06
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
<< >>


--.--.-- *--*

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2010.05.28 *Fri*

午後の屋上


―「ここでキスのお題」―

1.朝の食卓
2.午後の屋上
3.雨の車中
4.夕方の公園
5.夢の階段

配布元:COUNT TEN.

今回は「午後の屋上」で、またさらっと書いてみました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おせーな、ホントに」


朝、大学の掲示板でおれの4限が休講になったという張り紙を見た。

「わああ、入江くんも4限目が休講なんだ~~!!あたしも4限が、休講になったんだよ!」

いつの間にか背後にいた琴子に驚き、そして嫌な予感――。


結局、琴子の提案で空いた4限を2号館の屋上で一緒に過ごすことになってしまった。
琴子が誰もいなくて穴場だというこの屋上。
そりゃ、開放されててもここには誰も来ないだろ。
ベンチはないし、屋上に設置されたボイラー室からは、やたらと機械音がうるさいし。
いったいどこが穴場なのか・・・。

おれはコンクリートの地面にそのまま座り、ボイラー室の振動が伝わる壁にもたれて、空を見上げる。


―あいつ、看護科に転科したはいいが、周りの連中より年上だし、ちゃんとやってんのかな。


こんな逢い引きみたいなことを承諾してしまったのも、どこか琴子が空いてる時間をもてあましているんじゃないかと思ったからだ。
おれのために看護師を目指した琴子。
無理してんじゃないかと少し気になった。



はあはあはあ

「遅くなった遅くなった」


屋上にあがる階段の方から声が聞こえてくる。
やっと来たか。
自分から誘っておいておせーんだよ。


「入江くん、ごめん!!みんなが休講で空いた時間どこに行くのかとついて来ようとするから~、もうあたし、いろいろ大変で、あれ、入江くん、入江くん?」

なんだよ。
もう、友達できてたのかよ。

「入江くん、寝てるの?」

心配して損した。
別におれと休講の時間過ごさなくても、他に過ごす友達もいたなら、そいつらといればよかったのに。

「入江くん、頭痛くないの?」

壁にもたれて寝ているおれの頭を、琴子の手がやわやわと触るのを感じる。
くすぐったい。

・・・・!

ふいに頭がふうっと浮き上がり、おれは方向もわからず身体を倒すような感覚にとらわれた。

やわらかい。
さっきまで固い壁にもたれさせていたおれの頭が、やわらかいものに預けられている。


「ふふっ。念願の膝枕っ!こういうのしてみたかったんだ~」

頭の上から、琴子の歌うような弾む声がしてくる。
堪忍してくれよ。
こんな大学構内で膝枕なんて・・・。
そう思いながらも、一度寝たふりしてしまっただけに、おれは目を開けるタイミングを逃してしまっている。


「入江くん、まつげ長いよね」

寝ているおれに普通に話しかける琴子。

「鼻筋もすごーい。きれいに通ってる-」

なんだよ、いまさら。
バカか、こいつは。

「唇も、薄いけどいい形してるよね」

そう言うと、おれの頬に何かまたくすぐったい感触がする。
さらさらとしたものが、擦れるようにおれの頬にあたる。

琴子の髪だな。

そしてその頬にあたる髪の質量がどんどんと重くなっていくのを感じる。
まさか、こいつ・・・・。


「・・・ぷはあ-。ああ、やっぱダメ。はああ・・・緊張しちゃう///」

・・・キスしようとしてたな。

「でも・・・大好きな人を膝枕してキスするって、あたしずっと夢見てたんだよ」

じゃあやってみろよ。
まだ寝たふりしててやるから。

また頬のあたりに、琴子の髪の毛があたるのを感じる。
おれの唇に湿った息がかかる。


「・・・うっ・・・。なんでできないんだろ・・・///」

ったく!
こっちが聞きてーよ。
思わず息止めてしまっただろうが!!
おれはいつまで寝たふりしてりゃいいんだ。

「こんなんじゃ、入江くん、起きちゃうよ・・・」

はじめから起きてるけどな。
早くしろよ!
あと、30秒だ。
あと、30秒たったらおれは起きるからな!


結局。
それから約5分後。
やっと触れたか触れないかわからないくらいの、風が通り過ぎたようなキスがおりてきた。




・・・くん。
入江くん。


頬に風があたるような気がして、ゆっくりと目を開ける。
琴子の長い髪が、おれの頬にあたりながら、そしておれの目に琴子の大きな目が映る。


「そろそろ5限が始まるよ」

どうやらおれは、琴子のキスを待ちくたびれて、キスを感じたと同時くらいに眠っていたらしい。

「そんな時間か」


ずっと琴子の膝の上で眠っていたおれ。
しばらくぶりに身体を起こして、立ち上がる。


「行くぞ」

「・・・・」

「どうした?」


琴子が少し泣きそうな顔をして、座ったままおれの顔を情けなく見る。


「足が・・・」

「・・・立てないのか?」

「5限は絶対にでなくちゃいけないのに・・・」

「ったく・・・」



結局、琴子をおぶって琴子の教室まで送ってやることにした。
こんなかっこわるいこと、本当だったら絶対にしてやらない。
でもおれのせいで・・・、ずっとおれを膝枕していたために、琴子は立てなくなってしまったから仕方がない。
バカなやつ。
ここまで無理することなかっただろうに・・・。


「入江くん、ここでいいよ」

「なんで?まだ教室まで遠いだろ」

「みんなに見られるから」

「何をいまさら」

「ダメなの!まだみんな知らないのっ!!」

「はあ??」


意味がわからないおれを無視し、琴子はおれの背中から身体をよじって無理矢理下りた。
そして、ひょこひょこと足をひきずりながら、教室の方へと歩き出す。

なんであんなに必死に・・・・。


「入江くん」

反対方向に歩き出したおれに、琴子が声をかける。

「ごめん。口紅が・・・///」

それだけ言うと赤い顔をして、琴子はまた身体を反転させておれに背を向けてひょこひょこと歩き出した。

「ばーか。自分でばらしてやんの」

おれは口元の口紅を手の甲でぐいっと拭き取って、5限目の講義室へと向かった。



―ったく。ホント、かわいいやつ。




**********

今回は入江くん視点で。
長くならないために説明を最小限にしましたが、今回は琴子が看護科に転科したばかりで、まだ周りのみんなが琴子が入江くんの奥さんだと知らない時期のお話です。

お題は全て視点を変えて書いていこうと思っています(^^)


COMMENT

ホント可愛いヤツ!
おはようございます~!

朝から←自分の都合ですが!むふふ・・
可愛い琴子を垣間見てココロの中はニマっ~な直樹
素直じゃ~ないね~流石の入江直樹といった所かな?
天才の入江直樹も琴子の前では普通の男なんだ~
直樹君寝た振りなんて・・君も何気に「可愛いぞ」
by 美優
2010/05/29(土) 08:59 [Edit
コメントありがとうございます(*^_^*)
美優さま

おはようございます。もうタイトルから、なんだかうれしかったです(^^)確かに直樹もこの話では、かなりかわいいヤツだと、書いた私がいうのもなんですが思います(^m^ )なんだかんだで素直ではないですが、琴子に屋上に誘われたのも、膝枕してもらったのも、そしてキスしてもらったのも、琴子以上にうれしかったのは直樹だったかもしれないですね。美優さんに「可愛いぞ」と直樹が言われて、私もきゅ~んとしてしまいました。ありがとうございます♪
by chan-BB
2010/05/31(月) 11:16 [Edit
拍手コメントありがとうございます(*^_^*)
maroさま

おはようございます。琴子かわいくて喜んでもらえて、私も「やーやー」ですよ(^^)/でも、maroさんは基本的に「琴子>直樹」ですもんね(笑)。本当は寂しかったのは直樹なのに素直じゃないし、さらに膝枕で琴子の膝を痛ましてしまった直樹・・・そりゃ怒りますよね(笑)。それはすべてさびしんぼうの直樹が悪いと(書いてませんか 笑)。で、すぐにこのあと寝ましたか?とりあえず、次の視点はmaroさんが言う「空気読めない」あの人で、やってみたいと思います(笑)。またよろしくです~☆


繭さま

おはようございます。繭さんのコメントで始まりとしめくくりの直樹の変化に・・・私、気づきました・・・。書いているのに、相変わらず感覚だけで、何も考えていなかったという・・・(^^;)でも、そう思うと短文でしたが、なんとかなっていたように感じられてホッとしまいした。ありがとうございます。琴子MAXにかわいかったとのお言葉も、すっごくうれしかったです(*^_^*)さらにどこか琴子に付き合うふりして、実は自分がうれしがっているんじゃないかって直樹も感じてもらえてなおさらうれしいです~(^^)直樹は時々、ギャラリーを気にしない態度をとりますよね?今回のおんぶも別に見られたってかまわなかったと私も思います(^m^ )


ぴくもんさま

おはようございます。お題、結構さくさくといっています。短文なせいで、かえってちょっと難しいけど、でもやはり書く時間は短くすむので、さくさくいってるのかな~?って感じです(^^)琴子の「穴場」に反応してもらって、変にうれしかったですよ。琴子ってこんな感じですよね?今回は琴子には悟られないように、こっそり琴子との逢瀬を楽しんでる直樹を書きましたが、本当にあまり描写がない分、いろいろ個々で妄想していただいたら、うれしいです♪もう、イリコトの視点は終わりましたので(笑)。あとはいわゆる脇役さんたちに、視点がんばってもらいます(^_^)v
by chan-BB
2010/05/31(月) 11:36 [Edit
拍手コメントありがとうございます

heorakimさま

お返事が大変遅くなってしまってごめんなさい。いろいろ読んで下さっていて、とてもうれしいです。更新はできていませんが、ブログを開けておいてよかったと感じています。
このお題自体が可愛らしいイメージがあるので、イリコトも可愛らしいイメージを感じていただけてうれしいです♪
by 千夜夢
2016/03/09(水) 09:29 [Edit

Comment Form


秘密にする
 


プロフィール

千夜夢

Author:千夜夢

こんにちは。
素敵なイタキスの二次創作をたくさん読ませていただき、ついつい自身も二次創作なるものを書いてしまいました。
ここは、私の超個人的な妄想話置き場です。

原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
私の勝手な妄想話であるため、原作のイメージを大切にされる方、二次創作が苦手な方、二次創作が理解できない方は、ご遠慮ください。
また、ブログ内の全ての文章・いただきものを含む画像等の無断転載・転用を固くお断りします。

まだまだ拙い文章しか書けませんが、以上の注意をご理解いただき、読んでもいいかな~と思われた方のみ、ご閲覧下さい。
よろしくお願いします☆

カテゴリ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

最新記事

最新コメント

リンク

●Swinging Heart(ぴくもん様) swingingheart
●のんきもののお家(わさこ様) no banner
●日々草子(水玉様) 日々草子
●kiss shower(幻想夢 影菜様) kiss-shower
●雪月野原~snowmoon~(ソウ様) snowmoon
●初恋(miyaco様) no banner
●HAPPY☆SMILE(narack様) HAPPY☆SMILE
●イタズラなkissの二次創作マナーを考えよう!(イタkiss創作マナー執筆者X様)
●みぎての法則(嘉村のと様) no banner
●Embrasse-moi(ema様) no banner
●φ~ぴろりおのブログ~(ぴろりお様)
●真の欲深は世界を救う(美和様)
●イタKiss~The resident in another world ~(九戸ヒカル様)
●むじかくのブログ(むじかく様) no banner
●つれづれ日和(あおい様) no banner
●Snow Blossom(ののの様) no banner

Copyright © こんぺい糖と医学書 All Rights Reserved.
テンプレート:サリイ( ブログ限定配布版  / 素材:hadashi )    
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。