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2010.06.12 *Sat*

無邪気なお祝い


このタイトルでお気づきになった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか!?(^m^ )
藤夏さんに、前回「無邪気な贈りもの(もう1つの贈り物)」をいただいたのですが、さらにその続編をいただいたんです~♪

ありがたい献上作品をまたここでUPさせていただくことができて、とてもうれしいです(*^_^*)
藤夏さん、本当にありがとうございます。

では、このつづきから藤夏さんの「無邪気なお祝い」をお楽しみ下さい~♪
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



神戸に越してきて3ヶ月目。


初夏の緑の美しさに心を現れる季節はもう終わりを告げ、じめじめとした梅雨の時期がやってきた。


”あたしってお天気1つで気分が変わるから、梅雨はやっぱり苦手かも”


いつだったかそうつぶやいていた琴子の言葉が蘇る。

けどおれは梅雨の到来が待ち遠しかった。なぜなら梅雨がくるということは夏が近づいているから。


梅雨が明ければ、照りつける真夏の太陽がやってくる。そう琴子が神戸へと―――。




※         ※         ※         ※


日勤からそのまま夜勤、そして今は午前10時。

疲れた体と共にようやくマンションに帰宅したおれは、もうすっかり習慣になっている留守電の琴子の声の確認をする。(メッセージの9割はあいつなのは間違いないから)

その中の最後の1つに、妙に気になるものが混ざっていた。


『入江くん、毎日お疲れ様です!あのね、今日は誕生日パーティーなんだ!だからおかあさんとこれから一緒にケーキ作るんだよvvあ、入江くんもよかったらそっちで御祝いしてあげてください。じゃあねvv』

いつもながらハイテンションなメッセージに、おれはつい苦笑いを浮かべてしまう。


それにしても――誕生日?ウチには6月生まれはいなかった筈だが。

そもそも誰の誕生日か分からないのに祝えといわれてもこちらはどうすればいいのか。
まったく、琴子らしいというか、なんというか、肝心な情報がぬけている。

まあ、おれに限って一度記憶した誰かの誕生日を忘れることはないだろう。
意図的に記憶から抹殺している可能性も否定できないが、カレンダーをみれば少しはヒントになるだろうか?

そう思ってみたカレンダーの今日の日付は6月9日。

ますます分からない。


もう一度、思い出してみる。琴子の交友関係を中心に―――。

だめだギブアップ。
おふくろが一緒にケーキを作るくらいだから、単なる知り合いとは思えないし、そもそも、おれにも祝え、といっているくらいだから、おれも知っている人間だとは思うけれど。



正直言えば身内(それもあまり関心ないけど)以外の人間の誕生日など、どうでもいいけれど、琴子にしてみれば毎日勉強や実習があって、しかもそれは日を追うごとにハードになっているはず。


身も心も疲れ果ててしまう前に、少しの息抜きは必要だ。別に遊び歩くわけではないし。

そう思いながら、おれは入江家の電話番号をプッシュした。



『はい。入江でございます』
「おふくろ?おれだけど」

『あらお兄ちゃん久しぶりねぇ。元気?パパが直樹はちゃんとしているのかって言ってたわよ』
「ごめん。なかなか電話できなくておふくろともおやじとも」

『まあそうは言ってもやっぱり一番に琴子ちゃんと喋っていたいでしょうけどねぇおほほほほ~』


この間はぬいぐるみと共にあった手紙を読むなり、脳内再生されたおふくろの声。
当直明けのせいか、はたまた久しぶりに聞くせいか、やたらガンガンと耳元で響く。


『あ!もしかして今日の事で琴子ちゃんにお小言?だめよ~。せっかくく琴子ちゃん楽しそうにしてるんだから誕生日パーティーなんてくだらないことするな!とか絶対言っちゃだめ!』
「そんなことは言わねえよ。――ただアイツがおれにも祝えとか留守電に残してるから気になったんだよ。あげく誰の誕生日か全く心当たりがないから、何か気になったんだよ」

『ああそのことね!実は今日はあのドナル/ドダ/ックちゃんの誕生日なんですってvvだから琴子ちゃんがケーキ作りたいから私にも手伝ってほしいっていうの!!も~う琴子ちゃんってば可愛いわぁ本当』


―――予想外の展開に思考がフリーズしそうになった。


あまりにぶっとんだ琴子の行動に”身も心も疲れ果ててしまう前に伊に少しの息抜きは必要だ”などと思っている数分前のおれを殴ってやりたい気分だ。

架空のキャラクターの誕生日を祝うなんてどうかしてるぞ。年を考えろ、年を!

そして恐らくとばっちりで巻き込まれるであろう裕樹に心から同情をした。



※         ※         ※         ※



一旦、おふくろとの電話を切ったあと、シャワーを浴びて朝食とも昼食ともとれる軽い食事をしていると電話のコール音。おそらく、というか確実に琴子だろう。

「もしもし」
『あ、入江くん!ごめんね!さっき電話くれたんだって?』

「まあな。それよりお前、アヒルの誕生日祝うってなんだよ。唐突に何を思いついてるんだよ」
『そうなの!!ドナルドはね、実は6月9日生まれってこの間モトちゃんに教えてもらってね!あたしドナルド好きなのに知らなくってビックリしちゃったよ』


桔梗―――この騒動の発端はあいつか。次あったら覚えておけよ。



「だからってパーティーはないだろう。家中巻き込んで」

『だって――実習や勉強ばっかりで、やっぱり少しの息抜きは必要だと思うの。ね?』

確かにそうだが、琴子の口から言われてしまうと何となくそれを否定したくなる。

「息抜きするほどお前が根詰めて勉強しているとも思えないけど」

『な、そ、そんなことないもん!あたしなりに問題集といたり、教授に毎日質問したり――。本当は舞浜の方に行きたかったんだけど、流石それはマズイから、お家でひっそりと、ね』

どこがひっそりだ。というか現地に行こうとしていたのかよ―――眩暈と共におれはベッドへと崩れ落ちた。

『入江くん?ねー聞いてる?入江くーん』

「――聞いてる。もう始めちゃってるんならとやかく言わねーけど。おれにまで祝いを強制するな」

『だって』

そういって琴子が口ごもったが、次にこいつが言おうとしていることは想像できる。
ぬいぐるみをこちらにおくってきた経緯を思い返せばそれはごく簡単なことで――。

「だってそっちにデイジーいるから、だろ。どうせ」
『あったりぃ~!すごいね!流石入江くんは天才よねぇ。あたしの事は何でもお見通し?ふふっ』


いや――おれがどうこうより、お前の思考か単純すぎるからなんだけど。


『あ、ごめんね。入江くんこれから色々しないといけないの。CDの準備とか飾りつけとかあるから』

「おれこれから仮眠するから悪いけど、多分電話出られない」
『うん分かった。じゃあね!』


そして琴子との嵐のような電話をきると、視界にデイ/ジーダ/ックのぬいぐるみが入ってきた。


「あっちでおまえの彼氏の誕生祝いをするんだとさ。こっちも乾杯でもするか?」


ああ―――。ぬいぐるみに話しかけるなんて、おれも末期か?



いや、今日は疲れがたまっていて、思考が低下しているだけだ。それだけだ。




**********

もう、藤夏さんのカラーがでまくりの、超かわゆいお話で癒されました~(*^_^*)
そして、私はこの話・・・琴子のかわいさ、リアルさ・・・、ノンフィクションに違いないと信じてやみません( ̄m ̄*)

さらに失礼ながら、このラストにいろいろ妄想して、一人で悶え笑ってしまいました。
もう、直樹が「おまえの彼氏にかんぱ~い♪」なんて!!!爆!(そこまで書いてない!)
これ、たまらなく興奮しません!?(*^~^*)

神戸で琴子切れしてて、かなり疲労しているであろう直樹には、このぬいぐるみちゃんたちが、自分たちとを結びつける、そして想像させる必須アイテムになっているかのようなこの展開に、かなり萌えさせていただきました。

藤夏さん、素敵なお話をここに献上していただき、本当にありがとうございました<(_ _)>
そして「いただきもの」のカテゴリは、いつでもフリーに開放しておりますので♪

COMMENT

拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
ぴくもんさま

こんにちは。UPしてすぐに読んでくださったんですね☆藤夏さんも喜んでくださると思います♪本当にかわいい琴子でしたよね~(*^_^*)それでいて、ぴくもんさんのコメントで、さらに解説がはいったように私もツボポイントを再度いろいろ発見させてもらました!!深いですね~(>_<)さりげなく琴子が生活の中でも気になってしかたない直樹を再確認です!!そして、そうそう「デイジー」と呼んでましたよね、直樹!!(笑)なんだろう?直樹がそんな名前を呼ぶことに、変にきゅ~んとしてしまう私たち・・・。なんだかんだいいながらも、琴子の影響を受けて生きている直樹に、本当に「かんぱ~い」って感じです(どんなまとめだ・・・)♪


繭さま

こんにちは。琴子のかわいさに際限なしとは、名文句ですね♪そして文中では描かれてませんでしたが、話の隙間から繭さんのコメントのように、毎日琴子に抱きしめられて一緒に眠り、そして誕生日までこんな盛大なお祝いをされている「彼」に、直樹はどこか嫉妬してたかもしれませんよね!?(^m^ )そんな話も読んでみたいような~♪そして妄想ですが、ぬいぐるみに「かんぱ~い」ともし直樹がしたとして、そしてそれを琴子が知ったとしたら・・・琴子って手放しで喜ぶか、驚いて失神するか!?興味あるところです(^m^ )
by chan-BB
2010/06/14(月) 16:53 [Edit

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