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2009.11.28 *Sat*

チャート式



「『ドライブするなら、夕日のきれいな港or夜景のきれいな展望台、どっち?』」
「え~~・・・、ああ・・・、うーん、どっちも捨てがたいよ~、入江くんとだったら、あたし、どっちでも、ううん、近所の公園でもいいよ~」
「もおっ!それだと次に進めないでしょう!どっちか選びなさいよっ!」
「入江くんはどっちがいいのかな?」
「知らないわよ!!入江さんに直接聞けばいいじゃないっ!」
「・・・モトちゃん・・・、入江くんがこんな質問に答えてくれると思う?」
「ま、無理でしょうね」
「もうっ!だったら、聞かないでよ!」


仕事の休憩中、缶ジュースをすすりながら、琴子と桔梗幹は雑誌のチャート式心理テストをしている。
女子はたいていこういう類のものが好きだ。


「琴子って、こういう心理テスト好きよね?」
「うん、そうだね、なんだか考えてるだけでわくわくするじゃない!?入江くんはどんなことが好き?入江くんがこういうシチュエーションだったらどうするの?とか・・・」
うっとりした目で、すっかり自分の世界に入る琴子は、病院でも日常風景である。


「ふっ・・・、琴子って、いつも『入江さん』目線でものを考えるのね、自分が主体で考えられないわけ?」
「だって、子供のころから、女の子が好きな男の子の好みとか調査するのって、定番でしょ!あたしだって、入江くんのこといろいろ知りたいわよ!これはとても自然なことなのよ」
ぷうっと少しふくれながら、琴子が力説する。


「はあ、そうですか」
結婚してるのに、調査ってさあ・・・とオーバーアクションで手を挙げて、あほらしくてやってられないといった表情を浮かべる幹。


そんなたわいもない話をしているうちに、幹がふとひらめいて、琴子にあることを提案する――――。
「・・・モトちゃん!!あたし、それがんばってみるわ!」
「琴子~!がんばって!ぜひあたしの分まで、聞き出してちょうだい!」
「なんだか、今回はできそうな気がしてきたわっ!」
「そうよ、その勢いよ!」




それから数日後―――。
今日は直樹も琴子も日勤で、久しぶりに家で家族全員で夕食を食べたあと、直樹はいつものように一人部屋で本を読んでいた。
そこにコーヒーを持って、部屋にやってきた琴子。
一見いつもと変わらぬ光景だが、このシチュエーションは琴子が練りに練って計画したものだった。


「やだね」
「お願い、たった10問だけなの!YESかNOで答えてくれるだけでいいの!お願い」
「ばかばかしい」
「入江くんにはばかばかしくても、あたしにはとっても重要なことなの!!」
「・・・」
「速ければ、五分もかからないことでしょ?それさえも、だめなの?」


下目遣いでお願いのポーズをとる琴子のその表情に、実は直樹は弱い。
「コーヒーブレイク中に、ちょっと答えるだけだから」
「・・・つまらない質問なら、即刻、やめるからな」
「うんうん!!きゃあ~!入江くん、ありがとう~!」


直樹の首に腕を絡ませて、ぎゅうと抱きついてくる琴子を、やめろよ、と邪険に払おうとしながら、直樹は決してその行為が嫌ではないのも事実だ。



「では、一問目、『あなたは、男である』。入江くん、ほら、YESかNOで答えてよ!」
「・・・・・・」
「YESかNOでいいのよ?」
「・・・YES」

(なんだか、入江くんの顔が険しいけど・・・、答えてくれたわよ、モトちゃん!!モトちゃんの考えた、すっごく当たり前で答えやすい質問で入江くんを導きながら、自分の一番知りたい質問をさりげなく問題に入れておくって作戦!うまくいきそうよ!)


「じゃあ、二問目ね。『実は、禿げることをとても気にしている』。YES?NO??」
「・・・・・」
「どうかな?」


(このあたりは、どうでもいい質問なんで、ほら、入江くん、さらっと流してちょうだい、さらっとよ~!)


「・・・これって、本当に心理テストなのか?いきなり質問がぶっ飛んでないか?」
「へ?そ、そう??」


(う・・・鋭いなあ、あたしが入れたどうでもいい質問のひとつだって、わかっちゃったのかしら)


「入江くん、あたし、入江くんが禿げたって全然大丈夫だからね!ほら、お義父さんがああでしょう?実はちょっと覚悟というか、仕方ないかなっ・・・なんて。
大丈夫!あたし禿げた入江くんもずっと大好きだからね!!」


バタンッ!!
直樹は読んでいた本を大きな音をたてて閉じた。
そして、不快極まりない顔をして、目を閉じた。
「NO!!」


(ふふ、もしかして、禿げても大丈夫ってあたしの気持ちに感動してくれたのかな~)


「じゃあ次、三問目。『アダルトビデオをクローゼットに隠したことがある』。YESかな?NOかな~?」


(これは、雑誌からとった質問よ。あたしが考えた質問ばかりだと思われたらいけないからね、ふふふ)


「・・・・・・・・」
「えっ?ちょ、ちょっと・・・入江くん、それって考えることなのっ!?」
「・・・・・・・・」
「まさか・・・!?」

琴子は慌ててばたばたと走り、クローゼットをすばやく開けて、クローゼットの中に顔を押し込んで上から下まで見回した。
とたん、身体を持ち上げられたかと思うと、クローゼットに押し込まれ扉を閉められた。


「きゃーーーーっ」
「気がすむまで、探してろ!」
「やーーーーんっ!ひどいよーーっ!」


バン!
扉を勢いよく開けて、のろのろとクローゼットから琴子は這い出して肩で大きく息をした。
「あたし鳥目なんだから~!暗いところに閉じ込めないでぇ~!!」


「・・・さっき読んだ論文、全部忘れそうだ・・・」
コーヒーを一口飲んで、直樹は低い声で、不機嫌そうに呟いた。
「あ、それは大丈夫だよ、入江くんは一回読んだものは、絶対忘れないもん、へへへ」
「それが、忘れそうなくらい、衝撃が強いってことなんだよっ!!!」
唾がかかるくらい距離に顔を近づけて、直樹が琴子に怒鳴りつける。

「衝撃ってそんな・・・で、YESなの?NOなの?」
「もう、終わりだ。思ったとおり、馬鹿らしくてやってらんない」
「ええ!!だめだよ、本題はこれから・・・あわわ・・・、いや、まだ三問目なのに~!」
「・・・」
ギロリと睨む直樹。


「わ、わかった、わかった、じゃあ三問目は『NO』ってことで、ね!?クローゼットに何もなかったしね!?」
「・・・もう答えないからな」
「じゃあ四問目」
無理矢理、強行突破しようとする琴子。
「『実は怒りっぽい』」
「琴子――――――――っ!!!」





「・・・で、結局聞きたかった質問はできなかったってわけ?」
「・・・うん・・・、もうちょっとだったのに・・・」
「あたしの質問もできなかったの?」
「うん・・・だってあたしの聞きたいことまでもいかなかったもん・・・」
「もう、バカ琴子!!こんなどうでもいい質問なんてして!!あんたなんてクローゼットにずっと閉じ込められてなさいよっ!」
「う・・・・」
病院の食堂で、幹になじられる琴子。


「で、あんたは、どんな質問したかったのよ?」
「あたし?・・・へへ、あたしは『デートするなら、海より山がいい。YES?NO?』よ♪」
「・・・・そんな・・・そんなどうでもいい質問・・・・」
目を閉じた幹の顔に、たて線がはしる。


「どうでもいいことないわよ!すごく知りたいわよ!」
「夫婦なんだから、そのくらい日常会話で聞きなさいよ!!おかげで、あたしの聞きたい高尚な質問ができなかったじゃないの!?」
「モトちゃんの質問は、絶対答えてくれなさそうだから、十問目にしてたのよ」
「・・・『禿げ』やら『アダルトビデオ』やらよりは、ハードル低いわよ!」
「だって『女性の下着は、黒よりピンクがいい。YES?NO?』なんて、入江くんが答えてくれると思う?」
「『禿げ』や『クローゼット』よりましよ!!きーーっ!入江さんが黒がいいのかピンクがいいのか、せっかく知ることができるチャンスだったのにーーーーーっ!!」


「・・・入江くんは、きっと白が好きだと思うな」
「・・・」
「なに?」
「それって、マジ情報?」
「・・・しらない・・・」





(この話は「イタKiss何でも書いてみよう!」に投稿させていただきました。)


**********

初めて投稿させていただいた作品です。
コメントいただいた時は、本当に本当にうれしかったです(*^_^*)
他の方の作品がすごくお上手で、こんなお子様文に、コメントいただけると思わないように自分でしっかり言い聞かせて投稿したので、本当にコメントいただいた時は、うれしくてたまりませんでした。

人の作品にコメントするって、自分がしてみてよくわかるのですが、本当に難しいです。
単純に「おもしろかったです」って書きたいけど、それだけでいいのか?と思ってしまう。
コメントもらう方は私もそうだけど「よかったです」だけでも、すごくうれしいのに、いろいろ言葉を選んでコメントしてくださる方は、本当にありがたく感謝感謝の気持ちです。






COMMENT

琴子、可愛すぎ!笑
勝手に復習中のREEです!コメントは、お忙しいのに読んでいただくのは申し訳ないと思って、読み逃げさせて頂こう!と思っているのに、琴子の入江くんへの一生懸命さが可愛くて撃沈してしまったことをお知らせしたくなり、コメさせて頂きました笑。最後の入江くんは、白の下着が好きだと思うと言った琴子の、顔をポッと赤らめた姿が目にうかび、これまた撃沈しました笑。私もこんなカワユイ女でいたかったっす!笑
by REE
2011/09/05(月) 17:04 [Edit
コメントありがとうございます

REEさま

これまた初期中の初期のお話に、コメントありがとうございます~♪
このお話を書きながら、「私、コメディ系も書けるかも?」と思ったことを思い出します(*^m^*)
なんだか会話ばかりで読みにくい話ですが、この会話から琴子ちゃんの一途な入江くんファン☆を感じてもらえたなら、すっごくうれしいですね~。そしてぽろっと現実を漏らしちゃうあたり、策略ないところが、琴子ちゃんの可愛さですよね~♪
過去作へのコメントも本当にうれしいです。ありがとうございました。
by chan-BB
2011/09/06(火) 17:58 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

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私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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