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2014.04.10 *Thu*

14 スズランの君を想う野獣



注意!入江くんのキャラが崩壊しています。
下品なギャグも寛容な方のみ読み進めて下さい。


整形外科病棟に現れた野獣」を思い出して読んで下されば・・・と思います。
・・・・・・・・・・・・・・・


山田次郎 32歳。フリーター。小説家志望。
栄養失調(何時代だ?)で内科入院。

琴子に恋い焦がれているという情報がNから入った。



チ―――――ン



おれは本館二階、内科病棟へと足を踏み入れた。
時間はあまりない。早急に確認事項を果たさなくては。


「わ~、入江先生!久々に内科に・・・どうしたのかしら?」
「だ、誰ですか、あのイケメン?何か、医療ドラマの撮影でもしているんですか?」
「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」

どこで用意していたのか、80歳はとうに超えているだろうと思われるご婦人に色紙とサインペンを渡された。
急いでいるのでむしろ断る時間も惜しく、おれは色紙とペンを受け取り、サササとサインをした。(※実は混乱中)

「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」
「小池さん、もう書いてもらったじゃないですか。わ~すごいイラスト入り!これ家宝ですよ、小池さん家宝ですよ!」
「入江先生がこんなサインを持っているなんて、なんて斬新なの!小池さん、写メに撮らせて下さい」


-カシャ    写真 (1)

  

どうでもいい会話がおれの耳に右から左に流れていく。
そうしているうちに、おれは目的地へと着いた。

琴子に恋い焦がれているという奴は、過去にも幾人か居た。
看護師という仕事が、患者に優しさや安心感を与えて、そこから恋心に発展していくことも多々あることだ。
決して人並み以上に琴子がもてるわけではなく、よくある話なのかもしれない。

しかし今回は、なんとも解さない話をNから聞いた。
山田次郎が、琴子のことを「スズランの君」と呼んでいるというではないか。
しかも琴子が、山田にスズランの花を贈ったとか。
そのスズランの花を見て、山田はいつも「スズランの君、それは奇跡」「スズランの君、君は天使」と詩人の如くつぶやいているとか・・・。


バキッ


山田の病室のネームプレートが、落ちて粉々になった。
いかんな。劣化しているな。
ちょっとエルボーを食らわせただけで、なんてやわな。


「失礼」


おれは薄暗い四人部屋へと入っていった。


「だ、誰だ!?まぶしい!」
「嫌がらせのようなイケメン医師。どこから?」
「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」(※さりげなくまぎれこんでいる?)

もういいって!
その反応、定型文のように聞き飽きたわ!

そこにとんでもない異種言葉が飛び込んでいた。

「ああ、スズランの君。君は、今、どうしているの?僕に幸せの風を運んでくれたように、今も誰かに幸せの風を運んでいるのかい?」


シャ――――ッ


「うわっ!誰!?」

おれは仕切りのカーテンを勢いよく開けてやった。
中には予想どおりの貧弱な男がベッドの上に正座していた。

「どうされましたか?」とおれは冷静に聞く。

「どうされたって・・・いきなりカーテンが・・・どなたですか?」



おれは、スズランの君の夫だ―――!!



おれは見回す。
琴子がこいつに贈ったというスズランの花はどこだ。
琴子がおれ以外の奴に花を贈るなんて・・・到底信じられない。

しかし殺風景な山田のベッド周りには何もなく。
ただ簡易机の上に、コップに入った野草が生けられているだけだった。

「さっきスズランという言葉が聞こえたので、スズランを飾っておられるのかと思いましたが」

「ああ。スズランはこれですよ」

山田が指を指したのは、そのコップに入った野草だった。
これはどう見てもその辺に咲いている「ハコベ」ではないか。

「スズランでないのはわかっています。ただ、愛らしい看護師さんが『スズラン』だと僕にくれたので」

山田はポッと頬を赤らめる。

「その話、詳しく聞かせてくれませんか?」

「聞いてくれますか~!ああ、良い人だ。僕は、この劇的なスズランの君との出会いの話をみんなに聞いて欲しかったんですよ」

山田は、三文小説風にその時の出来事を話し出した。






僕は、人生に疲れていた。いや、自分の人生を恨んでいた。
食べることも忘れるくらい精魂込めて書いた小説も、結局またも落選。
残ったのは、借金と不健康な身体だけだった。

(中略)

ある日、病院の中庭をあてもなく歩いていると、そこで花を摘んでいる看護師さんに出会った。
まるで少女のように楽しんで花を摘む看護師さんに、僕は妙に温かい風を感じた。
こんな風を感じたのは、本当に久しぶりのことだった。

じっとその様子をベンチに座って見ていると、その看護師さんが僕に気づいてこう言ったのだ。

「入院患者さんですよね?」

「は、はい」

「よかったらこのお花、病室に飾りませんか?アレルギーとかなかったらの話だけど」

「あ、ありません。アレルギーはありません」

「じゃあ、このお花、どうぞ。病室が明るくなりますよ」

そう言って白い花を僕に手渡してくれた。
可憐な花。可憐な瞳の看護師さん。

「この花は・・・」

「ええっと。この花はたぶん白い花びらだから『スズラン』だと思います」

「ス、スズラン?」

のわけはないと思った。しかし、

「はい。たぶんスズランです」

と、可憐な笑顔を浮かべる看護師さんがそう言うのだから、僕は今日からこの花は「スズラン」だと思うことにした。
そしてあの可憐な笑顔の看護師さんを「スズランの君」と・・・・。








「けっ、くだらね」

「・・・へ?今、ええ?す、すごいこと言いました?」

「いえ、何も」

琴子らしい間違い。
琴子らしい適当さ。
そして何より、琴子らしい人類愛。
誰にでも優しく声を掛けるのは、ある意味罪だということを、いい加減気づいてほしいものだ。

「これは、いわゆる『ハコベ』ですよ」

「はい。わかっています」

「そしてハコベは」

「・・・わああああああっ!」

「七草の一種でもあります」

おれは、コップの中のハコベをむしり取ると、口に放り込みむしゃむしゃとかみ砕いた。

「ぺっ」

「あああ~スズランの君~・・・」

おれにかみ砕かれ、床に吐き出されたハコベを見て、山田は愕然とする。


「食用でないからまずいな。でも、これは間違いなく『ハコベ』です」

「そ、そんなことわかってますよ!でも、僕にはスズランの君との思い出が・・・」

「ハコベなので、『スズランの君』など存在しません」

「そんな」

「間違いを正すこと。間違いを受け入れること。それが人間として必要なのではないでしょうか?それを理解しないと、まともな小説なんて書けませんよ!」(※根拠なき説教)

「あなたは・・・もしかしてスズランの精・・・?」



おれは、スズランの君の夫だ―――!!




おれが病室を出て行くとき、山田はおれを崇め奉るような目で見ていた。
きっとおれの説教(※?)が心に響いたのだろう。
寝食忘れて小説を書いているようなファンタジー野郎を洗脳するのは容易い。
そして山田はもう、スズランの君や琴子のことはどうでもよくなったことだろうと確信した。


――任務完了!


「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」

「さっきもしましたが」

「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」

このご婦人は、なかなか洗脳されない。
どうやら相当強靱な精神の持ち主らしい。









家に帰ると、琴子が嬉々とした様子でおれに近寄ってきた。

「入江くん、今日ね、病院でスズランの花を摘んできたの」

「え?スズラン?」

「うん。部屋に飾ってるから見て。入江くんのために摘んできたの」

琴子はすごく満足そうな顔をしている。
しかしおれは、少し複雑だった。
琴子の気持ちは嬉しいが、なぜ今「スズラン」なんだ・・・。
きっと病院の中庭に咲いている「ハコベ」のことだろう。
別にハコベでもいいのだが、先に山田にあげたことを思うと・・・、少し心がざらつく。


しかし、部屋に入って目にしたものは―――


「ね?きれいでしょう?なんだか入江くんにぴったり」

「こ、これは・・・」

「気高い感じが入江くんっぽいって感じ」

そこにあったのは、スズランではなく、紛れもない白い「薔薇」の花だった。

「おまえ、これ、どこで?」

「え?ああ。秘密の花園の端っこの方に、ひっそり咲いていたの」

「これは、野村教授が大切に育てている・・・」

野村教授の薔薇をむしり取ってきたのか・・・。

「・・・ん?」

「いや、いい」


おれは琴子を引き寄せて抱きしめた。
なんて愛らしいことだろう。
スズランの区別もつかない琴子だが、山田のようのたまたまそこに居た人間とは区別をして、しっかりおれにはおれらしい花を用意してくれている。
一見深い意味がなさそうだが、そこには琴子なりの激しく深い意味がある。(※ないだろう)


―ビリッ



「やだん、入江くん///おなかに・・・棘が刺さっちゃう・・・」

おれは耳元で囁く。

「おれを誘うために、花を飾ったのか?」

さらに琴子をきつく抱きしめる

「そ、そういうわけじゃ・・・あん、本当に棘が刺さる・・・///」

「お望み通り、今夜は、おまえのスズランを一晩中鳴らせてやるからな」(※?)

「入江くぅん・・・///」(※きゅうううううん)




リンリンリンな野獣ナイト突入―――。





**********

すみませんね。ホントに。毎度こんな感じで(^_^;)
今回は「スズランの君」がテーマなのですが、なにげにレアネタは「そこの男前さん・・・サイン・・・下さいな・・・」で、入江くんがへたれな字でサインしたことかもしれません。あと、女嫌いの入江くんが年配のご夫人には優しいとこも(笑)

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2014/04/10(木) 16:49 [Edit
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2014/04/10(木) 18:00 [Edit
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2014/04/10(木) 19:48 [Edit
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2014/04/11(金) 21:56 [Edit
コメント&拍手コメントありがとうございます

ちょこましゅまろさま

野獣シリーズお好きなんですね!嬉しいです。
入江くんのかなり偏った愛情シリーズです(^^;)
色紙のサインのイラスト!そっちですか!(笑)
「直樹」だけに「直立な樹」をイメージしたのですが、野獣だけにそれもありですね( ´艸`)


たまちさま

はい。今回もたまちさんのために!(※)を忘れず投入しましたよ♪
「N」でよくわかって下さいましたね。もう説明さえいれませんでしたのに(笑)。なにげに野獣シリーズでは、「N」は「西垣先生」「西垣」「N」と活用が変化しています。(だからどうした!?)
イラストの絵がブロッコリー・・・ぷるぷる・・・ブロッコリーを描く意味ないし!(笑)とりあえず「直樹」だけに「直立な樹」だったのですが、あまりに稚拙な絵に誰も気づいていないと・・・いや、きっと小池さんは気づいている。だから何度も現れたのかもしれません。妖怪サインくればあさん(笑)!
ハコベをスズランと間違う大人は、きっとこの世の中で琴子ちゃんくらいでしょう。さすがに薔薇を間違うことないだろうと自分でも書いてて思ったのですが、野獣シリーズだからもう適当で!(笑)
ハコベと薔薇の格差に萌える入江くんのレベルは、まさにジュテーム(※意味わかんないし)。
いつもたまちさんのまとめのうまさを見習いたいと思っています。


紀子ママさま

今回も笑い死ぬがやってきてくれてうれしいです~♪ありがとうございます!
Nに踊らされて、今回もまたまた偵察に行っちゃった入江くんの巻でした(^_^;)
入院患者さんにスズランを配布なんてあるんですね!すてき!琴子ちゃんの心も、そういう入院患者さんを癒したいって気持ちだったと思うんです。それを入江くんが・・・(笑)。
ハコベをむしゃつく入江くんを書きながら、なんとなく「秘密の花園」でNに「ロバ」と形容されていた入江くんを自分で思い出していました(笑)。普通、そのへんのハコベを生で口になんていれませんよね(^_^;)ホントロバだ・・・。
そして今回初めて登場(また出番あったりして)の小池さん!彼女のイケメンレーダーは、きっと生涯現役のことでしょう!私もそうでありたいと思います(*^_^*)
ホントはちゃめちゃ夫婦のイリコトです。しかしなぜかいつも落ち着くとこに落ち着く・・・それが野獣シリーズですね(^^;)


ねーさんさま

確かに今回「琴子のドキドキ☆エイプリルフール」からの野獣関連続きっぽいと思います(笑)!
あのときはどこかまだ純な入江くんでしたが、今回は琴子ちゃんに対する嫉妬愛だけは純ですが、それ以外はホント自分勝手(^^;)琴子ちゃんが男に渡したハコベさえも消滅させるべく食べましたしね(笑)。
スズランならして、大輪の薔薇を咲かせるって!ねーさんさん、さすがです、うまいです!!(*^_^*)


珠さま

こんにちは。珠さん、プチお久しぶりです。どうぞ春の訪れと共に元気出して下さいね。
そしてこんな野獣でも、ちょっとは癒しになったでしょうか?(^^;)
標的を探している最中でしたので、入江くんわけわからずサインまでしてしましたの巻でした(笑)。
そうなんですよ!「直樹」だけに「真っ直ぐな樹」なんですよ!(笑)さすが珠さん!あっぱれです。あのとき標的に直進していたので、それも賭けています(*^_^*)ハハ
by 千夜夢
2014/04/15(火) 14:49 [Edit
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2014/06/06(金) 18:22 [Edit
コメントありがとうございます

kaotokuchanさま

Nを利用しているのか、踊らされているのか・・・。この二人は、どこか相殺しあいながら存在しているようにも思えますね(笑)。
「名は体を表している」に大うけです!これって、かなりいろんな意味を含んでいますよね?(笑)なんだか真っ直ぐな樹で、いいのか悪いのか?応用効かないような意味にもとれますよね。いろんな意味で!(笑)
でも、琴子ちゃんへの愛は、やっぱり真っ直ぐな樹なんですね!爆!もうそれに行き着いただけで、この馬鹿げた野獣話も、「愛妻物語」へと繋がっていく樹(気)がします。ありがとうございます。
by 千夜夢
2014/06/10(火) 13:31 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
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原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
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まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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