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白い・・・疑惑 ②

2010.06.26 *Sat*

「琴子と入江さんはもう帰った?」

夜勤のために幹が出勤してきた。
幹がナースステーションに現れるや否や、周りのナースたちがざわめきたつ。

「わあ~、桔梗さん~!出勤したんですね!」

「桔梗さん、どうです?できました?」

「バッチリよ!」

幹がウインクしながら周りを見回す。


―きゃああああああああ~~~~!!///


黄色い歓声がナースステーションに響き渡る。

「しっ!仕事中よ!患者さんがいること忘れちゃダメよ!」

幹が後輩ナースたちをたしなめると、ナースたちは口に手をあてて、少し自嘲するかのように首を竦めた。


「桔梗くん~」

「西垣先生!?」


―きゃああああああああ~~~~!!///


またもやナースたちの黄色い歓声がナースステーションに響く。

「しっ!」

幹と西垣に咎められ、またナースたちはシュンと首を竦めた。


「桔梗くん、どう?いい感じになった?で、琴子ちゃんからはいろいろ聞き出せたのかな?」

西垣はナースステーションから幹を連れ出して、人気のない場所で幹に質問を始めた。

「琴子はダメでした。特に何も言わないし。それに琴子自体、多分自分ではよくわかってないと思うんですよ。でも大丈夫です!!元祖入江直樹ファンクラブの会長のあたしが、長年の独自の観察と経験から分析して、なんとか仕上げましたから」

「んーーー、琴子ちゃんの口から入江の夜の実態が聞き出せなかったのは残念だが、でも、確かに琴子ちゃん自体がよくわかってないというのは、的を得てるような気がするな。そして桔梗くんの観察がすばらしいということは、今までの反響から明白にわかることだがね。くくくっ・・・」

腕を組みながら、いやらしく肩を震わせて笑う西垣。

「いや~、もうあたしは、西垣先生の発想のすごさに感動していますよ!特にあの『白いソファ』の回から、ファンが増えて増えて!!次はいつ更新なんだと、続きを望む声が殺到ですからね!!あたしも書き手冥利に尽きます!!」

「くくくっ、確かに!あれは我ながらすごい発想だったと思うよ。誤算だったのは、僕的にはあれで入江をちょっと辱めてやろうとしたんだけど、あれで入江のファンがまた増えちゃったってことだけどね。女の子たちの心理って、まだまだ奥が深いよねー・・・」

「でも、優しい西垣先生のファンも増えましたよね?」

幹が西垣の腕を自分の肘でツンツンと突きながら言う。

「くくくっ!確かにそれはある!!もう、最近は歩いてるだけで、黄色い歓声があがるようになってきたからな!」

「今夜も・・・、西垣先生、優しくしておきましたよ!ふふふ///」

「ホントか!?そりゃ楽しみだ!今夜をどんなに女の子たちが楽しみにしていたか~~。やっと結ばれるんだもんな、おれたち~~」


「おれたちって、誰ですか?」


「誰がって、おれと入江に決まってるじゃないか~」

「へえ~、おれと西垣先生ですか?」

「ああ、おれと入江おまえ・・・・」



「ぎゃあああああああーーーーーーーっ!!」



西垣と幹の声がハモってこだまする。


「聞かせてもらいましょうか?どうやら、名誉毀損の疑いもありそうですしね?」

「い、入江・・・・・」

西垣は一気に血の気がひいた顔をして冷や汗を流し、幹はへなへなと力が抜けてその場にしゃがみこんだ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「入江くん、どうしたの?みんなどうしちゃったの?」

琴子が日勤を終えて直樹の医局室に行くと、その部屋にはまるで警察に連行された犯人のように、ぐったりと落ち込んだ西垣と幹の姿があった。
そして曰く付きの例の白いソファに、二人は座らされていた。


「琴子~~・・・」

「琴子ちゃ~ん~~・・・」

西垣と幹は、まるで天使でも見たように、いきなり現れた救世主の琴子に手を伸ばした。

パシ パシ

その伸ばされた手が、すかさず直樹に払い叩かれる。


「入江、おまえは僕の後輩・・・・」

直樹に叩かれた手を、恨めしそうに見つめながら西垣が呟く。

「西垣先生、これですかね?」

西垣の話に目もくれず、直樹はデスクの上にあるノートパソコンをくるりと西垣の方に向けた。

「そ、それです・・・・」

思わず後輩に敬語を使ってしまう西垣。
西垣は、直樹に意見しようにも証拠をつきつけられてしまい罪を認めるしかなくなった犯人のように、がっくりと肩を落として直樹から目を背けた。


「なに?これ?・・・・『白い巨頭』・・・?若き天才医師の・・・愛と葛藤の日々・・・・??」

パソコンの画面に映し出されたHPを見て、琴子が読み上げる。

「さあ、手っ取り早く二人の口から、このサイトについて説明してもらいましょうか?」

直樹がバンバンとパソコンを叩く。
そして直樹は、デスクのイスに座って腕を組んで大きく身体を屈め、白いソファに座る二人の目を交互に覗き込んだ。

「桔梗くん・・・」

「西垣先生・・・」

蛇に睨まれた蛙のように、逃げ場のなくなった二人は顔を見合わせた。



――白い巨頭――

舞台は斗北大病院、第二外科。
ここには、頭脳優秀、容姿端麗、そして天才的な技術を持つ二人の若き外科医がいた。
お互いをライバルとして腕を競い、衝突しながらもどこか認め合い、日夜医学の道を励んでいた二人。
陰と陽のようにお互い対照的でタイプの違う二人。
斗北大病院ではいつしかこの二人を、病院をしょって立つ二人の「巨頭」と呼んでいた。
その二人の巨頭に、いつの日か友情とは違う愛情が芽生え始める・・・。

クールな 入江ナッキー 
華やかな 西垣龍馬

この二人のいわゆる同性愛を軸とした話が、このHPにネット小説として公開されていた―。



「ぶっ!!入江ナッキーって、入江くんのこと~?」

思わず噴き出す琴子。

「ナッキーは、帰国子女って設定なんだよ」

「西垣先生、続けてください」

直樹の静かな感情のない声が低く響く。

「は、はい・・・」

いつの間にか先輩後輩の立場が入れ替わってしまってるじゃないか!と思いながらも、反論する勇気はない西垣。

「え・・・・つまり、このナッキーと龍馬、男同士なんだけど、なんだかんだで愛し合ってしまうんだね。でももう病院では巨頭と言われた二人だけに、その秘めた気持ちはお互いありながらもお互いに打ち明けることができない。そのために、この美しく若い外科医たちは激しく悶え苦しむんだね・・・つまり・・・・そういう二人の美しい愛と葛藤のお話なんだが・・・」

西垣が直樹の方をちらちらと様子をうかがいながら話を進めて行く。
しかし直樹の顔は無表情で、それだけに西垣も直樹の真意が見えず、動揺を隠せない。


「つまり、純愛なんですね~?」

そんな時、弾んだ琴子の声が西垣たちの耳に入った。
自分の両手をぎゅっと握り、琴子がうっとりとした目をしているのを、西垣と幹は見逃さなかった。

「そうそうそうそうそう!!」

救世主琴子に、西垣と幹が二人同時に大きく首を振って同意する。


「そんなバカバカしいストーリーはどうでもいいんですが、いったいどうしてこんな話をネット上にわざわざ公開してるんですか?」

「いやそれは・・・・」

「それは、西垣先生が女の子の気をひくためですよ」

幹が西垣の方をちらっと見ながら、口火を切った。

「き、桔梗くん!君、裏切るつもりか!?」

「ほら入江さん見てくださいよ。琴子だって、こんなにうっとりとこの話にのめりこんでるじゃないですか?」

幹が指を差した方には、直樹のノートパソコンで食い入るように「白い巨頭」を読んでいる琴子の姿があった。


「入江く~ん、これおもしろいよ~!胸きゅんだよ~」

自分の夫が同性愛の主人公になっているにもかかわらず、どうやら琴子は一読者として楽しんでいるようだった。

「女の子って、意外にきれいな男子の恋愛話は好むものなんですよ?だから西垣先生はそれを利用して、女の子の気を引こうとしたんですよ。・・・あえて自分も主人公にして・・・」

幹がちらっと西垣の方を見ると、西垣は「ちっ」と小さく呟いて下を向いた。

「話を書いてたのは、桔梗か?」

「あ、そ、そうです・・・。あたしはもともときれいな男子の恋愛話が好きなんですよ~///だから西垣先生にこの話を持ちかけられて、ついつい創作意欲がむくむくとわいちゃって!あ、話のプロットも西垣先生が考えてくれてたんですけどね」

「そうそう、つまり僕がプロデューサーてやつだな!」

「西垣先生は自ら広報も担当してくれましたしね」

「そうそう、僕の人脈でたくさんの読者をGETしたってわけだ!」

西垣が得意そうに顎をあげる。


「最低ですね!」


「な、なっ!!」

冷たく言い切る直樹に西垣も言い返したかったが、思わず言葉を飲んで我慢した。
女の子にうけるためだけに考えて、予想通り女の子たちの心を鷲づかみにして、思わずヒットしてしまったこのネット小説。
しかし、この話の成功には直樹の存在が大きかったことを、西垣はひしと感じていた。
クールで人間には興味のなさそうな天才医師ナッキーが、同姓の先輩医師龍馬に恋心を抱き、悩み苦しむ・・・そのどこかギャップ萌えする設定にファンが食らいついたことは明らかだった・・・。
そして、「フィクション」としながらも、どこか特定の人物を想定させる内容であることは、斗南大病院関係者なら、一目瞭然でわかる。
さっき直樹に言われたように、いつ「名誉毀損」と言われても、反論できない立場にある西垣。
それ故、後輩に叱咤されながらも、ぐぐっとここは我慢せざるを得なかった・・・。




**********

呆れてますよね・・・?

こんな話です。すみません。

すでに2話目で、一番外郭の謎は明かしました。
理由は、前後編の予定でしたので(^^;)
こんな内容ですが、まだイリコトが密事を見られていたかの疑惑は晴れてませんので、これからじわじわ内面の謎(?)を追求していきたいと思います。

COMMENT

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by
2010/06/28(月) 12:49 [Edit
拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
まあちさま

こんばんは。またお越しいただいて、とってもうれしいですよ(*^_^*)/ムフフ ホント、とんだ話に展開してますが、しっかり同じように(?)妄想していただいて、本当にうれしい限りです。確かにナースが夢中になるというその話!!露骨な表現がなければ、私もそんな話、読んでみたいです~~♪そして、誰が出入り禁止など申すものですか!?もう、勝手に妄想暴走して好きなようにお話をUPしてる私ですが、でもやはり読んでくれる方がいることが最高の喜びなんですから!!そしてそれを足跡として、拍手やコメントいただけると、本当に本当にうれしいんです!!そして調子に乗ってまた書いてしまうという循環・・・(^_^;)なので、こちらこそこれからもぜひかまってやってくださいませm(_ _)m


繭さま

こんばんは。もう、繭さんのお言葉を聞いてホッとして、そしてめちゃくちゃうれしかったです~~♪ありがとうございますm(_ _)mこういうちょっと異色っぽいものを書くと、自分が好きで書いていながらも、どうしてもついてきてくれる人は少ないだろうな~などと思ってしまうもので、いや、少なくても書いちゃうんですけどね(^_^;)ハハハ西垣先生は、前にちょっと書いた時にも思ったのですが、かなり私的には描きやすいキャラです☆すらすらとちょいといやらしく(笑)勝手に動いてくれるって感じで、そしてそのちょっといやらしい感じが私は好きだったりもするんです( ̄m ̄*)琴子が意外にすんなりあの話を受け入れたのは、次の回の伏線的なもんでもありますので、そのギャップをぜひ読み比べてほしいです。もう、繭さんの力強いお言葉を頼りに、このまま変な街道を突っ走らせてもらいます!!


ぴくもんさま

こんばんは。そうですよね、ちょっと久しぶりですよね!?(笑)お元気でした?ってほどでもないですが(^^;)なんか私は定期的に、こういう変態っぽいものを書きたくなってしまうんですよね・・・。本当にふと思い立ち、気がついたら「中編」になってるという!ある意味ガクブルです、自分でも(>_<)ナッキー、ガッキーの絡み読みたいですか?(笑)さすがに私はBLを読んだこともないので、書き方がわからないのですが、私もちょっと読んでみたいかも? ( ̄m ̄*)です☆そして「巨頭」に反応してくれましたね!!?そうです、反応してほしかったんです。敢えて意味を加えましたが、それは私が変態に思われないようにするためでもあります。なので、お好きなように解釈してください~( ̄m ̄*)意味ない展開が続きますけど、おひまつぶしにでもどうぞお付き合いくださいませ~♪
by chan-BB
2010/06/28(月) 18:07 [Edit
コメントありがとうございます(*^_^*)
藤夏さま

こんばんは。藤夏さん、食らいついてくれましたね~~(*>▽<*)←そのままお返しです☆よかった、よかった・・・またここにも大丈夫な方がいてくれて・・・ホッ。でも、梅雨のむしむしを吹き飛ばすって例えに笑いましたよ。どんなシリーズなんでしょうか?(笑)そして、結構コメントくださった皆さんはその怪しい小説をちょっと読んでみたいかも?的なことを言ってくださるのですが、確かに私もちょっと読んでみたいです( ̄m ̄*)あまりに激しいのは初心者の私には無理かもしれませんが、非常に興味はありますね☆でも、白いソファでの密事の話は・・・(笑 自重)。こんな話ですから、壊れていただいた方が、私もありがたいです。意味なくもうちょっと続きますが、どうぞお付き合いよろしくお願いします~♪


☆そして読んでいただいた方々、拍手していただいた方々、ありがとうございます(*^_^*)ちょっと異色な話かな~と思ってましたので、正直こんなに拍手いただけるとは思っておりませんでした(^^;)すごくうれしいです。もう少しだけ続きますが、お時間ありましたらまたお付き合いよろしくお願い致しますm(_ _)m
by chan-BB
2010/06/28(月) 18:17 [Edit

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Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
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