08
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
<< >>


--.--.-- *--*

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2011.06.16 *Thu*

オタク部、新婚コトリン宅のアフタヌーンティーパーティーに招待される (後)


すみません~~長いです~~~(T_T)
・・・・・・・・・・・・・・・



「「「「こ、これは・・・・」」」」


そこには、幼少期の女装時代の直樹がたくさん写っていた。

「や、矢野さん・・・」

「こ、これは・・・きゅ、究極の美少女写真集だ」

マジにアルバムに見入る矢野たち。
その様子を見て「こんなにこのアルバムを見入ってくれるのは、琴子ちゃん以来だわ~」と、紀子もたいそう満足気に微笑む。

「見て?このエプロン、英国製なのよ?こんな子供用の小さなエプロンなのに、こんなにレースや刺繍が凝っていて・・・素晴らしい一品だったわ」

紀子が当時を思い出し、頬を上気させながらとある直樹の1枚の写真の説明をし出すと、

「す、すばらしいです!日本人の子供でこんなにアリスちっくな服が似合うなんて、奇跡ですよ!」

と、矢野が目を爛々とさせ、声を高らげ、写真に見入る。
それはさらに紀子の満足度をUPさせることになった。
紀子も鼻の穴を膨らませ、さらに興奮しながらアルバムをめくる。

「んまあ!まさかあなたたちにこんなに気持ちが伝わるなんて、思ってもいなかったわ。じゃあ、これはどう?このスイス製のチロリアンワンピース。これも手に入れるが難しかったのよ!」

「匠のなせる技です。これまた日本人の女の子が着こなすなんて・・・都会的な顔をしているのに、なぜにこんなハイジちっくなものまで・・・芸術のようですよノリリン!」

「へ?ノリリン?」

興奮しすぎて矢野は、自分が紀子のことを“ノリリン”と呼んだことさえ気づいていない。
それどころかさらにエキサイトした矢野は、逆に紀子に質問を浴びせ始める。
このドレスはどんなシチュを想像して着せたのか、はたまたその時のなおちゃんはどのような態度をとったのか?
さらにさらに・・・矢野の質問は尽きることなく続く・・・。


「マジ矢野さん・・・好みの少女ですよね」

ぼそっと白山が呟く。

「そうだな。矢野さんは元々コトリンよりも、こういったツンデレ系の美少女専門だったからな」

「矢野さんが前に見せてくれた、矢野さんオリジナルのフィギュアが、この女装した『ドン入江』に似ていることにもっと早く気づくべきだった・・・」

と、矢野を尊敬してやまない青木さえも、紀子に貪欲に質問を浴びせる矢野の姿に、呆れながら呟いた。


「す、すごいわあなた。さすが琴子ちゃんをモデルにしたアニメ部のOBだけあるわ。そしてすばらしい博学!」

矢野の質問攻めに、いつになく攻めの紀子も心地良い疲労を見せ始める。
紀子は、非常に満足していた。そして満足して、さらにもっとオタクたちの欲求を満たしてあげたいとさえ思い始めた。


「そうだわ!みんな、いいところに連れてってあげる!ついてきて!」

そう言って紀子は立ち上がると、まるでリーダーのようにオタクたちを指でくいっと呼び寄せた。
そして立ち上がったオタクたちと一緒に、二階へと階段を歩いて行く。


「ど、どこに行くんでしょうか?」

「また別室で別のビデオ観せられるとか・・・」

「ま、まさか、もうこんな時間だし」

と言いながらも、青木たちはこれから起きることに不安を抱いていたが、矢野だけがどこか頬を紅潮させて期待に満ちた目をしていた。

(まさかなおちゃんが幼少期に使っていた部屋とかがまだ残っているのでは・・・むふふ・・・)

階段を上がりきる。
そしてある部屋の前で、紀子は立ち止まった。

「見せたい部屋はここよ!!外国製の備品にもお目の高いあなたたちだから、今日は特別にあたしが全プロデュースしたこのお兄ちゃんと琴子ちゃんの部屋を見せてあげるわ~」


バ――――ンッ!


紀子が得意げにドアを開けたのは、新婚の直樹と琴子の部屋だった―。

「どう?お目の高いあなたたちならわかるわよね?まずは、あのベッドをみてちょうだい!あれは日本では、間違いなく我が家にしかないわ!それだけの値打ちものよ!」

「「「「・・・・・」」」」

紀子は・・・矢野が、なおちゃんそのものに興味を持っているというより、そのなおちゃんの身につけている外国製の洋服や備品に興味があると勘違いしていたのだ。


心の準備ができていなかった――。


オタクたちはまさかのコトリンの新婚部屋を見せられるとは、思ってもいなかったのだ。
コトリン不在で、まさかこんな部屋を見せられるとは・・・見ては見たかったが、見ていいものとはとても思ってはおらず・・・。
ピンクと白を基調とした花柄、レース、フリル・・・完全乙女チックにまとめられたこの部屋は、美少女キャラ好きのオタクたちが、美少女を妄想するには最適の部屋である。
が、ここであのドン入江も生活しているなんて・・・!?
そう思うと、どうも美少女やコトリンの妄想が遮断されてしまう空気が流れてしかたない。

しばらく放心状態のオタクたちだったが、少し落ち着いて、紀子の説明した巨大ベッドへとその視線をやった。
確かに、コトリンが直樹を一緒に寝ていると思われるその巨大ベッドは、この部屋で一番の存在感を表している。
そしてやはり・・・新婚の二人がそれを使用しているかと思うと・・・さすがに現実逃避型のオタクたちとはいえ、あらぬリアル妄想が・・・・。

「や、矢野さん・・・ベッドの横にティッシュBOXが・・・こ、これは・・・」

「あ、青木くん、変なところに着目するんじゃない」

と言いながら、矢野は鼻をつまんだ。
まさかの鼻血をここで流すわけにはいかない。
矢野は念には念を入れて、しっかりと鼻をつまんだ。
別にベッドの横にティッシュBOXなんてどの家でもありそうなものが、なぜかひっかかって仕方ないオタクたち。
そんな神経ぴりぴり張り巡らせているおたくたちに、紀子は

「この部屋は、しっかり防音設備を施しているのよ~」

と、ふふんと鼻を鳴らしてさらに自慢げに説明し出す。


((((な、何のために・・・!!?))))


この部屋にピアノなどの楽器らしきものはない。それなのになぜ―?
・・・とりあえず的に、青木たちも矢野に見習って鼻をつまみだした。


「このベッドね、見た目だけでなくって機能も素晴らしいみたいなのよ」

紀子は今度はベッドの方に移動すると、そのベッドに座ってパムパムとそのスプリングを揺らしてみせる。

「琴子ちゃんからちょっと報告を受けたんだけど(※「SWEET SUGAR ROOM⑥」参照)、なんとこのベッド、全然軋まないらしいのよ!!新婚の二人が毎日使っても、しかもうちのお兄ちゃんってあのような性格だから、ちょっと琴子ちゃんに無理強いしちゃうタイプでしょう?それなのに全く軋まないらしいのよ!!ミラクルとしかいいようないわっ!!」


((((・・・!!!))))


興奮して鼻の穴を開く紀子。
反対にオタクたちはさらに鼻をきつくつまんだ。


「そしてこのベッドカバー!このベッドカバーを見てちょうだい!」

天然紀子の調度品説明はまだ続く。
今度はベッドに座ったまま、ベッドカバーを軽くひっぱり上げて話し出した。

「こんなに絹みたいな生地で、それでいてこんな凝った刺繍が入っているというのに、このベッドカバー。家で洗えるのよ!ガンガン洗って大丈夫なの!」

目を爛々と輝かせる紀子。

「「「「は、はあ・・・」」」」

と、とりあえず的にオタクたちは相づちを打った。
洗濯のことなど、オタクたちに興味はない。

「すごいでしょう?お兄ちゃんたちが毎日シミをつけたって、すぐに洗えちゃうのよ~~本当にこのベッドカバーは良い仕事してくれるわ~」


((((・・・!!!))))


「や、矢野さん・・・シ、シミってなんですか・・・」

青木は鼻をつまみすぎて窒息しそうな声で矢野に尋ねる。
矢野は・・・それに答える自信がなかった。いや、鼻から手を放せば、やばいことになるととても放せなかったのだ。
もはやオタクたちは、失神寸前・・・――。

しかし紀子の話は、容赦なくなおも続く。

「そしてね、この枕だけど、前と後ろで柄が違うのよ。前がこの薔薇の花で、後ろがこの小さいハートちゃんたち。そしてこの枕は実は・・・むふ!むふふふ!教えちゃおうかな~どうしようかな~」

と、虚ろに立ち尽くすオタクたちを前に、それには全く気づかず一人陽気に話を進める紀子。


――ピンポーン


「・・・あらやだ、誰かしら?」


永遠に終わりそうなかった紀子の調度品説明。
それを倒れるまで聞かされるのかと思っていたオタクたちに、まるで救世主のようにインターホンが鳴り、紀子の説明は一旦中断することになった。

「ちょっと見てくるから、ここで待ってね。変に物を触るとお兄ちゃんが気づくから、触っちゃダメよ」

それだけ言うと、紀子はそそくさと部屋を出て行った。


いっせいに「ほっ」と息を吐き、安堵の色を見せるオタクたち――。


「今のうちだ!探せ!」

そんなホッとするオタクたちに、矢野の号令がかかる。

「や、矢野さん何を?」

「変に触るとドン入江が気づくってノリリンが」

矢野の号令の意味がいまいちわからない青木たちは、怯えたような目で矢野の方を見た。

「わからないのか?床だよ。床!じゅうたん!」

「じゅうたん?」

「『毛髪』だよ、『毛髪』!コトリンの髪の毛が落ちているかもしれない。コトリンマニアのおまえたちなら、血の涙を流しても欲しい物だろう?」

「「「や、矢野さん・・・!!」」」

すっかりツンデレ美少女にやられてしまって、コトリンのことなど忘れていたかと思っていた矢野が、こんな的確な指示をしてきことに、青木たちは感動を覚えた。
そして「さすが矢野先輩!」と再び尊敬の念がむくむくと沸いてくる。

「ノリリンが戻ってくるまでに、早く探せ!じゅうたんに落ちた『毛髪』が無くなったくらいで、ドン入江が気づくわけがない!」

「「「は、はい、矢野さん!!」」」

そう言うと青木たちは、急に這いつくばってじゅうたんの上に落ちてるかもしれないコトリンの毛髪を探し出した。
しかし思いの外、この部屋はよく掃除がなされていた。
ほこりはおろか、髪の毛一本さえ落ちていない。
ノリリンが戻って来る前に、なんとかコトリンの毛髪一本でさえ手に入れたい。
数時間もビデオ鑑賞会で無駄に時間を費やしてしまったのだから、せめてここで実のあるお土産を手に入れたい・・・。


「あ、あ、ありました・・・」

黄原が声をあげ、いっせいの他のメンバーを振り向いた。

「コトリンのか?まさかドン入江のものではないだろうな?」

「わ、わかりません・・・」

黄原が消えそうな声で答える。

「わからないわけないだろ!?コトリンは、見たとおりかなりの長髪だ。ドン入江の長さとは段違いだろ」

「で、でも・・・」

そう言いながら黄原は、おずおずと矢野のところに近づいてきた。
そしてそのみつけたという「毛髪」を、少し手を震わせながら矢野に差しだした。

「こ、これは・・・!!?」

矢野は声を震わせ、思わずまた鼻をつまんだ。

「や、矢野さん・・・」

「こ、これは判別が・・・」

青木と白山も近づいてきてそれを確認し、鼻をつまんで話し出す。

黄原の見つけた毛髪は、見事に縮れた短毛だったのだ――。

この部位の毛になると、男女の区別がつきにくい。
コトリンのもだったら、これはとんでもないお宝GETだ!
しかし男のドン入江のものだったら・・・・。
そう思うと、思わず黄原もその毛髪を投げ出したくなる衝動にかられる。
どうする?
確率は1/2。
この縮れた毛髪を、持ち帰るか―?
持ち帰らないか―?


「持って帰ろう」

「「「や、矢野さん」」」

「別にドン入江のものだっていいじゃないか。1/2でコトリンのものかもしれないなら、ぜひ持ち帰ろう」

そう言いながら、矢野はまたしてもきつく鼻をつまんだ。
そしてその顔が、ひどくにやけていることに青木たちは気づく。


(きっと矢野さん・・・ドン入江に、なおちゃんを反映している・・・)

(多分・・・おれは・・・ドン入江のものなら・・・興味ないが・・・)

(しかし、矢野さんに反論したら、きっとややこしい・・・)

各々に心のうちを目で合図しあい、青木たちは、ベッドの横にあるティッシュBOXから1枚ティッシュを取り出し、その縮れた毛を包んだ。
その時


「何やってるんだ!!」

地響きみたいな男の声が、男たちの背後から聞こえてきた。


「「「「ひーーーーーー、ドン入江――――――!!?」」」」


そこには最高に不機嫌な顔をした直樹が立っていた。

「きゃあ!アニメ部!な、なんで~~なんで、あたしたちの部屋にアニメ部が!?」

その直樹の背後で、琴子が絶叫する。
さらにその琴子の背後から紀子が顔を出し

「お兄ちゃん、帰って来ちゃったわ」

とペロッと舌を出して、苦笑いしていた。


「おふくろ!なんでこいつら家に呼んだ!?なんでおれたちの部屋に入れたんだ!?」

「いや、あの、この人たちにはゲームソフトでお兄ちゃんもお世話になったし、部屋はあれよ、この人たちこう見えても西洋の調度品などに興味あるみたいだったから」

「おふくろ!!」

「もう・・・お兄ちゃんったら、頭固いんだから~」

直樹に怒鳴られ、さすがの紀子もそれ以上弁解はしなかった。

「もう夕方だぞ。そろそろ帰ったらどうだ」

今会ったばかりだというのに、直樹に帰宅を勧められるオタクたち。

「そうね!もうアフタヌーンティーパ―ティーは終わったことだし~お開きにしましょうか~」

と、紀子もその案にのった。


((((アフタヌーンティーパ―ティーって・・・僕たちは一口も食べさせてもらえなかったのに・・・))))


そしてオタクたちは、直樹たちの帰宅と同時にあっという間に入江家から追い出されてしまった――。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「矢野さん・・・今日はコトリンというよりも、濃いノリリンとの一日でしたね」

「確かに」

すでに真っ暗になった住宅街を歩きながら、オタクたちは疲労に満ちていた。

「今日の収穫は『コトリンの毛かもしれない縮れ毛』だけか・・・」

“アフタヌーンティーパーティー”に招待されながら、一口もお菓子はおろか、お茶さえも飲ませてもらえなかった焦燥感。
なんとも言えない虚しさ感じながら、矢野はティッシュに包んでいたそれをポケットから出した。

「問題は、コトリンのものかどうかの判別ですね?」

と、青木が矢野に問いかける。

「確かに」

「あの・・・・」

そんな時、白山が何か言いかけた。

「なんだ白山」

「その毛なのですが」

「なんだ?判別の方法があるのか?」

今日、いざと言うときに的確な意見をした白山だけに、みんなの注目が集まる。

「さっき帰る時に、あの家の庭で見たんですよ」

「何を?」

「大きな犬を」

「「「犬?」」」

矢野と青木と黄原が顔を見合わせる。

「茶色い大きな犬でした。ちょうどその毛くらいの体毛してたんですが・・・それもしかして犬の毛では?」

「はああ!?犬の毛!!?」

矢野は一目散に近くの街灯の下に走って行き、そのコトリンの部屋で拾った毛を持って、灯りにかざして見た。
青木も白山も、そして黄原もそれをしっかり見る。


「これは・・・・」

「「「・・・犬の毛ですね・・・」」」


いともあっさり、みんなの意見が一致してしまった――。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「もう、なんだかあのアニメ部があたしたちの部屋に入ったってだけで、変な臭いがする気がするー!」


シューーッ


「琴子、もうそれくらいにしろよ。反対にその臭いで鼻がやられてしまう」

夜になって、そろそろ就寝という時間。
琴子はアニメ部が帰ってから、何度も部屋に除菌型消臭芳香スプレーを散布していた。

「何か、部屋も触られたかも・・・あっ!!」

「なんだ?」

「ま、枕が、枕が・・・」

そう言うと、琴子はベッドの上に飛び乗り、慌てて枕を持ち上げた。
そしてその枕を表の薔薇の花柄の方から、裏のハート柄の方にひっくり返して置いた。

「ふ~ん・・・」

「な、なに?」

「いや」

直樹は琴子の顔をちらりと見ると、意味深そうに少し笑った。
そして読んでいた本をパタリと机の上に置く。

「え・・・あれ・・・?」

気づいたら、直樹もベッドの上に上がってきて、そして琴子をゆっくりと押し倒す。
あっという間に目の前に直樹の顔が見え、ベッドの上に組み敷かれた状態になった琴子。

「おまえ、おれがその枕の合図に気づいてないと思っていたのか?」

「え!?し、知ってたの?」

「おまえにしたら結婚した時から、えらく積極的だなとは思っていたけど」

「う・・・だ、だって、これが新婚さんのマナーだってお義母さんが・・・」

「おふくろの入れ知恵だとは思っていたけどな」

「は、恥ずかしい・・・」

そう言うと、琴子は両手で自分の顔を覆った。

「ちなみにおまえはどう聞かされた?」

「え・・・?」

「どういう時に、その枕の柄を替えるって言われた?」

「え・・・あたしは、その・・・アレの時は『薔薇』の柄にしたら、男の人はそうだとわかってくれるからって・・・いちいち自分で言わなくてもいいからって・・・」

「それだけ?」

「う、うん」

「おれも、おふくろに聞かされた。別に勝手におふくろが言ってることだと思ってはいたけど、おまえとはちょっと違うように言われた」

「えっ!?な、なんて!?」

琴子が目を見開いて直樹を見る。
その顔を見て、直樹は笑いを堪えるのに必死だった。
この後の琴子の表情が想像できて仕方なかったのだ。

「ハート柄を表に向けているときは、『今夜OK』という意味って聞いたけどな」

「ええっ!?」

「で、さっきおまえ、薔薇柄からさりげなくハート柄に替えたよな?」

「えっ、だってあたし昨日でアレが終わったから・・・というか!!あたし、アレ以外の時は、毎日『ハート』柄にしてたんだけど!!?」

「ぷっ!だからおかしいと思ったんだ。こいつ『毎日OK』なんだな~って」

「うっそ~~~~~!!?」

絶叫する琴子を、直樹はぎゅっと抱きしめる。

「まあいいじゃん、同じような意味だし」

「び、微妙に違う・・・だってあたし・・・そんな『毎日OK』だなんて・・・」

直樹の腕の中で、琴子はぷるぷると肩を震わせ真っ赤な顔をしている。
本当にたいして意味は変わらないのに、なぜか必死に羞恥に耐えている琴子を見ると、直樹はたまらなく可愛らしいと思う。そしていじめたくなる。

「さっき、おれの前で『ハート柄』に替えてくれたことだし」

いきなり上半身を起こすと、直樹は今着ているパジャマのボタンを高速で外しだした。
そして全部ボタンを外すと、勢いをつけてそのパジャマの上着をバサッ――!

「きゃああ」

いきなり明るい蛍光灯の下で、白い直樹の裸体が見えて、思わず目を瞑って声をあげる琴子。

「期待に応えなくっちゃな」

「きゃああ」

そのまま直樹は琴子を抱きしめると、琴子の耳元でクククと小気味よく笑って軽く琴子の耳を噛んだ。
オタクたちの想像もつかない18禁の夜は、ここから始まるのだった――。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ノ、ノリリンから、また封書が届いています!!」

「な、なに~~~!?」

後日―。
アニメ部の部室に、また紀子から手紙らしきものが届いた。
ちょうどその時、OBの矢野もタイミング良く顔を出していたので、その手紙はまずは矢野の手に渡された。


「なんと!今度はしっかり差出人が『ノリリン』になっている・・・」

手紙を掴み、ぷるぷると震える矢野。
やはり自分が「ノリリン」というキャラであることを知っていた紀子。
恐るべしコトリンの姑だと、オタクたちは身震いした。

「矢野さん、開封して下さい。なんだか今度はかなり分厚いですよ」

「そ、そうだな。招待状って感じじゃなさそうだし、恐れず開けてみよう」

そう言って、矢野は近くにあったコトリンのはさみでその封筒を開封する。


「「「「!!!!」」」」


そこに入っていたのは、なんと!!
なおちゃん時代の直樹の写真の大量のポストカードだった――!!


――先日は、我が家の“アフタヌーンティーパーティー”に来ていただき、ありがとうございました。実は・・・結婚式の引き出物の一つとして、大量に「なおちゃんポストカード」を作っていたのですが、当日お兄ちゃんに気づかれて、全て引き出物から取り除かれていたんです(T_T)(※どうやら本当に顔文字が入っていたらしい)先日、とても喜んでくださったので、よろしければ是非もらっていただきたく思い、今日は贈らせてもらいました。


矢野はぷるぷると手を震わせ、その愛しのなおちゃんポストカードに手を伸ばす。
そして

「きゃほ~~~~~~い!!ノリリン最高~~~!なおちゃん、サイコー~~~!!」

とポストカードを天高く持ち上げて、その場で情けないスキップをした。


「「「・・・・・・」」」



天才入江直樹でも、「知らぬが仏」の世界がこの世には多々あるものだ――。




**********

本文が長いので、あとがきは短めに―。

よくぞここまで読んでくれました!!
もうこれで貴女は立派なオタク部部員です!!
入部ありがとうございまっす!!m(_ _)m

COMMENT

拍手コメントありがとうございます

ぴくもんさま

なんかアクセスもしにくくって申し訳なかったのに、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!!
自分でも我ながらまさかのなおちゃん写真から、オタク部をイリコトの寝室に導けるとは・・・なんて自然なんだろうって!?(自然?笑)そしてやはりいつも私のお話、しっかり覚えてくれて、感激でした(T_T)ベッドが軋む件は「SWEET~」から。そしてガンガン洗えるシーツは「シーツの海で~」を思い出してくれてるなんて、もう完全に私よりも解説してくれそうですよね!(感謝!)今回はそこにYESNO枕が加わりましたので、これもまたどこかでつかってみたいな~なんて思っちゃいました(*^m^*) ノリリンがやれっていうから~って感じでも、入江くん自体も楽しんでいるようですしね(^_-)☆オタク部が2人の寝室に入っちゃって、どこかいやな空気流れたでしょうが、2人の甘い夜を過ごして、これを消し去るんでしょうね(*^m^*)
「知らぬが仏」で最後まとめました。だって!!この日あったこと、全部入江くん知っちゃったら、このお話またまた大加筆ですもん!!絶対入江くん許せないことばっかだし!(笑)


紀子ママさま

お風邪だったんですね(>_<)大丈夫でした?体調悪い時に、いきなりオタク部を前後編はきつかったんじゃないでしょうか?
紀子ママさんと同じ名前のノリリンが(笑)、本当にもうかっ飛ばしで・・・オタクたちがこの日に得たものは「チビの毛」だけだったと・・・こんなの庭でも拾えるわ!(怒)的な・・・(^^;)
さすがにイリコトの登場が少なく私も不完全燃焼だったので、ちょうどノリリンがふってくれたので枕ネタを入れてみました(*^m^*) なんだかんだでノリリンにうまく便乗している2人だったりします~♪


ひろりんさま

コメレスで笑っていただけて、私も笑いました!はは!オタク部だけに、みなさんコメも楽しくってしかたありませんよ♪
また後半でもオタク部にはきついお言葉をかけながらも(ポイント)、ひろりんさんがどこか失笑してくださってる様子が、おかしくってたまりません。ノリリンは、使い易いですよ?(笑)書いていながら、本当にスッキリします(*^_^*)
そしてイリコトのシーンを褒めていただき、ありがとうございます。オタク部描写満載のこの話で、ホントこの2人のラブラブはオアシスみたいに感じますよね(*^m^*) ひろりんさんのオアシスももうあと少しですね。楽しみにしております☆


あけみさま

後半特に長かったです・・・あけみさん、よくぞしっかり読んでくださいました。ありがとうございます。
あの新婚イリコトの部屋は、多分私でもどこか正視できないような気がします。あれが気になり、これも気になり、さらに詳細にノリリンから説明入った日にゃ!!(笑)
私、やっぱりオタク部たちには、あの毛は持って帰ってほしくなくって!!(>_<)なのでチビの毛にしてみました。やつらには、この入江家の愛犬の毛でも上等なことでしょう!(笑)
そしてYESNO枕!!そうですそれそれ!!(笑)まさかのイリコトが、さりげなくノリリンに便乗してこんなことしてたなんて~新婚って恐ろしいですね(*^m^*) でも今回もあけみさんから「マジウケる~」がきけて、私は大大大満足です♪ありがとうございました☆


まあちさま

まあちさん!オタク部のために本当に大切な時間を使ってもらい・・・もうさすが名誉会員の鑑であります。ありがとうございます(T_T)副部長、男泣きです(おっさんじゃないですけど)
まずは「ヤノナオ」どうでした?(笑)「アオナオ」とどっちが気持ち悪いですか?(そこが比べどころなのか・・・)今度このなおちゃんのポストカードは、時間あったら私作製してみたいと思います!たまにはそういう実のある活動(?)もオタク部には必要ですものね!がんばってみます。
そして今回、オタク部といいながらも、完全にそれを喰っちまったノリリン♪ノリリンにイリコトのYESNO枕に・・・ホントいろいろ詰め込みましたが、最後まで楽しんでいただいて本当にうれしかったです☆ありがとうございました~~♪


あっこさま

あっこさん!とうとう部員になっちゃいましたよ!(笑)楽しんでいただいて、本当にありがとうございます(*^_^*)
あっこさんのコメント読んでいて、またこの新婚イリコト寝室に誰か連れ込んでしまいたい衝動にかられています。過去に渡辺くんは連れ込みましたが(笑)、松本姉!!これに私はビビビときましたよ!!あの入江くんがこのへやに・・・!?って思ったら、なんだかまた妄想とまらない感じです。もし「イリコト寝室訪問」がシリーズ化しちゃったら、ぜひ一緒に笑ってやって下さい(^^;)
キモ過ぎるオタク部員でしたが、その中でもイリコトのラブラブもしっかり感じてもらえて、私もホッとしました。ありがとうございます♪


babaちゃまさま

うれしいです~~♪もうはちゃめちゃなオタク部話でしたが、楽しんでいただけて本当によかったです~♪
チビの毛は(笑)、どうしてもやつらに琴子ちゃんや入江くんの大事な毛を持って帰られるのはいやだったので!断固阻止させてもらいました。
ノリリンに便乗して枕でいいことしちゃってるイリコトも、アリですよね~(*^m^*)


mokoさま

いきなり第一文目から、ブーッ!と噴き出させてもらいました。まさかのオタク部話に、200拍手!!もったいないお言葉です。ありがとうございます。mokoさんもこれで完全オタク部部員であります(泣)
そしてmokoさんの妄想どころが、やはり入江くん!!なんかコメント読みながら私の方が、いろいろともっと先の妄想にいっちゃって(?)、変に興奮しちゃいました!!寝室のぞいたオタク部(ノリリンのせいだけど)たちに、もっと入江くんの鉄拳を見舞わしてやればよかったなとか、今となっては悔やまれます。しかし「ギュン(キュンの最上級)」(笑!)には、ウケましたよ!!私もぜひつかいたいです~~♪萌えコメ、本当にありがとうございました(^^)/


珠さま

珠さんに楽しんでもらえて、私非常にうれしいです~♪
自分でも本当にどんな展開だ!?と思いますよ。ここから繋がって、まさかのなおちゃんからイリコトの寝室にオタクたちが招かれるという・・・でもいいもの見たというより、ある意味「地獄」見たって感じの方が適当ですよね?(苦笑)
入江くんや琴子ちゃんの大事な毛は、絶対やつらには持ち帰らせません!ちょっと夢を見てもらっただけで、チビの毛でももったいないくらいですよ(^^;)
入江くんのニオイが大好きな琴子ちゃんとしたら、そこにオタクたちのニオイが少しでも残っていたらたまりませんよね!!消臭とあとは甘い夜でニオイの上書きですね~(*^m^*)
by chan-BB
2011/06/18(土) 14:37 [Edit
拍手コメントありがとうございます

まあちさま

ふふっ!またまたありがとうございます。私の小さな質問にもしっかり答えてくださってありがとうございます♪ヤノナオの気持ち悪さ!(笑)・・・しかもそれが子を持つ親への不安を増長するとは!?(笑)しかしまあちさんのお嬢さん、JSにしてそのあだ名は・・・。うちの娘は最先端ですよ♪この前テレビでやってましたもん。最近は「肉食JS(=女子小学生)多し!」って、うちはまさにそれですから(笑)。なんかやたらと子どもが自分のブログにJSとか書いててなんだろう?と思っていたら、そんな略語が・・・それにあてはめるとまあちさんところは「○○のJS」になりますよね?(笑)
話ずれてすみません。昨夜まあちさんからコメントもらったとほぼ同時刻に、部長から連絡ありました~~♪部長のブログがまあちさんを待ってますよ~(もう訪問されたかな?)あ、ノリリンは、また使ってみたいと思います(^^)/
by chan-BB
2011/06/19(日) 13:44 [Edit
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by
2011/06/21(火) 21:30 [Edit
拍手コメントありがとうございます

藤夏さま

はは!藤夏さん、こちらこそとっても爽快なコメントをありがとうございます!今日もこちらは朝から太陽が見えてますよ♪ちょっとコメレスが遅くなっちゃってごめんなさい。
今回、矢野っちのなおちゃん写真集に食いついている場面を、しっかり伴走的に感じてくれている藤夏さんに、なんやらただ者ならぬものを感じてしかたありませんでした。矢野っちの気持ちに添うなんて、もう本当にすごいですよ!!(笑)
そしてイリコトの寝室に入ってからのノリリンとオタクたちの様子は、もう私、本当に一気に書き上げましたから!止まらなくって、実はもっと書きたくて(笑)、でもこれ以上話が長くなったらもう誰もついてきてくれないような気持ちでいっぱいで(笑)、このくらいがいわゆる最適な程度に留まらせたって感じかもしれません(^^;)楽しんでいただけて、とってもうれしいです♪
藤夏さんは、こんなノリリンの加速的なお話もしっかり読んでくださるからうれしいですね♪藤夏さんところのノリリンも、パークで絶好調ですものね(*^m^*) そちらもまたしっかり拝ませてくださいね☆
by chan-BB
2011/06/23(木) 08:16 [Edit
コメントありがとうございます

吉キチさま

ふふ♪全然問題なかったですよ。もしヤバイ系を誤って投稿しちゃった時は、連絡くだされば早急に対応したいと思います(でも、それがまたまたメンテナンスやら壊れていたらできませんが 苦笑)
後半、もう本当にかみ合わないノリリンとオタクたちなんですが、そんなことおかまいなしにノリリンは突っ走っています。もうオタクたちが、リアル世界で女の子と付き合ったこともないとかの考えはノリリンにはありませんから(笑)。いつも妄想だけで女の子と戯れているオタクたちは、このリアルな新婚夫婦の生活様子は、相当刺激的なものだったんじゃないかと思います(^^;)
しかしこうなったらノリリンが、イリコトの寝室のハウスクリーニング担当って!!(笑)
もう絶対入江くんは許さないでしょうね!だって、ノリリンなら間違いなく普通の人が気づかないことまでも気づいて、その二人の密事までもしっかり頭で再現しそうですから( ´艸`)
とかなんとかいいつつ、入江くんもしっかりノリリンの「枕」を使って琴子ちゃんと楽しんでいるのですが(笑)
最後にふと我にかえって、吉キチさんが矢野っちに嘔吐いていたのにうけました!(笑)確かに!ノリリンで霞んでいたけど、矢野っちの美少女趣味は嘔吐きものです!!
by chan-BB
2011/06/23(木) 08:32 [Edit

Comment Form


秘密にする
 


プロフィール

千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
よろしくお願いします☆



カテゴリ



FC2カウンター



FC2カウンター

現在の閲覧者数:



最新記事



最新コメント



リンク

●Swinging Heart(ぴくもん様) swingingheart
●のんきもののお家(わさこ様) no banner
●日々草子(水玉様) 日々草子
●kiss shower(幻想夢 影菜様) kiss-shower
●雪月野原~snowmoon~(ソウ様) snowmoon
●初恋(miyaco様) no banner
●HAPPY☆SMILE(narack様) HAPPY☆SMILE
●イタズラなkissの二次創作マナーを考えよう!(イタkiss創作マナー執筆者X様)
●みぎての法則(嘉村のと様) no banner
●Embrasse-moi(ema様) no banner
●φ~ぴろりおのブログ~(ぴろりお様)
●真の欲深は世界を救う(美和様)
●イタKiss~The resident in another world ~(九戸ヒカル様)
●むじかくのブログ(むじかく様) no banner
●つれづれ日和(あおい様) no banner
●Snow Blossom(ののの様) no banner



素材拝借

 ミントBlue様               



Copyright © こんぺい糖と医学書 All Rights Reserved.
テンプレート:サリイ( ブログ限定配布版  / 素材: ふわふわ。り )     
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。