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2013.09.09 *Mon*

琴子日記 ライオンのたてがみ



また野獣を書いていたら、違う妄想に!!
久々の「琴子日記」です。

このシリーズはとても緩く、おちもなくていいのです(と自分で言い聞かせる)。
ただ琴子ちゃんの心のおもむくままに・・・。
・・・・・・・・・・・・


実はあたし、結婚したら絶対試してみたいことがあった――。



「入江くん」

「ん?」

お風呂から出て、あたしたちの部屋に戻ってきた入江くんに、今日、あたしは意を決して言ってみる。


「その髪の毛、あたしに拭かせて」

「いいよ。自分でするから」

なんと!意を決したあたしの要求が秒殺!?

「拭きたいの!」

でもあたしも負けてはいない。
へこたれず歩み寄ってみる。
しかし入江くんは、自分で髪を拭きながら、ちらりとあたしを斜めに見て言った。

「いいよ。気持ち悪い」



気持ち悪い
気持ち悪い
気持ち悪い



ふうっと宇宙のかなたに飛んでいってしまいそうなショックに陥ったが、それでもあたしは負けてはいけないと引きとどまった。
こんなことで負けていては、こんなことで引き下がっていては、あたしは相原、いや入江琴子ではないっ!!


「結婚したら、入江くんの髪をあたしが拭いてあげたかったの」

「ふーん」

「ううん。本当は結婚する前から。いつもお風呂上がりの濡れた髪の入江くんを見ていたときから、いつかはその髪をあたしが拭いてみたいって」

「おまえって、結構いやらしいんだな。おれのこと、そんな目で見ていたんだ?」

「い、い、いやらしくなんてないよ!これは女の子の憧れというか」

「濡れた髪を拭くのが憧れ?」

「そ、そうよ」

「やっぱ、変態」

「もう!」

なんだかんだでうまくごまかされ、なんだか本題とは違う方向に話が向かっているのが妙にむかつく。


「とかなんとか言っている間に、おれ、もう髪乾いたし」

「え?」

「おれ、髪細いから、すぐに乾くんだ」

ポンと拭いていたタオルを、入江くんは自分の椅子に投げるようにして掛けた。
目線を入江くんの髪にやると、確かにさらさらともうほとんど乾いている。
そういえば結婚前も、髪をタオルドライしている入江くんは毎日のように見ていたけれど、ドライヤーをしている入江くんを滅多に見た記憶がないことに気づく。


そして入江くんは、自分のタオルを掛けた椅子に座って読書を始めた。
あたしはうしろからその左肩に手を置き、ゆっくりともたれかかる。

「また、難しい本、読んでるね」

入江くんの肩越しから、あたしは入江くんの読んでいる本を目に映しながらぽつりと呟く。
どんな本を読んでいるのか知りたいけれど、全くその内容さえもわからないのが妙に寂しい。
ううん。本当は、一番寂しいのは、髪を拭きたかったのが実現しなかったこと。
今日こそは入江くんの髪を拭きたかったのになと、意味もわからない本を見つめながらあたしは思った。


「怒ってんの?」

入江くんが顔を左横に寄せて、肩にくっついているあたしの顔を覗き込んで言う。
そんなこと聞いてくるなんて珍しいじゃない?

「何に怒るの?」

あたしはわざとしらじらしくそう答えた。

「髪を拭かせなかったこと」

「わかってるなら、拭かせてくれてもよかったのに。結構勇気出して頼んだのにな」

あたしはわざと口を尖らせてそう言った。

「なんで髪なんか拭きたいの?」

「なんでって・・・それは、別にいいじゃない」

これまたわざと、あたしはふて腐れた様子で言った。
すると

ちゅっ

と音をたててキスをされた。
そして目の前には熱い目の入江くん。


「言えよ」

「うっ・・・///」


は、反則だよ。
こんな熱い目で、こんなにカッコいい目で、こんなにあたしだけを見つめている目をで・・・。
あたしはすぐに堕ちてしまうよ。


「だって、なんだか入江くんの髪を拭くって、すごくレベル高いことでしょ」

「レベルってなんだよ?」

「最高レベルよ!」

「だから何のレベル?」

入江くんは眉間に皺を寄せて、あたしを訝しげに見た。

「うんとね。そうそう。例えて言うと、入江くんの髪を拭くっていうレベルは、ライオンのたてがみを触るってくらい難しいことなの」

「ライオンのたてがみ?」

「ライオンのたてがみって、触るのって危険でしょう」

「当たり前だ」

「入江くんの髪を拭くのも、それくらいのレベルってことよ。それくらい・・・不可能に近いことだったの。片思いの頃は・・・」

我ながら「ライオンのたてがみ」とは、うまく言い表せたと思った。
そう思ってふと目線をあげると、そこにはやはり熱い目をした入江くんがいた。

「な、なに??///」

妙にどぎまぎしてしまう。

「おれの髪を拭くって、まるでおれを『征服』したような感覚?」

「え?せ、征服って、そんな風には」

「それとも、おれを『手懐けた』って感覚?」

「ええっ?そ、そんな・・・なんか『征服』とか『手懐ける』って、すごく嫌な感じだよ。あたしそんな意味では」

あたしは首をぶんぶんと横に振って否定した。
ちょっと違う。
あたしの思っている感覚とちょっと違うけど、だけど馬鹿なあたしにはその違いをうまく説明出来ない。

「そういう意味も含まれていると思うけど?」

「そ、そんなこと」

「別にいいけど。実際そうだし」

「ん!?」

そしてあたしはまた、入江くんにキスをされた。

でもさっきとは違い、なかなかその唇はあたしの唇を解放してくれない。
何秒くらい、唇を重ねていただろう。
そしてやっと唇が離れて、

「・・・入江くん・・・///」

弾んだ息をごまかすように、あたしは思わず入江くんの名前を呼んでしまった。
きっとあたし今、トロンとしたひどく情けない顔をしていると思う。


椅子から入江くんが立ち上がり、あたしの目の前に立ち尽くす。
さらさらとした髪が、蛍光灯に照らされて黄金色に輝いて見える。
それは本当のライオンのたてがみのように、とても気高い。


カッコイイ
ステキ
これがあたしの旦那さま(※効果音「きゅううううん」)


「きゃああ///」


いきなりお姫様抱っこをされると、あたしはゆっくりとベッドの上に寝かされた。
さらりとしたたてがみ、いや、入江くんの前髪があたしの頬に触れる。
それくらい近い距離で、やはり熱い目をしてあたしを見る入江くん。
そんな入江くんがゆっくりと唇を開く。
そして紡いだ言葉が、




「ガオ」




「・・・え?」

あまりの予想外の入江くんの言葉に、あたしは目を真ん丸に見開いて入江くんをガン見した。

「なんだよ?」

少しはにかんだように入江くんは言う。

「入江くんって、そういうキャラだった?」

あたしがそう返すと、入江くんは少し不機嫌そうだけど、やはり少しはにかんだような表情を見せた。
しかしこれも、普段はあまり見せないすごくレアな表情だと思い、あたしの胸はなんだかわくわくとする。

「こういうキャラのおれもいる」

「そうなの?」

「おれにもよくわかんねーけど、ぷっ」


そう言って子どものように緩く笑った入江くんの表情は、それはまたなんとも魅力的で。
こういう入江くんの表情を見ることができるのは、やはりライオンのたてがみを触るくらいすごいことだとあたしはひどく感激して・・・




あたしはその夜、優しいライオンに無抵抗で喰われてしまったのだ――。





**********

え?これがおち?
「髪を拭く」とか「ライオンのたてがみ」とかは何?

・・・とか関係ないのが「琴子日記」です。おそまつでしたm(_ _)m

ちなみに入江くんの髪を拭く琴子ちゃんは、以前に「新婚読本」で書いています。
あれは入江くんの髪を拭きながら、未来の薄毛を心配する琴子ちゃんでしたが・・・(苦笑)。

COMMENT

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2013/09/09(月) 14:45 [Edit
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2013/09/09(月) 15:57 [Edit
千夜夢さん、お話有難うございます、琴子ちゃん結婚してるからと意を決して髪の毛拭かせて言ったら、なんと瞬殺で拒否挙句の果て気持ち悪いなんてその台詞、其れはあのラブレターいらない発言と同じではないか?やっとやっと直樹君に触れられる立場になに成ったのに、其れは無いよ直樹!!切ない話か?と思いきや、何故拭きたいのと聞かれる天然呆けな琴子ちゃん、レベルが高いの、ライオンの鬣と変な説明でプッーと笑いが出る話、十分落ち有りますよ、直樹君のキャラじゃ無いガォーなんて言って無抵抗で喰われましたと言う落ち落ちで楽しいく読ませていただきました、暑さも和らぎしのぎ易くなりましたが夏のお疲れが出ない様にお体に気を付けてくださいね、お話待ってま~す。
by ムー
2013/09/09(月) 17:02 [Edit
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2013/09/09(月) 17:53 [Edit
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2013/09/09(月) 19:42 [Edit
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2013/09/10(火) 14:41 [Edit
コメント&拍手コメントありがとうございます

またお返事が遅くなってしまってすみませんm(_ _)m思いがけぬトラブルが日々あるもので、明日には明日には・・・と思いながら復活したのが昨日・・・。本当にいつも賞味期限過ぎた返信でごめんなさい。
以下からお返事さしあげます。


まあちさま

こんにちは。UPしてまもなくのコメント!超テンション上がりました!ありがとうございます。
そんなにガオを連発していただき(笑)、うれしいな~♪まあちさんが、入江くんのガオにやられてしまったことがめちゃ伝わったコメでした(*^m^*) こんなところでも野獣健在の巻でもありました。


たまちさま

こんにちは。「琴子日記」も楽しんでいただきありがとうございます。
軽快なテンポのたまちさんのコメに私も心癒されます♪
まさに「琴子日記」の対になる「直樹日記」が野獣シリーズですからね(笑)、「琴子日記」もどうしてもおかしな空気が流れてしまいます。
今回はちょっぴりまだ可愛い「野獣ガオ」が顔を出してしまいました(まだ新婚設定だし)が、この後は間違いなく野獣NIGHTに突入したことでしょう。
そうですね。男の人って、間違いなく女性が考える以上に頭髪を気にする生き物だと私も思います(笑)。というわけで(?)、やっぱこの続き書くしかないかな~なんて(^^;)誰が頭髪の創作を読みたいか?と自問自答しながら、妄想は独り走っています(*^m^*)


ムーさま

こんにちは。結婚してからどこか日常的には昔と変わらずツンな入江くんであります。「気持ち悪い」なんて、可愛い奥さんに言う言葉じゃないですよね。だけどやっぱ、琴子ちゃんの謎の行動を見逃す入江くんではありません(*^m^*) 妻の一言は、やはり気になるんですよね~♪琴子ちゃんの可愛い会話を聞きながら、きっとむらむらむら~ときたことでしょう(*^m^*)
なんの他愛のない話でしたが、オチもあると言っていただき感激です。ガオの一言にやられて無抵抗で喰われてしまった琴子ちゃんをぜひ想像してやって下さいな☆
体調のお気遣いもありがとうございます。行事の多い季節になってきたので、ぜひ自愛したいと思います。


YKママさま

こんにちは。レアな入江くんの「ガオ」を楽しんでくださってよかったです。今回何気に「ガオ」は皆さまの反応よかったですね(*^m^*)
可愛い琴子ちゃんのやること言うこと、この時期は特に新鮮で仕方がない入江くんだと思います。もちろん琴子ちゃんにとっても新鮮なことばかりですが。
琴子ちゃんの何か入江くんに少しずつ近づきたいというミッションのようなものの一つに「髪を拭きたい」というのがあったのでしょう。今まで手が届かなかったものの一つだと思うのです。
でもYKママさんの新婚時代もすごいですね!(笑)もうどんなに可愛くて旦那さんはメロメロだったのではないかと思いますよ(*^m^*) 琴子ちゃんもやりそう。腰抜かす入江くんとか、個人的には見てみたいですが(笑)
夏休みが終わって、かなり楽になったと思うのですが、もう今は・・・毎朝起きない我が子に格闘中ですね。恐るべき反抗期。入江ママじゃありませんが、小さい頃の写真思い出しては今と比べてため息です(^^;)


紀子ママさま

こんにちは。さすが紀子ママさん、効果音に注目してくださいました?(*^m^*) これがイタキスと言っていただき感激ですよ♪
そうなんです。ホントさらさらっと書いている話なんです(^^;)だけどこの手のシリーズは、私の歪んだ萌えを実現するのにとても最適なんですね(笑)入江くんの琴子ちゃん愛を感じていただき嬉しいです。
そして・・・過日は、日キスのお知らせありがとうございました。
見事に私、はまっています!!!(笑)小さな何気ないシーンにもう胸きゅんいっぱいです!!つくづく思うのは、大きな事件がなくても、もう日常的なやりとりだけでイタキスは萌えるんですよね!!とても良い再確認を毎日しています。(というか、続き待てずにネットで全部観ちゃいましたがw)
最後になりましたが・・・タオルドライだけで乾く髪って赤ちゃんくらいですよね。入江くん・・・心配すべきです。


kaotokuchanさま

こんにちは。「新婚読本」も読み返していただきありがとうございます(^^)/
結構基本的にツンだけどデレな入江くんも取り入れた話だったと思います(*^m^*) しょうもない会話から、二人だけの萌えを創り出して世界を繰り広げていく二人を楽しんでいただければな~って。私がそういうの好きなので(笑)
でも「ガオ」に皆さん反応していただいて、すごく嬉しかったんですよ~。kaotokuchanさんもそのお一人で(*^m^*) 意外な入江くんが新鮮でしたか?(*^m^*)
そうそう、結構「髪」を使った話は書いたと思います。「髪」を題材にしなくても、「髪」を絡めたシーンは自分でも全部覚えていないくらい書いたような気がします。
琴子ちゃんの髪を乾かしたり、化粧したり、帯までした入江くんもいましたね!(笑)いろんな小道具やシチュを絡めて、探求心を高め、そして萌えるのでしょうね~(*^m^*) 楽しんでいただけて、私もとってもうれしかったです。ありがとうございます。


おんぷさま

こんにちは。こちらこそいつもありがとうございます♪
野獣を彷彿とさせる「琴子日記」だったかもしれませんね。新婚ならではのちょっとずれた(?)ほのぼのラブだったかもしれません。楽しんでいただけて嬉しいです♪
「ガオ」は皆さま、反応良かったですね。絶対入江くんが言いそうにない言葉ですもん。でも二人だけのときには、ちょっとやっちまった的な勢いであるかも?と妄想しました。だって琴子ちゃんの意外性が、きっと入江くんはたまらないことでしょうから。
入江くんは、その昔絶対結婚するわけもないと思った琴子ちゃんと結婚してしまった時点で「降伏」したと思っていると思います。今回はそれを過剰に「征服」「手懐ける」という言葉にしてみました。いいね~琴子ちゃんに手懐けられた入江くん~という私の歪んだ萌えが発祥なんですがね(*^m^*) 受け入れていただけて、とっても嬉しかったです♪ありがとうございます。


Yunさま

はじめまして。この度一ヶ月かけて全ての話を読んでくださったとのこと。すっごくうれしいです。ありがとうございます。
私も現在、日キスに非常にはまっています(*^m^*) また日キスの二人をイメージして、創作しちゃうかもしれません。
全体的は原作をイメージして書いた作品がほとんどなのですが、胸キュンメロメロしていただき感激です(T_T)そしてアレも読みましたか?(笑)自分でもよく完結できたと思うのですが、そんなに言っていただけてとても嬉しいです。完結してよかったと思います。
だらだらですが、まだブログは運営していますので、これからもぜひ遊びに来て下さいね。コメントしていただき、ありがとうございました。
by 千夜夢
2013/09/19(木) 14:37 [Edit

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プロフィール

千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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