、おまえが欲求不満なこと」

「え?え?ええええ~~~」

あたしはいつの間にか枕のまま押し倒され、そして枕ごと入江くんに抱きしめられた。
確かに抱きしめられたけど、これはこれは・・・。

「ひ、ひゃああ~・・・///」

「欲求に応えてやるよ」

耳を甘噛みされて、あたしはもう、そのあとは・・・・・・。





ピチピチピチピチ―――。

古典的な鳥の声で目が覚めたのは、久しぶりだったような気がする。
外はもうかなり明るい。
何時だろう?今日が日曜日で本当に良かった。

「・・・ん?起きた?」

「お、おはよう入江くん」

起きた途端に、うっすら少しはにかんだような笑顔を浮かべた入江くん。
ああ、眩しすぎる。眩しすぎてカッコ良くて、もうもうサイコー。

「コーヒーでもいれてくるね」

「ああ」

あたしは、奥さんらしく先にベッドを出て一階へと行こうとした。
その時――!

「きゃああっ!」

「何?」

思わず二人の視線がベッドのシーツに―!


「どうしたんだこれ!?」

入江くんも思わず身体を起こして声をあげる。
ベッドのシーツが真っ赤に染まっている。
血だらけだったのだ。

思わず二人で目を合わせる。
昨夜、入江くん・・・、あたしのこと壊れるくらい・・・壊れるくらいに抱いて・・・

「琴子、大丈夫か?」

入江くんがいつになく真剣な顔であたしの両肩を掴む。

「だ、大丈夫・・・」

「痛いのか?」

「少し・・・」

「病院、病院に行かないと」

入江くんの顔が青ざめていく。
反対にあたしの顔は赤くなる。


「大丈夫。ちょっと早く・・・アレがきただけだから・・・」

いつものなじみ深い下腹部痛ですぐにあたしは原因がわかった。

「アレ?」

「うん。ごめんね。シーツ汚しちゃって」


あたしは自分の運命を呪った。
どうしてあたしって、ロマンチックなこととは無縁なんだろう。
ロマンチックに壊れるほど入江くんに抱きしめて欲しいと、ずっとここのところ思い描いてきて、いろいろ行動してきた結果がこれ。
入江くんに欲求不満と誤解されて、いつになく壊れるくらいに抱かれてしまっった結果・・・出血大サービス!!
トホホ・・・、どうしてあたしってこんなコメディーになってしまうのか・・・。



「・・・・・!!」

「心配したじゃないか、バカヤロー」



あたしは、入江くんにぎゅっと抱きしめられた。
それはもう、壊れるほどにぎゅううっとぎゅううっと。
予想外のことだった。
赤いシーツの上でとても滑稽な光景だと思う。
だけど・・・



「心配かけてごめん・・・、入江くん、ありがとう」



壊れるほど抱きしめられるって、入江くんの心まで伝わってくることだったんだね。
あたしもぎゅうっと心を込めて、入江くんを抱きしめ返した。




**********

ふと思いついた話なのですが、結末をまじめにするかギャグにするかの2パターン浮かんで迷い、結局どちらも入れてしまいましたw
では、またいずれ・・・・・・<(_ _)>

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2016/05/11(Wed) 20:24 | [Edit
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2016/05/19(Thu) 09:12 | [Edit
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2016/05/20(Fri) 09:43 | [Edit
コメント&拍手コメントありがとうございます

Yunさま

毎回遅いお返事ですみません。このお話にもコメントをありがとうございます。
今更の報告ですが、子どもたちは無事進学して元気にやっています♪昨年度はダブル受験だったので大変でしたが、一気に片付いたので今年度はすごく楽な気がします(*^_^*)
思いつきの琴子日記ですが、ただのきれいなラブだけでが終わらない二人でありました。
でもこれが琴子日記かなと自分でも思いつつ、こういう掘り下げた日常のイリコトを描くのが楽しかったりします。
これも随分前の出来事で申し訳ないですが、マーガレット展も楽しまれたようでよかったです♪
うちはマーガレット展で買った猛男の付箋を子どもが使っていますが、子どもだけでなく先生にも評判だったらしいです。ちなみにイタキスグッズは使わず保存しています(*^_^*)


たまちさま

毎回遅いお返事ですみません。今回もコメントありがとうございます。
私らしいお話と言っていただきうれしいです♪
琴子ちゃんの妄想とか考えているときはいつもとても筆が進むんですよ(*^_^*)そしてどんどん成るままに書いていると、なぜかいつもオチのようなものが自然と巡ってきて・・・(^^;)
布団に日の丸事件は、女性なら一度くらいは経験あるのではないかと思っています。ちょっと生々しいですが、イリコトにも体験してもらって(特に入江くんに経験してほしかった)満足であります( ̄m ̄*)
入江くんって、なかなか琴子ちゃんの策略には乗りませんが、いつも思ってもいない琴子ちゃんの言動にしっかりのっちゃってる感がありますよね(^_^;)


kurutarouさま

コメント下さっていたのに、こんなに遅いお返事でごめんなさい。
いつも読んで下さっていてありがとうございます。うれしいです♪
いつも琴子ちゃんには予想外の展開を見せられ、それによって予想外の入江くんが見られるというパターンですが、でも何であっても興醒めしてしまう二人ではないところが好きだったりします。
琴子ちゃん、本当に入江くんに抱きしめられてうらやまであります。


玉子さま

こちらこそお久しぶりであります。とっても素敵なコメントをいただいているのに、毎度こんな遅いお返事でごめんなさいm(_ _)m
今回のお話も堪能していただけたようで、とてもうれしいです。
過去作も読み直して下さっているのですね!なんてありがたいことでしょう!
ホントきまぐれに更新するばかりで申し訳ないです。もう書く話はないな~と思いつつ、たまにふと思いついて書いてみたいと思って更新してしまっています・・・。たまの更新なので、だんだんイリコトがぶれてきているのではとは心配しているのですが、玉子さんに「これぞ!」と思っていただいていたのは、本当にうれしくホッとしました。
琴子ちゃんの可愛らしい欲求不満と違って、入江くんは野獣的な欲求不満だったかもしれませんね( ̄m ̄*)
まさかここで「雨音」を思い出してくださるとは!本当によく読んで下さっていて感涙です(T_T)ありがとうございます。


マロンさま

毎回遅いお返事でごめんなさい。今回もコメントありがとうございます♪
本当にきまぐれ更新ですが、更新チェックもしていただいてありがとうございます。
琴子ちゃんの妄想はどんどん加速しますからね。でも書いている私もすっごく自然に妄想部分は書けるのですよ。琴子ちゃんとは全然違うタイプの人間なんですけどね(^^;)私の中で、こうあってほしいとかはあるんだと思います。
いつも途中に何かトラブルが発生する二人なのですが、それでも二人にとっては幸せな時間であれば、書いている私も幸せであります。
二人のシーンを思い浮かべて読んで下さってありがとうございました。うれしいです♪


ねーさんさま

ご無沙汰しています。遅い返事ですみません。
いえいえ全然完全復活ではありませんよ(^^;)というか、完全復活などはもう有り得ません。時々復活はこれからもあるかもしれないのでよろしくお願いします。
琴子ちゃんのいろいろな努力が、琴子ちゃんらしく受け止めていただきありがとうございます。
琴子ちゃんの突拍子もないあれこれを考えるのはとても楽しいですね。
琴子日記は、恋人期間がほぼなかった二人が夫婦でありながら恋人気分を楽しむ♪話かもしれませんね( ̄m ̄*)


ムーさま

ご無沙汰しています。コメントいただいていたのに、遅いお返事で本当にごめんなさい。
更新のチェックをして下さっていてありがとうございます。本当に更新は滅多にないので申し訳ない限りですが、時折思いついたときにポツポツと浮上しております。
今回の話も楽しんでいただけたようでうれしいです♪いろんなことに遭遇する二人ですが、どんな出来事も楽しんで幸せならいいかな~なんてオチでありました。


りょうママさま

毎回遅いお返事ですみません。コメントありがとうございます。
あの雨の日以来、決して入江くんに抱きしめてもらっていないわけない琴子ちゃんだと思うのですが、意識としてしっかり抱きしめてもらうっていうのはなかったのかなと想像して・・・。
琴子ちゃんといると、ホントなかなか全てがロマンチックに終わることなく・・・。でもきっと入江くんも出血大サービスは驚いたけど嫌悪感はなかったと思いますよ。むしろちょっとムラッときたかも( ̄m ̄*)


紀子ママさま

もうお返事のたびに遅い返事ですみませんを連呼している私ですが、いつもコメントありがとうございます(T_T)
このお話も、紀子ママさんのイタキスイメージにあっていてとても光栄であります!
琴子ちゃんの妄想などの描写は、本当にいつもスラスラと筆が進むんですよ。多分描写だけで何話も書けそうなくらい(笑)。
琴子ちゃんも「愛のあるハグ」に欲求不満はあったと思います。野獣ナイトは連夜絶好調だったかもしれませんが(笑)、もっと愛情たっぷりに肌を寄せ合いたかったのでしょうね。
壊れるほど抱きしめて・・・なんて、入江くんはシチュとしては嫌がるタイプなのでしょうが、ふと琴子ちゃんに振り回されて王子様の如くしちゃうことがあるんですよね!私はそこにきゅううう~んです。
もう本当にたいていは更新停滞、たまに思いついて謎にポツリと話を書いて去っていく・・・ような繰り返しでありますが、もう完全無理!となるまではブログは存続していますので・・・。たまに立ち寄ってやって下さい。


ちびぞうさま

いつもコメントありがとうございます。毎回遅いお返事でごめんなさい。
今回の話もしっかり琴子ちゃんの様子を思い浮かべて下さり、とてもうれしいです♪
ちょっとニュアンスは違う二人かもしれませんが、愛情たっぷりに食べてもらいたい琴子ちゃんとがっつり食べたい入江くん。もうちょっとロマンチックな愛情も欲しかったな~なんて琴子ちゃんは思っていたことでしょう。そしたら朝に、全然ロマンチックな出来後でないことからロマンチックが~~(*^_^*)いろいろな意味で、忘れられない事件になったと思います(^^;)
たま~にしか更新してないですが、見つけて下さりありがとうございます。
2016/09/05(Mon) 15:09 | 千夜夢 [Edit

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プロフィール

千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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