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2010.06.24 *Thu*

白い・・・疑惑 ①


意味不明の「ギャグミステリー」(?)です。

*初めは「前後編」のつもりだったんですけど、書き出したらどんどん長くなってしまって(>_<)急遽「中編」扱いにします。毎度ながらですが、かなりバカバカしいお話になる予定です。そんな話でもOKな方は、お付き合いくださればうれしいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「またか」


昼下がりの斗南大病院で、直樹はため息をつきながら思った。
今朝から病院ですれ違うドクター、ナース、そして病院関係者たちが、直樹の顔を見ては顔を紅潮させて、はにかんだような顔をする。
何人か連れだっている時は、その何人かが急に顔を見合わせて、そしてひそひそと直樹の方を見て話し出す。


「また、勝手に何か噂が広まってるな」


数々の過去の事例を考えても、また何か噂が一人歩きして、その火中に自分がいるのだということは容易に見当がつく。
しかし今回はまだ、今の時点でその噂が何なのかわからない。
そして今回はなぜか女子職員たちが、いつになく潤んだような熱い目で直樹を見ているような気がする。
すでに斗南大病院に勤めて数年。
見慣れているはずの自分を、なぜ女性達が急にいまさら熱い目で見るのかということが、直樹には少しひっかかった。


「・・・・・」

噂なんていつものことだし放っておいたらいいと思う反面、直樹は少し気になることが頭の中をよぎり、完全に払拭できない。
とりあえず、いつも噂のパートナーである琴子にさぐりをいれてみるかと思った。



しばらく歩くとナースステーションが見えてきて、その中に琴子の顔があるのを確認する。
少し離れた場所からその様子を見る直樹。
琴子はいつもと変わりなく、同僚ナースたちと何やら談笑している様子。
そして琴子と談笑するナースや事務員の態度は、特にいつもと変わりない気がする。


「琴子には関係ないことか・・・?」

いつも琴子とのことで噂をたてられる直樹だけに、琴子が特に注目されていない様子に少し疑念を感じる。


「あ、入江くん!」

ナースステーションから琴子が直樹に気づいて、声を弾ませて叫ぶ。
それと同時にさっきまで琴子と談笑していたナースたちが、急にざわめきたったのが直樹にはわかった。


―い、入江先生///
―きゃ、もうリアル~///


やはり朝からの他の職員たちとの反応と同じく、少しはにかみながら顔を紅潮させるナースたち。
いつもは噂話など放置して気にもしない直樹だが、今日はその異様な反応にどこか動揺を隠せない。


「入江くん、今日は日勤だよね。あたしも日勤だから、終わったら一緒に帰ろうね~」

琴子が直樹に近寄ってくる。


―入江先生は今夜は家ですって!
―ふふ、今夜・・・今夜よね・・・///


気にかけているせいか、やたらとナースたちの囁きがしっかりと直樹の耳に入ってくる。
その会話から話をつなげて事の真相を掴もうとするが、まだ今ひとつ確信がない。
ただ「リアル」や「今夜」という言葉が、少し直樹のある部分でひっかかる。

「・・・まさかな・・・?」

ただやはり直樹がどうも腑に落ちないのが、注目されているのが直樹だけで、琴子にはどうもその注目の視線が向けられていないという点だ。


「琴子ちょっと」

「へ?」

琴子の腕をとって、直樹は少し人気のない廊下の端の方に琴子を連れて行く。

「おまえ、何か、人に話したか?」

「え?何を?」

「今日やたらとおれは注目されている。何か噂の的になってるのは確かだ。だからおまえ、何か余計なことを病院内で言わなかったか?それか、誰かに何か聞かれたりしなかったか?」

直樹は琴子の目をしっかり見て、しっかり考えてみろというように軽く琴子の両腕を掴む。

「ええ~?あたし、何も言わないよ!何を言うの?それに特に何も聞かれたり・・・・あっ!」

「なんだ!?」

「あ・・・・いや、でもこれは別にたいしたことじゃないし・・・・」

琴子は頭の中で今自分が気づいたことが、この直樹の言う噂話に関係あるのか関係ないのかを考えてみる。

「なんだ、言ってみろよ!」

結局うまく頭の中で整理できない琴子だが、直樹にせかされ、ぽつぽつと話し出す。

「いや、昨日モトちゃんが、急に変なこと聞いてきたのよ」

「桔梗が!?」

「うん。入江くんが・・・、入江くんが、夜は、夜はどうなのかって・・・///」

「はあ?はっきり言えよ!」

「うん・・・、は、はっきり言うと、入江くんがHの時に、SなのかMなのかって・・・///」

「なんて言ったんだ!!?」

琴子の腕を揺さぶる直樹。

「わ、『わかんない』って・・・」

「・・・・それだけ?」

「うん・・・・、だからあまり関係ないでしょ?」

直樹はきょとんと大きく見開いた琴子の目をしばらく見つめて、そして琴子の腕から手を放した。

「モトちゃんってたまにこんなこと聞いてくるよね。だから、今に始まったことじゃないでしょ?」


琴子の言うことがもっともだと直樹も思った。
幹が、直樹と琴子のことについていろいろ下世話な推測してくるのは、今に始まったことじゃない。
酒の席で酔っぱらった琴子が、誘導尋問に応じて二人の密事について幹たちに話してしまったということも過去に何度かあった。
しかし、酔っていても琴子はどこか素の部分が純粋なせいか、赤裸々に人に密事を話すことはなかった。
そして今日、もし琴子が誘導尋問に応じて何か話していたとしたら・・・、琴子も一緒に噂の種になっているはず。
そして、そのくらい今さら・・・という感もある。

「ねえねえ、それより入江くん!今日、仕事終わったら、また入江くんの部屋に迎えに行くよ~一緒に帰ろうね」

琴子がぴょんぴょん跳ねながら、直樹の腕を持って話す。
琴子のいう「入江くんの部屋」というのは、最近直樹に用意された個人の医局室のことだ。
直樹専用の医局室ができたことで、待ち合わせには最適だと琴子はすこぶる喜んでいた。


「琴子、おまえまさか・・・」

直樹が琴子の目をぐっと覗き込む。
琴子はその直樹の目を見て、ぐっと息を飲んだ。


「・・・・あ///!ないないない!!それは絶対ない!!///」

「ホントだな?」

「ない!ない!神に誓ってないです!!///」

琴子は顔を真っ赤にして、何かを思い出したように手で顔を覆った。
その様子がおかしくて、思わず直樹も顔を横に向けて小さく笑った。


「じゃ、じゃあ、あたしまだ仕事残ってるし!終わったら、入江くんの部屋まで行くからね」

そう言って琴子は、直樹に目を合わすことなく足早にぱたぱたとナースステーションに帰って行った。
琴子は本当に何も知らなさそうだなと直樹は思った。
そしていくらなんでも琴子が、あのことについて話すことはないだろうと思った。


そして結局、琴子に聞いたところで何の核心も得ることができなかった直樹だが、そんな調査をずっとしているほどひまでもない。
山ほどある雑務にとりかからねばと、気持ちを入れ替え、直樹は自分の医局室へと向かった。

医局室に近づくと、きゃあきゃあと女性たちのうれしそうな声が聞こえてきた。
角を曲がると、そこには西垣医師と若い3人のナースたちが、直樹や西垣の医局室の近くで楽しそうに話していた。
西垣と若いナースたち・・・、この光景はよく見慣れている。
でも、ふと何か直樹は違和感を感じた。

ナースたちのはしゃぎようが、いつになく異様だった。
西垣がナースをよくからかったり、ちょっかい出したりしている光景は日常茶飯事だったが、今、目の前で繰り広げられている光景は、ナースたちが西垣を熱い目でみつめ、ナースの方から何かちょっかいを出しているようにも見える。
そして、きゃあきゃあと騒ぎ立てて頬を赤らめ西垣を見る様子は、今朝から直樹に向けられている病院関係者からの視線や態度とどこか似ていた。
いや、同じだと言ってもいい。


(西垣先生が何か関係しているのか・・・?)


直樹はなんとなくそう思った。
ただ、その根拠が全くない。
自分と西垣と、どこに接点があるのか?
さらになぜ今日に限って?と考えるとますますわからなかった。


「おう、入江!」

直樹の存在に気づいた西垣が、直樹に声をかける。


―きゃああ///入江先生!!///
―きゃああ~、夢のツーショットよ!!///
―リアル過ぎる~///


ナースたちの嬉々とした声が廊下中に響き渡る。
おかしい。
やはり何かあると直樹は思った。
直樹と西垣―。
今さらながらに二人が並んだところで、なぜにこんな歓声が起きなければいけないのか。
さらに西垣は、この歓声を聞いても驚くことなく「当然」といった態度で、穏やかにご満悦そうに笑みを浮かべている。
ますますあやしいと直樹は思った。


「よ、入江!仕事落ち着いたか?」

西垣が直樹の肩に手を置き、少し顔を近づけて声をかける。


―きゃああああああ///


またもやナースたちから、異様なくらいの歓声があがる。

「西垣先生はひまそうですね」

肩に置かれた西垣の手をさりげなく払いながら、冷たい口調で言い放つ直樹。

「またまた、入江はそうやっていつも冷たいそぶりをするんだから」

そう言う西垣の横で、ナースたちが興奮した顔を隠すことなく、うんうんとみんながなぜか顔を紅潮させ、頷いている。
心なしか、喜びのあまり涙さえ浮かべているようにも見える。


(なんだ?この異常な様子は?)


さすがの直樹も、本当に意味がわからずもどかしい。
しかしこの輪の中に入るのだけは勘弁したいと、直樹はそのまま自分の医局室のドアを開けて、一人中に入ろうとした。


―私、あの白いソファの話ですっかりはまっちゃったんです!
―あたしも!///もうたまりませんでした!
―あれも、西垣先生が考えたんですか?


部屋に入ろうとした直樹の耳にナースたちの会話が聞こえてくる。
思わず動作が止まってしまう直樹。


「・・・・」

その直樹の様子を西垣はしっかりと見ていた。

「君たち~、君たちとお話しているととっても楽しいけど、そろそろお仕事もしなくちゃいけないよね~、ほら、夜にもそなえて、しっかり仕事終えなくっちゃ」

直樹の方をちらちら見ながら、西垣はナースたちの肩をポンポンと叩きながら歩き始めた。


―そうですよね、今夜やっと~!///
―西垣先生、桔梗さんにはもう?
―二人の行く末が楽しみすぎます~~///


そんな話をしながら、西垣とナースたちは角を曲がって行った。
そしてしばらく西垣やナースの嬉々とした声が直樹の耳に聞こえていたが、やがて何も聞こえなくなった。


自分の医局室に入り、直樹は思わず鍵を掛けた。


(「桔梗」「今夜」「二人の行く末」・・・「白いソファ」・・・)


さっきナースたちが話していた言葉を拾ってみて、直樹はいろいろと思惑する。
そして今、直樹の目には、医局に入ってすぐに置いてある「白いソファ」が映っている。
実は、この「白いソファ」というワードが、特に直樹を困惑させていた。


一週間ほど前―。
直樹と琴子が一緒に夜勤の日。
その日はいつになく急患が多く、ばたばたと動き回り、気が付いたらもうすっかり朝になっていた。
日勤の連中に引き継ぎをして医局室に戻った直樹は、自分が一晩中立ちっぱなしだったことにそこで初めて気づいた。
そして、この白いソファにこの日初めて深く腰を下ろした。
そこに直樹と一緒に家に帰るために、琴子が医局室にやって来た。
琴子もまた、夜勤の間中、一度も座ることなく働いていたことを直樹は知っている。
直樹はそんな琴子をソファに座らせると、しばらく二人は肩を寄せ合って、充満する疲労をぼーっと放出させていた。

そして二人ともハードな夜勤に疲労困憊して、どこか変なテンションになっていたのだろう・・・。
疲れた時に、衝動的にそんな気分になりやすいことを、医師になってから直樹はどこかで自覚していた。
そしてどちらともなく・・・。
勤務時間外ということが、どこか二人の箍を外したのかもれない。
この直樹の医局室の「白いソファ」で二人は密事を交わした―。



ドサッ。
音をたてて、あの時と同じように白いソファに身体を預け、直樹はしばらく天井を凝視した。


(あの時・・・あとで気づいたが、この部屋の鍵をかけ忘れてたんだよな・・・)


まさか誰かに見られていたとは思えないが、どうしても今朝からの病院関係者の様子と、さっきのナースたちの会話から、直樹はいろいろとひっかかってしかたがなかった。
しかしひっかかるが、やはり確証がない。
そして「桔梗」「今夜」「二人の行く末」・・・・、ナースたちが話していた他のキーワードのことも考えてみる。


「どうも、しっくりこねーな・・・」


いつもだと軽く流してしまう噂話。
今回もバカバカしい話だと思うが、なぜか今回は事の真相をはっきりさせたいと直樹は考えるようになっていた。



**********

この話自体、変なテンションだと自覚しています・・(^_^;)

そして前に女ばかりの飲み会で、全員一致だった意見が「男性は疲れた時ほど・・・(自重)」・・・でしたので、今回ちょっと使わせてもらいました~( ̄m ̄*)爆!




COMMENT

拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
yumatayuさま

はじめまして。いつも読んでいただいてるのですね♪どうもありがとうございます(*^_^*)しかし今回はもう、素敵とかいうレベルの話ではないんで大変申し訳ないですが(^_^;)、お暇つぶしにでも読んでいただけたらありがたいです。そして、ふふふ♪どんな統計なんでしょうね?(笑)こんなおかしなブログですが、どうぞこれからもよろしくお願い致しますm(_ _)m


まあちさま

おはようございます♪先日から本当にお気を遣ってくださり、ありがとうございますm(_ _)mまあちさんのお気持ちが心からうれしいです。そして今回、まあちさん・・・まさにビンゴです!(笑)これで、まあちさんの「素」より、私は完全にいっちゃってるということが証明されましたね?(笑)でも残念ながら(?)私はそちらの方面には足を踏み入れておりませんので、ちょっとネタとして使われていただくだけになります。もうこれだけで、どんな話!?ってレベルですが、こんなのでもよければお付き合いくださいませ~(^^;)


繭さま

おはようございます。もうただでさえいつも詳細に読んでいただいてる繭さんに、何回も読んでしまわせたなんて!!?(゚∀゚lll)アラがたくさんみつかってしまったのではないでしょうか・・・。そして繭さん、笑いませんよ♪だって、まさにそれですから~ビンゴ~です☆ハイ、そんなレベルの発想です・・・(T_T)スミマセン・・・。でもまあちょっと繭さんの想像とは違うかもしれません。しかし、私なんでこんな話を書き始めたのか、正直後悔しております・・・(汗)。多分、この先にオチはないでしょう(T_T)でもなぜか少し長くなってしまいそうなこのお話、もうまさに変なテンションで心広く読んでいただけたら幸いです。私も変なテンションを維持してがんばって仕上げます。「ギャグ」ですが、よろしくお願いします~(^^;)/
by chan-BB
2010/06/26(土) 07:59 [Edit
管理人のみ閲覧できます
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by
2010/06/26(土) 17:03 [Edit
ありがとうございます
繭さま

こんばんは。再びありがとうございます~♪喜んでいただいて、もうもう私の方がうれしいです(^^)/ただ私の感性に近づくということは、非常にヤバイことですよ!(苦笑)そしてこのお話を書きながら、繭さんに初めてコメントいただいたことを、私も思い出しました。しっかりと覚えていますよ♪本当にこのお話も、軽く「ギャグ」として読んでいただくのが一番私も安心するんです~(^^;)ゆる~くお付き合いくださったらうれしいです♪お仕事いつも大変そうですね☆お身体の方だけはご自愛してくださいね。


まあちさま

こんばんは。再びすみません~(^^;)そして、もうなんて濃いくて興味深いお話なんでしょう!!何回か熟読させていただきました(笑)。私も自分は全く足を突っ込んでないのですが、友達にはやはりいましたよ!(笑)いつの時代からなんでしょうね~?今回こんなネタを思いついたのも、ふと見たドラマをヒントにしたのですが(誰もそのドラマからこんな話を思い浮かべる人はいないと思いますが(^^;))、いったいどういう風にいきつくやら・・・見切り発進してしまいました。でもまあ、開き直って言わせてもらうと、いろんな作品の中にこういうのもたまにはあってもいいのかも~?なんて(^^;)またいろんなこと思い出しながら、この先も読んでいただけたらと思います。どうもありがとうございました(^^)/
by chan-BB
2010/06/26(土) 21:42 [Edit

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プロフィール

千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
よろしくお願いします☆



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