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2010.07.01 *Thu*

白い・・・疑惑 ⑤


すみません。
次で終わりと前回書いたのですが、少し長くなったので、二回に分けますm(_ _)m
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


パタン―。

小さくドアの閉まる音がする。
それはかなり気の抜けたような音に聞こえた。
やっと直樹の医局室から解放された、西垣と幹。


「疲れましたね・・・西垣先生・・・」

特にひどく怒鳴られたり、殴られたわけでもないのに、二人はなぜかものすごく疲れ切っていた。
精神的拷問を受けたあとってこんな感じだろうか・・・と、西垣も幹も頭の中で思い浮かべた。

「ああ・・・・本当に疲れたな・・・。桔梗くん、今から夜勤だろ?大変だな・・・」

「西垣先生だって・・・。どうするんですか?メール一斉送信してしまったのに」

「・・・・・」

西垣は涙目になりながら、廊下からもう暗くなった窓の外をぼーっと眺めた。

「『嘘つき狼の西垣先生って意外に萌えるわぁ!』って、女の子たちにうけるなんてこと・・・有り得ないだろうな~・・・」

ふ~~っとお腹の底からため息をつく西垣。


結局、直樹に静かに法律上のことを説明され、あくまで勤務医でしかない自分たちの立場を諭され・・・・・、HPを緊急閉鎖した二人。
お祭り騒ぎのあとの、焦燥感が二人を包み込む。

「しかも、びっくりしましたよ。あの『白いソファ』の中に入り込むって斬新なアイデアが、有名な小説のパクリだったなんて・・・」

あれほどみんなに絶賛されていた「白いソファ」に入り込むという設定。
それが直樹によってパクリだと指摘までされてしまって、一気に夢から覚めたような幹。
その幹がちらりと少し軽蔑した目で西垣の方を見ると、西垣は目を反らして唇を噛んだ。


「くそ、入江のやつ!!あいつ、意外に変態野郎がぴったり合ってたからこそ、あの小説が女の子たちにうけてたんだろう!!それを認めろってんだ!!」

西垣は後輩の直樹にさっき言いたくても言えなかったことを、今ここで爆発させるように吐き出した。


「しかし、入江さん・・・。かなり執拗につっこんできましたよね」

「・・・・・そう言えば?いつもすかした顔で我関さずな入江にしたら、えらく執着してたよな・・・まさか!!?」

ハッと何かに気づいた顔をする西垣。

「ええっ?なんです??」

西垣の反応に、思わず幹もなぜか心がざわざわっと騒いだ。


「あいつまさか、あの『白いソファ』で琴子ちゃんを・・・」

「な、なんですか!?入江さんが、あの『白いソファ』で琴子を!?」

チリチリと胸が焦げるように熱くなってくる幹。


「・・・・やっちまったかも・・・」


「ええええーーーーーっ!?///」

興奮大絶叫する幹!!


「入っちゃったな、絶対・・・」

窓の外を見ながら、西垣は腕を組んでにやりと口角をあげた。

「ど、ど、どういう意味ですか、それは?///」

思わずまたまた心拍が上昇して、動揺が隠しきれない幹。


「入江は、ソファーの中に絶対入ったことあるな!そして琴子ちゃんがソファに座って、ソファの中で『ククク』と琴子ちゃんの温もりを感じて、入江のやつ、いやらしく笑ってたに違いない!!」

「・・・・・・」


「な?桔梗くんもそう思うだろ?・・・・あれ?」

ふと幹の方を見ると、幹の姿がなくなっていた。


「・・・桔梗くん?桔梗くん??」


何度も振り返ってキョロキョロと周りを確かめる西垣。
しかし周りには、窓に映った自分の姿しか見あたらなかった。
気が付いたら、寒い人気のない廊下に一人たたずんでいた西垣。
今日の昼間まで、黄色い歓声をあびて病院内を闊歩していた自分が遠い昔のように感じる―。


「・・・僕はナッキーに振られちゃったんだ・・・・」


窓に映る自分に、冷笑しながら一人呟く西垣。

そう言えば女の子たちは同情してくれるだろうか?
携帯電話をぎゅっと握りしめ、西垣は同情をひくメールを一括送信するかどうか迷っていた・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「入江くん、大丈夫?もう気分悪くない?」

その頃、直樹と琴子はまだ医局室にいて、やっと閉鎖されたHPを確認してパソコンの電源を切ったところだった。

「本当にひどい話だったわね!でもまだ今夜のおぞましい話がUPされる前に気づいて、閉鎖できてよかったわよ!!」

「ぷっ」

真剣な目をして直樹に話しかける琴子を見て、直樹は思わず噴き出してしまった。
初めは「胸きゅんよ~」と直樹に向かって、目を輝かせて言ってたのは誰だ!?
そう思うと、このえらく反応が変わった琴子がおかしくてたまらなかった。
この直樹の苦笑いを見て、琴子は口を尖らす。

「なによお~・・・。あたし、入江くんがあんなに顔を青くして調子悪そうなのを見たことなかったから、本当にびっくりしたんだよ!もう、あんな入江くん、絶対見たくないよ」

そう言うと琴子は、直樹の身体を腕を大きく回して包み込み、ぎゅうっと抱きしめた。

いろいろと考えすぎて、どちらかというと一人でショートしてしまっただけだったが・・・と直樹は思いながらも、あの時の絶叫しながらも直樹を守るように介抱をした琴子を思い出すと、なんだか笑いがこみ上げてきた。
そして、どんな時でもいつでも全力で直樹の力になってくれる琴子に少し胸が熱くなった。


「そうやって、抱きしめてくれるのも悪くないけど、もっと効果てきめんなこともしてほしいな」

直樹が琴子を見下ろすような視線でものを言う。
いつになく直樹の方からそんなことを言ってきたので、思わず琴子は直樹から少し身体を離して、直樹の顔を覗き込んだ。


「効果てきめんなことってどんなこと?」

直樹はじっと琴子の瞳を覗き込んでいるだけで、返事をしない。

「もしかして入江くん・・・キスしてほしいの・・・?///」

まだ直樹は声は出さずに、顔の角度を2,3度変えては、少し赤くなった琴子の顔をじっと見ている。

「そ、そ、それとももっとすごいこと・・・?///」

うわずるような琴子の声を聞いて、ここでやっと直樹の顔に笑みがこぼれる。


(ぶぶっ!こいつ、黙ってたら、一人で勝手にどんどんハードルあげてやがる)


「へえ~、もっとすごいことってどんなこと・・・?」

少し顔を近づけて、からかうように直樹が言う。
琴子は、思わず眼下の「白いソファ」に目を落とした。

「ぶっ!おまえ、今、すごいこと考えてない?」

態度がわかりやすすぎる琴子に思わず噴き出す直樹。

「な、ないよ!!///もう、このソファはごめん!もう、あんなにドキドキするのはごめんよ!///」

直樹は、真っ赤になって必死で話す琴子の姿がやたらいじらしく感じた。
そして、ゆっくり琴子の肩に手を置くと、直樹は軽く琴子を抱きしめた。


「ほら、これで許してやる」

琴子の肩に手を置いたまま、直樹は身体を屈めて、琴子の目の前に頬を付き出す。
琴子が少し恥ずかしげに、でも、しっかりとその意味を察して、ちゅっと小さく音をたてて直樹の頬にキスした。

「・・・・」

「・・・・」

しばらく黙ってお互いの顔を見る。
そして今度は、直樹がちゅっと小さく音をたてて琴子の額にキスをした。


「帰るか」

「うん///」

直樹の顔色もすっかりよくなり、琴子には花が咲くような笑みがこぼれた。


琴子は直樹の腕に自分の腕を絡ませて、ドアの外に出た。
いつもなら病院で腕を組むのを絶対許してくれない直樹なのに、今日は廊下に出てもそれを拒否しなかった。
何人かの病院関係者が、その腕を組んだ二人をじっと見ては通り過ぎて行く。

本当だったら、あのわけのわからないネット小説で盛り上がっていたかもしれない今夜。
でも、今ここで注目されているのは、間違いなく現実の直樹と琴子―。

琴子は心の中で、ガッツポーズをする。


(やった!笛子勝利!龍馬に勝った!ふふ~///ナッキーはあたしのものなんだから~///)


こみあがるうれしさを隠すことなく、琴子は直樹の腕をぎゅうっと引き寄せると、ぶらさがるように絡みついて、そのまま病院を後にした。



**********


さっさと終わらせると言いながら、長くなって申し訳ないですm(_ _)m

ここで終わってもいいのですが、自分なりに細かい部分をまとめたいので「後日」のお話を少し書きたいと思います。
間違いなく、あと一回で終わらせますので(^_^;)








COMMENT

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2010/07/02(金) 09:03 [Edit
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2010/07/02(金) 12:33 [Edit
拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
私は週末はやはりPCの前に座る時間がないようで・・・かなり日にちが空いてしまいました・・・。
いつもコメント楽しみに読ませていただいてるのに、コメレスが遅くなってしまってごめんなさいm(_ _)m


まあちさま

こんにちは。またまあちさん、そんなレアな情報を!!(笑)「人間イス」ってどんな技!?(爆!)いや、説明からなんとなく想像つきますが、かなり恥ずかしい「技」ですよね?ププッ( ̄m ̄*)今の時代ならうるさい親が「女の子にそんなことさせないでください!」なんてあったりして?(笑)でも、このお話からそんなことを思いだしてくださるなんて・・・感無量です・・・プルプル(いろんな意味で)。でも私のこの話、そうなんですよ!周りのキャラが濃いので、見落としがちですが、入江くんも相当「変」ですよ!!(爆)多分最後まで、一見まともそうに解決しようとして、おかしな入江くんだと思います。もう、そこも楽しんでやってください~♪(ヤケ)


繭さま

こんにちは。ようやくみんなが少し冷静になった回でした(笑)。西垣先生の信用がた落ちで、しかも哀愁漂わせてる姿・・・それを「笑える」と言う繭さん ( ̄m ̄*)私はそこに笑わせてもらいました~(≧∀≦)モトちゃんが西垣先生よりは変態でなくて安心されたんですね?ププ。でも西垣先生は、やたらと書きやすいキャラですね、私にとっては。そして、描きながらちょっときゅんとしてしまったりもしました、怪しいですね・・・。そしてそして、さりげなく「悪女」ぶりを発揮する琴子!!琴子は嫌みなく、もちろん計算なく、でもあの直樹を虜にしているくらいですから、どこか「悪女」「小悪魔」的な部分もあると思ってやまない私です(^m^ )最終回もそんな琴子が拝める??
by chan-BB
2010/07/05(月) 14:57 [Edit
コメントありがとうございます(*^_^*)
ぴくもんさま

こんにちは。ガッキー、モッキーって何者でしょう!?(笑)でも私、ぴくもんさんのコメント読んで、めちゃくちゃ同意しましたよ。「ガッキー、モッキーがお笑いにもシリアスにも転がせるキャラ」って(*≧m≦*)いえてる!!そしてさらに笑いましたね、ぴくもんさん。悲哀に満ちたガッキーに。悲哀に満ちても「笑いキャラ」になるガッキーに書いてて申し訳ない気分でしたが(ウソ、考えてない)、かなり書いてて萌えキャラだな~と再認識しました。最終回も、救ってあげたようで救ってあげてないガッキーに注目してやってください( ̄m ̄*)


藤夏さま

こんにちは。タイトルに噴きました(●´艸`)!なんだろう、西垣先生って悲哀に満ちても笑われるキャラなんですかね~・・・でも、ちょっと萌えますよね?(笑)今回、濃いですよね、確かに。自覚ありです。かなり体力が必要かまでは考えてませんでしたが(笑)、読めば読むほど疲労するような感覚は・・・あるかもしれません(^^;)とにかくみんなずれてますからね。琴子にしろ、西垣先生にしろ、モトちゃんにしろ・・・そして、天才直樹の脳がそのせいで疲労しているという恐ろしい展開になっています。こうやってコメレスしてても、何かいてるんだか、だんだんわからなくなってきて、焦点がわからない私・・・かなりヤバイです(>_<)
さてさて、ここが本題(やっと?)。ぜひ藤夏さんにも、このメンバーで書いてほしいですよ!!書き出したら、多分勝手にキャラが動いてくれるような気がします(笑)。藤夏さんカラーの西垣先生とモトちゃんのお話、読んでみたいです~☆
by chan-BB
2010/07/05(月) 15:19 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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