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2010.01.05 *Tue*

新年会とタバコ②


入江くんの横には、松本姉が座っていて、2人で楽しそうに談笑している。
もう、結婚してしまったあたしだから、松本姉にヤキモチ焼くとかは前みたいにないんだけど・・・、でも、でも・・・・、こんな居酒屋でも、あの2人だけはまるで高級ラウンジにいるような雰囲気を醸し出していて・・・・。
そういう姿を見ると、やはりいてもたってもいられない。
あたしは、また入江くんの方に向かって、膝歩きでずいずいと進んでいく。

「ま、松本姉!今年もよろしく!」

あたしは、2人の間にぐいっと入り込んで、身体で松本姉を押す。
その拍子に松本姉の持っていたビールのジョッキーから、ちょっとビールがこぼれ出す。

「きゃあ。もう、琴子さん・・・、あなたって今年も変わらずって感じね」

ちょっときっとした目であたしを睨んで、こぼれたビールを拭く松本姉。

「何話してたの?」

「関係ないでしょ。というか、多分あなたに話してもわからない話だけど」

「入江くん、何話してたの?」

「言ってもわからないだろ」

入江くんもビールを飲みながら、冷たい目で話す。
なによ・・・・・、妻のあたしにはわからない話を他の女として、しらっとするなんて!
あたしは、松本姉と入江くんを交互に睨みながら、間でオレンジジュースをぐぎっと飲んだ。



「おーーーーーーっ!これ、これ誰が吸ったんだーーー!?」


いきなり須藤先輩の雄叫びが聞こえる。
そしてみんなが一斉にその声の方を向く。

「我がテニス部の女子にタバコ吸うやつっていたのか?俺は知らなかったぞーーーーっ!!」

多分、酔ってるであろう須藤先輩はちょっと左右に身体を小刻みに揺らしながら、タバコの吸い殻らしきものを天を仰ぐように持ち上げて叫んでいる。

「誰だ?誰だ?いつもは吸ってないくせに、タバコを吸った女子は!!??」

「自分じゃないんですか?どうして女子って決めつけるんですか?」

松本姉があたしの横から須藤先輩に向かって、きつく言い放つ。

「松本~~~!ここを見てみろよ~!口紅ついてるんだよ~~~!女じゃなかったら、うちの男子部員におかま野郎でもいるっていうのか~っ!?」

須藤先輩はこれまた大げさに、持ったタバコの吸い殻を指さして、みんなここを見ろ!ここを見ろ!と誇示し、周りに部員たちに無理矢理見せる。
松本姉は、あほらしいって顔をして、もうそれ以上つっこまなかった。

「松本~~~!おまえじゃないことはわかっているからな~~!おまえのその赤い口紅ではないから、安心しろ。これは薄いピンクの口紅だ!俺が見るに、こんな色の口紅をつけるのは、1回生か2回生の女子じゃないのかーーーっ!?未成年が吸っていたら、俺は俺は、許さんぞーーーーーっ!!」

何をそんなに興奮しているのか、須藤先輩は真っ赤な顔をして、大きな声で再度雄叫びをあげる。
さすがにこの迫力の須藤先輩のこの言葉に、1,2回生の女子がいっせいに顔を見合わせる。
違う、違うとみんなが顔を見合わせながら、手でジェスチャーしているのが、あたしの席からもよくわかる。

「入江くん。誰だと思う?」

あたしは、不機嫌そうな顔をした入江くんを下から見あげて、聞いてみる。

「あほらしい」

吐き出すようにつぶやいて、入江くんはビールをグビッと飲んだ。
確かに、あほらしいことだと思う。
正直、あたしもそんなことどうでもいい。
テニス部の女子でタバコを吸ってる人を見たことはないけど、未成年じゃなければ、何の問題があることなのか。
まあ、須藤先輩酔っちゃって、いつものごとくおかしな言動をしているのだと、もうその話題には触れずに、あたしは入江くんの側にあった冷酒にそっと手を伸ばしてみた。

「ダメだ!」

すぐに手で阻止された。
入江くんって、いろんなところに目があるみたいだね・・・・。


「お~~~、相原~~~~」

須藤先輩が、千鳥足であたしのところまで、よれよれってやってきた。

「入江です」

須藤先輩が未だにあたしのことを「相原」ということが、いつも気にくわない。

「相原~~~~、1,2回生ばかりを疑ってたが~~、おまえも人妻とはいえ、見た目も中身も頭も、永遠の1回生、いや、本当はそれ以下だ~」

「何が言いたいんですか?」

「おまえのつけそうな口紅の色だってことだ!おまえ、もしかして、陰でタバコ吸ったりしてるんじゃないだろうな?」

「してませんよ」

「入江の手前だからって、嘘つくなよ!ほら、おまえじゃないのか?」

須藤先輩がタバコの吸い殻をあたしの顔の前につきつけて、例の口紅を無理矢理見せる。
確かにあたしのつけている口紅の色に似てはいるけど、あたしはタバコなんて吸ったことない!!
何をどう言われても、してないものはしてない!
酔ってるとはいえ、この須藤先輩のしつこさに思いっきり顔をしかめて嫌な顔をしてやるけど、もう酔って目の焦点がどこなのかわからない須藤先輩には、全く効き目もない。


「須藤さん、いい加減にしたらっ」

松本姉が、ビールのジョッキーをガツンと机に置いて、須藤先輩に抗議をする。

「い、いや、松本・・・、俺は未成年がタバコを吸っていたら大変だと思って・・・、モラルのためにこうやって・・・」

「琴子さんなら、未成年じゃないから、問題ないじゃないですか」

「え、え!!松本姉、あたしは吸ってないって!」

「ほら、松本も認めたじゃないか!!相原、おまえ純情そうな顔をして、陰でタバコ吸ってたんだな!」

須藤先輩がにやにやしながら、ひげを掴み、目を光らす。

もう~~~、もう~~~、どうして、どうして、こんな展開になるの~~~~っ!!

あっ、入江くん!
そうよ、入江くんに。


「入江くん、言ってやって!!あたしがタバコなんて吸ったことないこと、須藤先輩に言ってやって!」

あたしは入江くんのセーターの胸のあたりを掴んで、必死で入江くんにすがってみせる。


「おお~、入江!しっかり言ってくれ!おまえのこの万年一回生顔の純情な妻が、陰で何してるかここで暴露してやってくれ~~!!」

須藤先輩が、立ち上がって、ゴリラみたいに自分の胸を叩いて、大げさにみんなにアピールをする。



いきなりふられた入江くんにみんなの視線が集まる。
入江くんは静かにビールを飲んで、それを机の上に置いた。
そして、涼しげな顔をして、少しふっと笑って。



「まあ・・・、こいつも純情そうな顔をして、陰で何してるかわからないってことですよね」



おおおおーーーーーーーっ!
わーーーーーーーーーーっ!!!
きゃあああーーーーーーっ!!


座敷内から、大きな喚声が沸き上がる。

パチパチパチ。

そしてなぜか拍手まで起こる始末。


なに?なに?この盛り上がりようはなに?
あたしは、座敷全体からの視線に、目をきょろきょろさせて事の次第がわからなくて、うろたえる。

「おおおーーーーっ、相原!夫の入江も認めたぞ!!おまえ、純情そうな顔をして、隠れてタバコ吸ってんだな!」

「吸ってません!!」

「まあでも、おまえは万年1回生以下顔だが、一応成人してる。だから、今回は入江に免じて、大目に見てやろう」

須藤先輩が、またゴリラのように自分の胸を大きく叩く。


「入江くん、ひどいっ!ひどいよっ!あたしがタバコを吸わないことは入江くんが一番知ってるくせに」

あたしは、入江くんのセーターを掴んでぐいぐいと揺さぶる。
半泣きになりながら、入江くんをぐいぐいと揺さぶっていると、だんだん体重が前に前にかかってしまい、入江くんに入江くんに身体が傾いて。

ドシンッ!!

あたしは入江くんと一緒に後ろに倒れてしまった。


わああああーーーーーーっ。
きゃああああーーーーーっ。
やーーーーーーーーーんっ。

また、異常な盛り上がりの喚声が起きる・・・・・・。


「須藤さん!!」

松本姉が急にすくっと立ち上がって、手を腰に置いて仁王立ちになる。
そして、須藤先輩に向かって指を指して。

「須藤さん、あなた最低ですね。男子は好きなように、タバコを吸ってるくせに、口紅がついてるからと女子を疑い、犯人捜しのようなことをする!最低極まりない男性ですね!」

「え、え、松本・・・俺はそんな・・・・」

「これは、女性差別、そしてれっきとしたセクハラです!!」

「そうよ!そのとおりだわっ!」

そして少し離れた席から、松本妹も立ち上がり、松本姉を同じように手に腰をやり、須藤先輩に向かって指を差して糾弾しはじめた。
松本姉、松本妹に指を差されて、この三角形の頂点にいる須藤先輩は、この2人の迫力に先ほどまでのゴリラの親分のような気迫がなくなり、眉毛を下げてただおろおろとするばかり。

「ま、松本・・・・、俺は、そんなつもりでは・・・・・・」


「それと部員のみんな!!あなたたちも、こんなバカな人に乗せられて、つまらないことで笑ったり、盛り上がったりしないこと!!自分たちまで、バカの仲間になってしまうわよ!」

松本姉が、座敷全体を指でぐるりと差しながら、メドゥーサ(=ギリシア神話に登場する女の怪物。髪が蛇で、覗き込まれた者は石になるという)のように部員達を制圧していく。
先ほどまでの、変なテンションで包まれた座敷一帯が、このメドゥーサによって、しぃーんとした空気に包まれる。


「ま、松本・・・・・バカって・・・・俺のこ・・と・・・・」

須藤先輩が情けない顔で、さきほどとは違いかなり弱々しい声で話し出す。
しかし、カッ!と松本姉にきつく睨まれて、須藤先輩は石のようになり、それ以上話すことはなかった。




***********

とりあえず、この話が終わったら、私はしばらくお休みしようと思っているのですが、終わるのか・・・?
読まれた方は、タバコの犯人はもう察しがつかれたんじゃないでしょうか(笑)。





COMMENT

コメント
>Rさま

読んでいただいてありがとうございます。しかも、しっかりと読んでいただいた感想で、とてもうれしいです(*^_^*)
このあたりまだ伏線で、あとでああこの人たちの言動はこういうことだったんだと思ってもらえればと描いてるので(私の力量不足でそういう結果になるかは不明ですが)、もうしばらく本題までおつきあいお願いします♪
とりあえず、最後まで話はできあがりましたので、あとは修正していきます。途中、甘ラブもちょっといれました(^_^)v
須藤さんって、あまり二次創作で見かけないような?(笑)松本姉妹は私の中ではゴージャスで素敵な姉貴って感じがしてます(^^)
by chan-BB
2010/01/06(水) 12:51 [Edit
琴子とチュウした、直樹の物とみた(*^_^*)
by Jung Jin
2011/05/07(土) 14:30 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

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私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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