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2011.06.15 *Wed*

オタク部、新婚コトリン宅のアフタヌーンティーパーティーに招待される (前)


オタク部の水玉部長が、今お休み中ですので、ここは副部長の私が活動しておこうと思いましてオタク部たちの創作をしてみました~~♪

最近「はじめまして」の方々が多いので、オタク部について超簡単にまとめておきます。


ここで言う「オタク部」とは――?

原作でも「ラケット戦士コトリン」の生みの親でなじみ深い斗南大学アニメ部の三人組、青木、黄原、白山(黄原、白山は、原作で名前がないために水玉部長が命名)と、原作でもちらりと出てくるアニメ部OBの矢野の四人組のことを指します。それだけ(笑)


需要あるかないかは別として!!(実は気づいてますが 苦笑)
部長からも「くだらなければくだらないほどオタク部だ!」と力強いお言葉をもらってますので、その点では私は自信を持って今回、提供できると言えるでしょう!!
部員のみなさん(部長、副部長のところで「オタク部」の話にコメント、拍手コメント、そして思わず手が滑って拍手さえもしてしまった人・・・みなさん強制部員です!! 笑)、どうぞよろしく~~♪

※本当は三話くらいのボリュームなのですが(^_^;)、この手の話に何話も・・・なので、前後編で片づけます。一話が結構長目です。ご注意下さい。


・・・・・・・・・・・・・・・




――ピンポーン


「や、矢野さん、嫌みなくらいにでかい家ですね」

「怯むな青木!おまえたちも怯んだら、ドン入江(※オタクたちは直樹のことをこう呼ぶ)にまた足下見られるぞ!堂々としてろ!」

「「「わ、わかりました矢野さん!」」」


今、OBの矢野を先頭にオタク部(斗南大学アニメ部)の青木、黄原、白山の三人は、入江家の前に立っている。
パンダイで発売した「ラケット戦士コトリン」のゲームソフトがバカ売れ。
そのソフトに少なからずとも尽力したこのオタク部の面々。
それらをねぎらってか、彼らは今日、この入江家に招待をされていた。
丁寧にも「入江直樹・琴子」の差出人から“アフタヌーンティーパーティーへのご招待”と書かれたカードが、アニメ部の部室に届いていたのだ。
新婚宅に招待してくれるなんて、しかも“アフタヌーンティーパーティー”なんてなかなか粋なことをしてくれる。
コトリンも結婚して、ドジっ子娘から少しは気の利く奥さんになったのだろうか―?

新婚のコトリン―。
あまりそういう現実的なことは受け止めたくないオタクたちだったが、でもやはり「新婚のコトリン」というのは、気になって仕方ないワードでもある。
「新婚コトリン」を訪問というこのラッキーな出来事に、わくわくと期待を膨らませやってきたオタクたちだったが、さすがに天下のパンダイ社長の家は大きくつい身構えてしまった。
目の前にそびえ立つこの邸宅の大きさと豪華さに、オタクたちはどうもそわそわと落ち着きがない。
しかしそんなオタクたちの中で、一人OBで年長者の矢野は違った。
実はコトリンのアニメ制作にも、コトリンゲームソフトにも全く関わっていない矢野だったが、コトリンの大ヒットはまるで自分の功績かのように堂々として、今おろおろとする後輩たちを背後に従え、ドンと地面に顔を出す大根のように天を見上げて立っていた。


「あら、いらっしゃい~、お待ちしてましたわ~~」

大きなドアが開いて、門が開けられる。
直樹の母、紀子がオタクたちを迎えてくれた。


((((ノ、ノリリン・・・!!))))


思わずオタクたちはみんなで目を合わせて、頬を紅潮させる。
実は紀子は、コトリンのお助け姑キャラとして、マニアの間では「ノリリン」の愛称で親しまれていた。
が、紀子は、そんなマニアの間のやりとりなど全く知らない。

「この度は、本当にみなさんにうちの琴子ちゃんをモデルに素敵なゲームソフトを開発していただいて、なんてお礼を言ったらいいのかしら・・・ささっ、せめてもですが、中に入ってお茶でもどうぞ」

優しく紀子に案内され、少し緊張が和らぐオタクたち。

「か、かたじけない」

だけどなぜかお堅い返事を返した矢野を先頭に、オタクたちは初の入江家に足を踏み込んだ―。



「わあああ」

「て、天井たけー・・・」

「シャ、シャンデリア・・・」

案内されたのは、リビング。入江家では応接間というべきところだった。
とにかく広い。そして豪華。
あからさまに自分たちとは違う世界に驚きを隠せないオタクたち。
口をぽかんと開けて立ち尽くしているオタクたちに、

「さあさあみなさん、お掛けになって!パーティーが始まりますよ」

と紀子が腕を掴んでソファーに案内する。
そのソファーの前のテーブルには、すでにアフタヌーンティーパーティーの準備は万全といった感じだろうか、紅茶やケーキ、そしてオタクたちが見たこともないカラフルな小さなクッキーたち(※マカロン)が並んでいた。
パーティーというわりには、他に人もおらず部屋は豪華だが、割と質素。
そしてコトリンの姿もまだ見えないが、

「とりあえず、座らせてもらおう」

と、勝手がわからずたじろぐ後輩たちへ、矢野が着席を勧めた。
そして矢野はテーブルの上の食べ物に、ごくんと喉を鳴らす。
オタクたちはみんな、慣れない柔らかい豪華なソファーに座った。


「さあ!時間がないから、早速始めましょう」

「「「「へ?」」」」」

着席するや否や、いきなり紀子がパンと手をうって、そして近くにあったリモコンに手をのばした。


グイーーーン


「「「「な、なんだ、なんだ!!?」」」」

紀子のリモコン操作で、いきなり機械音をたててリビングのカーテンが閉まり出す。

「矢野さん!」

「青木くん!」

「「からくり屋敷か!?」」

ざわざわとその場で立ち上がるオタクたちだが、それにはお構いなくカーテンはほどよく全部閉まり、いきなり昼から夜のような暗闇がリビングに出来上がった。

「座って!始まるから!」

紀子の有無を言わさぬ命令が下り、矢野と青木は訳が分からずとりあえず着席する。
そしてプチンという音がしたかと思うと、いきなり超大画面のテレビが暗闇の中で色鮮やかに浮かび上がった。

「「「「な、なに!?」」」」

展開が速すぎて、ついていけないオタクたち。
ソファーの上で四人は肩を寄せ合って、テレビの画面に目をやった。
まさか今からここでアニメ上映会――?
四人は、予期せぬ出来事に変な胸のざわめきを抑えることができない。

「琴子ちゃんとお兄ちゃんの結婚式のVTR(※この先、紀子のいう『VTR』は長時間録画されたブルーレイディスクのことを示す)よ。あなたたち出席してなかったでしょう?今日は特別にそれを観せてあげようかと思って~うふふ」

「「「「結婚式・・・」」」」

“出席してなかった”というより、呼ばれていないのだが・・・と皆思ったが、それを口にする間もなく、紀子がまた話を続ける。

「はい、お口チャックでしっかり観てちょうだいね~」

そしてほどなく始まったのは、紀子のいうとおり琴子と直樹の結婚式のVTRだった。
しかしスタートは式からではなかった。
当日の朝、琴子が起きた時から、直樹が朝ご飯を食べているところからそれは始まっている。

「「「「コトリン~~~」」」」

寝起きのコトリンの顔を見て、思わずほう~~っと頬が緩む四人だったが、すぐに直樹の「こんなところ撮るなよ!」とカメラを遮断するかの厳しい声に、ふと目が覚める。

「なんで僕たちがこんなものを・・・」

「コトリンだけだったらいいけど、なんでドン入江まで・・・」

ぶつぶつと文句の出だすオタクたちに

「静かに観なさい!」

と、紀子の渇!が飛び、オタクたちは仕方なく口を噤んだ。
そしてしばらく仕方なしに画面を観続けていると

「次よ、次!あたしの最高の隠し撮りが成功した決定的瞬間!!あなたたち、しっかり観ていなさいよ!!」

と紀子から声がかかる。その声はかなり興奮している。
画面は、やっと家から式場に向かおうとする琴子の姿を追っていた。
琴子が玄関に向かう。
そこでちょうど直樹が靴を履いていた。


―「あら、あたしちょっと忘れ物しちゃったから、ちょっと待っててね~」

と、紀子の声が聞こえて、カメラの画面が少し遠ざかる。
が、カメラは花瓶の花を少し写しながら玄関の二人を映し出していた。
どうやら紀子がビデオカメラを花瓶の花影に置いて、姿を消したらしい。
これが隠し撮りというものなのか――。
その場面から、やたらと籠もったようにざわざわと声が大きくなる。
どうやら拾う音量をUPさせて、紀子はその場を立ち去ったようだ。


―「まだ化粧してないんだ?」

画面の直樹が靴を履く琴子に声をかける。

―「あ、うん。式場でしてもらうから」

―「つるつる」

そう言うと直樹は、琴子のほっぺたを指でツンツンと突いた。

―「もう、やだ。入江くん、からかわないで」

頬を赤らめ、もじもじと困ったふりをしながらも嬉しそうな琴子。


「ドン入江!なんてスケベーなやつ!」

「「「や、矢野さん!」」」

思わず立ち上がる矢野を、青木たちが無理矢理座らせた。
どうやら矢野は、そこに紀子もいることを忘れているらしい。


―「あれ?靴が履けない・・・やだん、むくんじゃってるのかな?やだ~まだ朝なのに?」

画面では、琴子がパンプスを履こうとするがうまく履けず、悪戦苦闘している場面が映し出されていた。
琴子は玄関に置いてあるイスに座り、手でパンプスを持って、なんとか履こうと試みている。

―「なにやってんだ?靴が履けないってことないだろ?」

いつもの琴子を少しバカにしたような声で直樹が言う。
そして琴子の手からパンプスを取り上げると、直樹は少し跪いて琴子の前に座った。


「きゃあああああーーーーーここよ、ここ!!見て見て見て~~~!!」

いきなり紀子が、傍に座っている青木の頭をバンバン叩きながら立ち上がった。

「お兄ちゃんが、琴子ちゃんに靴を履かせてあげるの~~~!!きゃああああ~~琴子ちゃん、シンデレラみたいでしょう?お兄ちゃん、王子様みたいでしょう?」

そう言いながら、さらに紀子は興奮して青木の頭をバンバンと叩く。

「や、矢野さん・・・」

「しっ、スムーズに終わらせるためにも我慢しろ」

頭を意味なく叩かれ、矢野の助け船を求める青木に、矢野は冷たく言い放った。

さらに映像は続く。
琴子の足下に跪くと、いともスムーズに琴子に靴を履かせた直樹。

―「履けたじゃん?」

直樹が笑みを浮かべて、少し得意げに琴子の顔を見上げる。
琴子は口元を両手で押さえて、軽く震えていた。
どうやら直樹に靴を履かせてもらって、感動しているらしい。
心なしか画面上の琴子は、涙ぐんでいるように見える。


「わかるわ~琴子ちゃん・・・・本当に長かったものね・・・本当に・・・」

紀子もそれを見ながら泣いていた。

「矢野さん・・・」

今度は泣きながら紀子にシャツをひっぱられ、身動きできなくなっている青木に、矢野はまた「我慢しろって」と無情に呟いた。
そんなオタクたちの小さな攻防に構わず、さらにVTRは進む。
パンプスを履いた琴子が、イスから立ち上がり、そして同じく跪いた姿勢から立ち上がった直樹に

―「ありがとう」

と満面の笑みでお礼を言っている場面が映し出されていた。
するとその琴子に、直樹がいきなり

「きゃああああああああああああーーーーーー」

紀子の声をバックに、今画面では、琴子と直樹のキスが繰り広げられていた―。


「「「「!!!!」」」」

さすがのオタクたちも、身を乗り出して画面に集中する。

「もうお兄ちゃんったら、18禁!!!やだ~~~!もう裕樹の前ではこれ観られないわ~~!!」

そう喜び叫びながら、紀子はまた傍の青木の頭をバンバン叩いた。
もう青木は、何も抵抗しなかった・・・。

そして二人のキスは・・・長い。とにかく長い。
途中、ぐらりと膝を折って倒れそうになる琴子の腰に、直樹は手を置き支えてやると、今度はまた片手で琴子の頬を持って、さらにキスを重ねる。

直樹がキスの角度を変えて顔を動かす度に、思わずつられてオタクたちも同じように顔を動かし始めた。
キスってこうやってするんだ――?
オタクたち四人は、ついついキスのHOWTOビデオを観るかのように、その画面に食らいついていた。
そしてふと気づく。


((((む・・・虚しい・・・))))


コトリンの映像を観ることも、18禁(?)画像を観ることも申し分ない。
だけど、コトリンがドン入江としあわせそうにキスをしている画面・・・それをずっと見せつけられ、僕たちは楽しいのか――?萌えるのか――?
オタクたちは、自問し始めた。

そしてやっと二人のキスのシーンが終わり、どこかホッとしたオタクたちだったが

「今日は、せっかくだから特別サービスよ~うふ!」

と言って、紀子キスシーンの画面をリピートさせ始めた。
紀子だけが「は~~いつ観ても素敵~~」と甘いため息をついている。
オタクたちは・・・・もはや悟りの境地に入っていた――。



結局このキスシーンだけでも5回もリピートさせ、今VTRは式を終え、やっと画面は披露宴へと移っていた。

「矢野さん、今何時ですか?もう夕方じゃないですか?」

「・・・そうかもしれない・・・」

とにかく長いこのVTR(※長時間録画可能のブルーレイディスクなので)。
さらに箇所箇所でリピートを重ねられ、カーテンを閉められた暗い部屋の中で、外の様子さえも見えず、今が何時なのかもわからないオタクたち。
しかし2,3時間経過くらいではすまないことは、誰もが気づいていた。
実は目の前の紅茶やケーキ、簡単につまめそうな小さなクッキー(マカロン)さえも口にしていないオタクたち。
何度かいただこうと手を伸ばしたが、その度に「今がいいところだから、しっかり観なさい!」と紀子にピシャリと手を叩かれ、おあずけ状態だった。


「拷問ですね・・・」

今日この部屋に入って、初めて黄原が声を出した。
それだけに、この言葉はみんなの心の中を貫く、非常に深い一言だった。

「あの~・・・」

そしてまたもや、今日この部屋で初めて白山が声を出す。
しかも白山は、紀子に向かって話しかけたのだ。

「なに?いいところなのに、今用なの?」

少し不機嫌そうに紀子が答える。
いったい何時間この“いいところ”が続いているのだろう―?
間違いなく紀子にとっては、このVTRのはじめから終わりまでが“いいところ”だということをオタクたちは理解している。

「あの・・・コトリンは?今日はコトリンは居ないんですか?」


((((し、白山!よく言った!))))


誰もが初めから心の中で思っていながら、だけどどこか声に出して聞いてはいけないような雰囲気に包まれ、今の今までスルーしてきてしまった非常に鋭いこの一言。
オタクたちは暗闇の中、顔を見つめ合い、頷き合った。

―そうだ。コトリンはどこにいるんだ?
―僕たちは、新婚のコトリンに会いに来たのに、コトリンはなぜ現れない?


「ふっ・・・琴子ちゃんがいる時にあなたたち呼んだら、お兄ちゃんが黙ってるわけないじゃないの・・・」

そんな決死の白山の質問に、紀子は意地悪くニヤリと笑うと、小さく吐き捨てるように呟いた。


((((・・・そ、空耳か・・・?))))


コトリンが居ない―?
コトリンが居ないのに、新婚コトリン訪問―?
さらに目の前のお菓子たちを一口も食べさせてもらえないのに、“アフタヌーンティーパーティー”・・・?

この時初めてオタクたちは気が付いた。
あの“招待状”はこの紀子が差しだしたものだということを。
どうりで琴子にしたら気の利いた企画だとは思っていたが、まさか全部!紀子が勝手に仕組んだものだったとは・・・。


「・・・この鬼姑キャラ、ノリリンめ・・・いったい何のために・・・」

そう言いながら矢野は、紀子がこの琴子と直樹の結婚式のVTRを観せたかったためだけに、自分たちが呼ばれたのだということに気が付いた。
きっと誰もこんな長時間の鑑賞会に付き合ってくれないのだろう。
なんで自分たちが、こんな拷問のターゲットに・・・。

「しっ!矢野さん聞こえますよ」

「『ノリリン』って何!?『鬼姑キャラ』って何!?」

暗闇の中、紀子はキッと目を光らせ激しく矢野を睨んだ。
都合の悪いところは全てスルーくせに、こういう時だけはしっかり反応する紀子。
結局文句を言おうにも矢野は紀子には勝てないと感じ、ふと視線をまたVTRの画面に戻した。


「なっ!こ、これは・・・」

「や、矢野さんこれは・・・」

「「「「きゅ・・・究極の美少女・・・」」」」

オタクたちは、思わず息を飲む。
今、そのVTRの画面には、矢野の、いやオタクたちが目を輝かせるような究極の美少女が映し出されていたのだ――。


「だ、誰ですかこれは!?」

矢野が目を離したばかりの紀子の方を向いて問う。

「親戚ですか?どこに隠してたんですか?」

それに続いて青木も、紀子に向かって質問を浴びせる。
そしてオタクたちはまた画面に目を移し、その美少女に心をときめかせた。


((((か、可憐だ~~~))))


そして矢野が一人呟く。

「神」

矢野が思い描いている究極の美少女が、理想の美少女が、今画面の中でこちらを向いて笑っている。
少しはにかんだような、それでいて意志の強そうな目。
それに少しギャップがある、甘い甘いフリルにリボンたっぷりの洋服。
このアンバランス感がなんとも言えない雰囲気を醸し出していた。

「『神』としか言いようがない・・・」

感動でわなわなと震える矢野。

「それ、お兄ちゃんよ」

そこにふいに聞こえてきた紀子の声。

「は?誰のお兄ちゃん?・・・っていうか、女の子じゃないですか?」

「だからそれ、うちのお兄ちゃんの子供の頃なのよ」

「・・・・・」

「幼少期の入江直樹よ。ふふ~~かわいいでしょう~~あたしの可愛いなおちゃん時代のお兄ちゃんよ~~」

「「「「な、な、な、なにーーーーーーっ!!?」」」」


オタクたちは一斉に雄叫びをあげ、その振動で白山と黄原はドンとソファーから落ちてしりもちをついた。
オタクたちが釘付けになっていた美少女は、直樹と琴子の披露宴でスライドショーとして流された直樹の幼少期の女装写真だったのだ―。


「ふふ!いいところに食いついてくれたわ~」

紀子は満足気に微笑むと、久方ぶりにリモコンに手を伸ばし、それを操作した。
テレビの画面がプツッと切れる。
そしてシャーーーーという音と共に、カーテンが自動的に開けられていく。
いつまで続くのかと途方にくれていた、拷問からの解放の瞬間だった――。


「う・・・もう外が赤い」

外は夕方になっていた。
かれこれ4、5時間はこの結婚式VTRを観ていたことに気づき、オタクたちはいっきに疲れが押し寄せた気がした。

「ちょっと待っててね」

しかし紀子は元気だ。
同じようにオタクたちと一緒にVTRを観ていたというのに、今もするっと軽く立ち上がると、スキップするかのうように軽やかにどこかに行ってしまった。

「矢野さん・・・ドン入江があの美少女ってどういうことでしょう?」

紀子が居なくなったことをいいことに、青木が不審な目で矢野に問いかける。

「わからん。ドン入江は、もしかして女装趣味があるとか?それとも・・・実は、男が好きとか・・・」

「えっ!?まさか!?だったら・・・もしかしてあのパンダイでドン入江と寝食を共にしてたとき、まさか僕たち寝ている間にドン入江のやつに・・・」

「・・・犯(や)られてしまった・・・かもな」

「「「そ、そんな!!?」」」

まさかの「直樹、オタクの寝込みを襲っていた説」がオタクたちの中で、妄想されていた。
矢野の「やられてしまった」発言に、マジに青くなる青木たち。


「は~~い、お待たせ~~」

そこに紀子がのんきな声を張り上げ、また軽やかに戻って来た。

「はいはい。みなさんとっても興味を持ってくれたようだから、今日は特別にあたしの『なおちゃん写真館』をお見せするわね、うふ!」

そう言って紀子は、オタクたちに一冊のアルバムを開いて見せた。





**********


マジにイリコトの出番が少なくてすみません・・・。

副題「オタク部VSノリリン」後編に続きます。

COMMENT

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by
2011/06/15(水) 19:08 [Edit
コメント・拍手コメントありがとうございます

ふふふ~~、私にしたらえらく早いコメレス!!
それは、すでに続きの準備が整っていることを示しております(*^m^*)
だってこのお話、とてもじゃないけど連載続ける気力ありませんもん(>_<)いっき書きしました!ものすごいスピードで!(笑)
・・・ということで、早速コメントしていただいた皆さま、ありがとうございました。



ぴくもんさま

まさか入江くんが招待?って疑問もたれてたんですね。結構みなさんそう思っておられたみたいで、それだけでオタク部の位置っていったい??って思うとおかしいです(*^m^*) そして全然タイトルの「アフターヌーンパーティ-」も行われないし、名前に偽りありってまさにこのことですよね(^^;)
ノリリンパワー炸裂で、いつもはあんなに強烈なオタク部が、どこかかすんで見えて(^^;)、完全ノリリンに喰われてしまっている状態だなと、自分で書きながらひしひし感じていました。
ノリリンの隠し撮りもだんだん腕があがっていることもありますが、もう入江くんも気づいていても、こう日常的にされ続けるとどこか麻痺していて気づいていようといまいと、強引に進めちゃいそうな予感ありますよね(*^m^*) ま、入江くんは、基本的には別に見られても平気な口ではないかと私は思っておりますが(笑)
正直このお話、この先オチはありません!ヾ(*´∀`)ノ
もう流れるままに、ノリリンのパワーの流れて、オタク部と一緒にぐったりしてもらえれば、それが一番の私の本望でありましょう!!
部長不在の今ですから、とにかくオタク部が忘れられないようにだけ(忘れたところでイタキス世界に何がどう?笑)尽力したいと思います(^_^)v


あけみさま

オタク部に反応してくださって、ありがとうございます(*^m^*) そして「ノリリン」!(笑)私は、あけみさんの「超ウケる」に超ウケましたよ~~(≧▽≦)なぜにオタク部を家まで呼んだのかノリリン?もう誰でもいいからこのビデオ鑑賞会を分かち合いたかったのだと思います・・・家族はきっと誰も付き合ってくれないと思いますから(苦笑)さすがに金ちゃんとかには声もかけられず、須藤さんくらいがすでに餌食になっていたかもしませんが、見事今回ひっかかって監禁されたオタク部!!
ホント、イリコトの出番が少ないのが申し訳ないです。後半も本当に出番少ないので、無理矢理二人の場面は作りました~(^_-)なが~いですが、またお時間ある時にお付き合いください☆


カルピスさま

矢野っち目線で読んでいただき、ありがとうございます!ノリリンは「最終兵器」!!(笑)ホント、このノリリンに勝てる人は、イタキスの中にいるのでしょうかね~?(*^m^*)
しかしなんてすばらしいことに気づいてくださったんでしょう!!私は無自覚で書いてました。そういやオタクたちは、入江くんにもパンダイで監禁されてましたよね!?そして今度はその母親ノリリンに自宅にて監禁・・・ぷるぷる・・・やはり遺伝は関係しているのでしょうか?(苦笑)
調子にのったノリリンが、とうとうあの禁断のアルバムを出してきて・・・もう勝手に筆が進み、このお話前後編いっきに数時間で書いてしまった私です(>_<)
結婚式の朝にも反応していただき、ありがとうございます。入江くんったら、式では本当にブスッとしてたくせに、影ではこんなにデレデレしてやがって~♪(笑)結婚式までツンデレ貫いてますねホント(*^m^*)


まあちさま

いきなりぶはっ!と笑わせてもらいました。すでにキリリクが?(笑)これでOK?(爆!)
まあちさんの部活動の熱心さは、日頃部長からしっかり聞いています♪今回「アオナオ」(笑)は進展なくて申し訳ない限りですが、また違う「ヤノナオ」も数の一つに入れてもらえたらいいかな~なんて思っております(*^m^*)
無敵のノリリンにすっかりペースを乱されてしまっているオタク部たちですが、このままくだらなくこのペースでラストを迎える予定です♪完全脱線状態のイタキス二次創作ですが(もちろんわかっててやってます!笑)、このマニアチックな展開を楽しんでもらえる部員がいる限り、誠心誠意込めて突っ走りたいと思います。眠れそうにないほどマニアなまあちさんのために、早めUPしますからね~(*^m^*)


珠さま

押しちゃいましたね、拍手・・・。もう戻れません、部員決定です~~♪
ホント、オタクたちは先輩なのか後輩なのか、そんな枠に入れていいのかもわかりませんが(笑)、とにかくあまり深く考えずに読み進めていってくれればありがたいです(*^m^*) しかし自分でも書いていて気づいたのですが、ノリリンだけは、もう誰とコラボしても本当にキャラの見劣りがしません!!(笑)ちょっと毒があるのは、オタク部相手だからでしょうね(*^m^*) この先オタク部には、地獄と天国を両方味わってほしいと思っています~~♪


藤夏さま

藤夏さんは、多分この手のお話はお好きな方だとにらんでおりました!!(*^m^*)
本当に今まで書いた中で、一番長いタイトルですね今回は(^^;)だけど、タイトルにしているくせに、このタイトルが全然実現されてないという!!(爆)
しかし細かな部分まで読んでくださいました!この手の話まで、なんだか藤夏さんの愛情を感じて、非常にうれしく思いますよ(T_T)そうそう、結局はイリコトが結婚してうれしくてうれしくてしかたないノリリンが、誰かとそれを分かち合いたくて、今回はオタク部がそのターゲットになっちゃったという・・・多分他にも被害者はいたと想像できます。
18禁(?)映像見せたかと思うと、今度は禁断の「なおちゃん写真館」そしてその次は・・・多分藤夏さんなら想像できるんじゃないでしょうか?そうですアレですよ(*^m^*) ノリリンプロデュースのアレ!!(笑)もう本当に深く考えず(考えてないでしょうが 苦笑)この先も進んでやって下さい~♪
by chan-BB
2011/06/16(木) 16:40 [Edit
拍手コメントありがとうございます
ひろりんさま

戻ってきていただいて、ありがとうございます~♪その時計、ぴくやんところにありましたよね!!(*^m^*) 偶然ですよ、偶然!(笑)あまりにオタクたちとはイメージ違いますから!(笑)でも、ノリリンが送った招待状は、ああいうイメージだと思っていただけたらうれしいですね~(*^m^*)
本当に今回は、ノリリンのペースに巻き込まれ、オタクたちの気持ち悪ささえも浮き彫りになってないようなお話になってしまいました(^^;)しかしノリリンに翻弄されるオタクたちを楽しんでいただき、ありがとうございます。いつもお上品なひろりんさんから、「まさかドンがあんたたちを招待するわけない・・・」って言葉を聞けただけで、私は至極幸せを感じております~じ~~ん・・・(T▽T)
昨日「オタク部書きました~」とひろりんさんところでコメろうかと思ったのですが、あまりに違う空気で!!これが同じイタキス!?みたいな(苦笑)


by chan-BB
2011/06/16(木) 18:32 [Edit
おあずけワァンワァン~ズ
こんばんは
 副部長・・・オタクーズありがとうございます。招かれ拷問の始まりぃ始まりぃですねぇ。

 初見で、オタクーズを牛耳るノリリンはさすがですよねぇ。お話しはお初かとみられるのに貫禄で有無も言わさずにママペースに持ってくのにはサスガの拍手ものです。

 出会いが、上から目線・・・・それは直樹のママだから当然でありますが・・・おあずけリピートの拷問にマカロンにも手をノバせられずに・・・ ママなら当然であって、誰も一緒に見てくれる方も一人減り二人減り・・・の中にたどり着いたたオタクーズですねぇ。

 やっぱりママらしく・・・琴子が居ない時にもち直樹が居ない時も狙ってるのも・・・納得でき・・・そりゃぁ直樹が許さんよねぇ・・・。

  美少女直樹に食らいついてしもたオタクーズ・・・ヤヤバヤバ写真のご登場の予感ですねぇ。
by 吉キチ
2011/06/21(火) 20:31 [Edit
コメントありがとうございます

吉キチさま

部員の吉キチさん、こんにちは!(笑)読んでくださった吉キチさんも、同じようにパーティーに参加して、拷問気分になられたのではないでしょうか?(^^;)
ノリリンは、本当に迎え撃つところ敵無しって感じですね!そしてこのオタクたちのような連中は、ノリリン的には非常に扱いやすい人種なのかもしれません。少なくともノリリンの周りの人たちは、すでにノリリンの性格や趣向をよく知っているので、こんなやすやすとパーティーに参加するなどないかもしれませんから(^^;)
すでに前半で、オタクたちは完全やられていますが、後半ではさらに加速していくことを、まだこの時点で矢野は知らず・・・。またコメレスも後半に続かせてもらいます(笑)
by chan-BB
2011/06/23(木) 08:22 [Edit

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千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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