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2010.01.11 *Mon*

新年会とタバコ⑥(終)


ちょっと長目ですが、変にひっぱるのもなんなんで、いっきにUPします(^_^)v

「多分、さっきのあの場で、このタバコのことがわからなかったのは、おまえと須藤さんだけだろうな」

入江くんが眉毛をくいっとあげて、あたしの前に立って話す。

「え?え?」

またちょっと頭が混乱してきて・・・・。
ええ?
ということは、あのタバコを吸ったのが入江くんで、あのタバコについていた口紅があたしのものであるってことを、テニス部のみんな知ってたってわけ??

つまりあたしたちが・・・キスしてたって、みんな知ってたわけーーーーっ!!??

だ、だ、だから???

だだだだだから、みんなあたしの方を見て、あんなに笑ってたの!!??

後輩達が「レアなもの」とか「ラブラブ」とか言って、頬を赤らめてたのは・・・・・、そういう意味だったの??/////


「な、な、なんで?でもなんで、みんなそんなことがすぐにわかるの??」

「まあ、須藤さんがあれだけ大げさにタバコをみんなに見せ廻ったから、口紅の色とか見てわかったか」

「そ、そ、それだけで??」

「それと・・・・・」

入江くんはさっきあたしに見せたタバコをあたしから取り上げ、自分の口に咥えた。
そしてブルゾンのポケットからライターを出して、それに火をつける。
ふうっと入江くんの吐く息が、白く暗闇に浮き上がり、そしてタバコ独特の苦い臭いがあたしの鼻につく。

「な、なに?ほかになに?・・・・ケホッ、ケホッ!」

あたしはタバコの煙に目がしみて、手で顔を覆いながら入江くんに追求する。


「多分、須藤さんが来る前に、何人か来てて、座敷の外にいたんだろうな」

「ええ!!?じゃ、じゃあ・・・・なんで入ってこなかったの?」

「そりゃ、入れないだろ」

「・・・・・・・」

「俺たち、最中だったもんな」


入江くんが、タバコの煙をまたぷう~っと空の方に向かってふかしながら、ちょっと口角を斜めにあげて冷静に呟く。


はあああああ・・・・・・・。


あたしは、なんだか力が抜けてしまって・・・・。
思わずその場にしゃがみこんでしまった・・・・・。


「・・・もう・・・みんなに会わせる顔ないよ・・・恥ずかしすぎる・・・」

「四回生になっても、まだ部に勝手におまえが出てるだけだろ」

「ううっ・・・・これが引退の原因になるなんて・・・」

「冷えるぞ」

入江くんがあたしの腕をひっぱる。

「ああああああああ!」


ガツンッ!!


「・・・・ってえ!!!」

「ひーーんっ、痛い~~~」

急にあたしが思いっきり立ち上がったもんだから、あたしの頭と入江くんの顎がぶつかって鈍い音をたてた。


「琴子、おまえーーー!何すんだよっ!!!」

「ま、ま、松本姉っ!!!」

入江くんがタバコを持ったままの手で、自分の顎をさすりながら、不機嫌そうな顔であたしをみつめる。
そしてまたタバコの煙を吐き出して、一息ついて入江くんが話す。

「松本がいてくれたから、一番知られたくない須藤さんに知られずにすんだんだ」

「・・・・・・」

「須藤さんに知られてみろ。俺は一生あの人に弱み握られて、何かと使われそうだ」

入江くんが苦虫を潰したような顔で、タバコを咥える。

「・・・・・・」


そうだったんだ・・・・・。


だから松本姉はあんなにメドゥーサみたいに須藤先輩を怒鳴ってくれて、部員のみんなを制圧してくれて。
だからだから・・・、入江くんが松本姉に「ありがとう」って・・・・。
それなのにあたしったら、二人の雰囲気がいいことにちょっとやきもちなんかやいて、もやもやしたりして・・・・。


あああああ。
あたしって、本当に今年もバカ。
松本姉・・・・・・。


「お蝶婦人・・・・・」

あたしは手を合わせて、松本姉の去った道の方向を見て拝んだ。

「松本姉、あなたは薔薇です。気高い薔薇です」

目を瞑って、ブツブツと呟くあたし。

「オスカルか?」

「ち、ちがうわよ!お蝶婦人・・・・・、もう!そんなことはどうでもいいのっ!!」

「ほら、寒いし。もう、帰ろう」


入江くんがあたしの肩に手を回して、家路に向かおうとやっと歩き出す。
しばらく無言で二人で夜道を歩く。
冬だけど、それほどひどく寒さは感じなくって、まだ居酒屋の暖房がきつかったのとやはりまだ酔ってるのか、顔だけがなぜか熱い。

そういや、みんな顔が赤かったな。
あたしたちに帰りに話しかけてきた一回生も・・・・。
ふと、座敷でのみんなの顔が頭に浮かぶ。


「ああああああ!!」


あたしは急に立ち止まって叫んだ。


「な、なんだよ!?今度は!!?ここは住宅街だぞ!何時だと思ってんだ!!でかい声出すなよ!」

入江くんがあたしに負けないくらい大きな声であたしを叱咤する。

「入江くん、入江くん!」

「なんだよ」

「なんで、なんで」

「だから、なんなんだよ!」

「じゅ、『純情そうな顔をして、陰で何してるかわからない』とか、言ったよね!?」

入江くんがあたしの顔を覗き込んで、にやっと笑う。

「それって、それって」

「そう言わないと、おまえの喫煙を認めたことになるだろ。おまえが吸ってない言えっていうから」

「でもでも・・・・そのおかげで、あたしたちが陰でキスしてましたって宣言したみたいなもんじゃ!!?」

「みんな、よくわかってくれたよな」

入江くんぱっと輝いた顔で、あたしを見る。
だからだから、みんなあんなに盛り上がって・・・・。

「・・・///」


入江くんって、入江くんって・・・、なんて大胆なのっ!!!
入江くんって何者っ!?
このクールな仮面の下は何!?

新年早々入江くんの新しい面を見たようで、あたしはうれしいというよりも呆気にとられて・・・・。


「ほら、早く帰るぞ」

入江くんが手を伸ばしてあたしの手を掴もうとしてくる。
普段はあまりない光景だ。


「ふん!」

あたしは、ちょっと意地悪したくって、わざと声に出して拒否を露わにする。
そして入江くんの手を軽くパチンって叩いてやった。
だってあたしだけ知らなかったなんて!(須藤先輩もだけど)
みんなであたしをからかって!
本当にひどい!


「そう、じゃあ、残念」

すたすたと前を歩き出す入江くんにあたしは、ちょっと慌てる。

え?え?もう、あきらめちゃうの?
ぐいっと手をとってくれないの?
もう!入江くんったら、変な時には大胆なくせに!!

どんどん先に歩き出す入江くんを、慌てて追いかけるあたし。

前を歩く入江くんの背中を指をくわえながら、やっぱりさっき手を伸ばせばよかったかなあと思いながら、でもなんだかあたしからまたくっつくのも癪に触るしなあ。
ほんと、あたしのことからかって・・・、あたしは今拗ねてるんだから!
ごめん、琴子機嫌直せよ、くらい言ってくれてもいいんじゃない!?
入江くんだって、当事者なのに・・・・。
・・・ん?
そうよね、入江くんだってこの恥ずかしい出来事の当事者!!


「入江くん」

「・・・・」

「入江くんってさあ、天才でなんでもぬかりないのに、タバコの口紅に気づかなかったなんて」

入江くんの背中が静止するのがわかる。

「それに座敷の外に部員がいたのも気づかなかったなんて」

うう・・・、なんだか入江くんの背中が心なしか、ぴくぴくってしているような気がするけど・・・。
でも、今、あたしはなんだかむしょうに言いたい気分。
入江くんをいじめてみたい気分。

「入江くんって、意外とドジなところあるんだね」

さっきのお返しにわざと意地悪っぽく、皮肉を込めて入江くんの背中に話す。



「・・・おまえといると、想定外のことが多すぎるんだ」


振り返らず、背中を向けたまま、静かな口調でボソッと応えてくれる入江くん―。

あまりにすんなり応えてくれた入江くんに拍子抜けさせられる。
今、入江くんはどんな顔でこのセリフを言ってるんだろう。
いつも自信満々で、冷静な入江くんとは思えないこの消極的なセリフ。
入江くんの今の顔を想像したら、なんだか頬が緩んでくる。



「ねえ、今、あたし何考えてるかわかる?」

「手、本当はつなぎたいんだろ?」

入江くんがいつものように少し眉毛をあげて、いかにもわかってますと言わんばかりの得意な顔をしてあたしを振り返る。


「は・ず・れ!」


そう言って、あたしはべーっと舌を出した。
呆れる入江くんの顔もなんのその。
あたしは、思いっきり入江くんに飛びかかり、首に手を回してぶら下がった。

「おわっ・・・!」


目の前に映る、入江くんの仰天した目が超かわいい。
そして、ぶちゅっと入江くんの唇にキスをした。


「ふふふ・・・また想定外だったでしょ?」

「琴子おまえ・・・」

「ほら、いつもの言って!『ったく』って」

あたしがクスクスと自分の鼻を入江くんの鼻にくっつけながら言う。

「誰かに見られてても、知らねーぞ!」

「それ、入江くんに言われたくないよ!!」

「・・・・ったく」

そういって、今度は入江くんから、優しいキスがおりてきた。
ふふ、タバコの臭いのするそのキスは、きょうあった出来事の象徴みたい。
ちょっと苦いタバコの味も、しばらくたてばマシュマロの味。


大丈夫。
今、二人を見てるのは、アイスキャンディーみたいなお月さまだけだから―――――――――。



**********

無駄に長いラブコメにおつきあい下さり、ありがとうございましたm(_ _)m

こんなラブコメですが、ラストどう締めくくろうと本当に何度も修正しました。
特にメッセージ性もない、ただただラブコメを描きたかったんで、ラストがどうしてもしょぼくなってしまい申し訳ないです(>_<)

とりあえず、原作の意味とは違いますが、琴子は入江くんのできない10%をやってのけるというのを想像して、ちょっとだけ、最後は琴子を優位にたたせる(たってないか?笑)感じにしました。
でも、二人ともミイラ取りがミイラって感じになってしまいましたが・・・(^^;)

ラブラブイリコト万歳!(やけくそ!)

本当に最後まで読んでくださってありがとうございました。



⑤では「大丈夫だったよ」の拍手、本当にありがとうございましたm(_ _)m
これで一つ山を越えた気分です。
またさらに、やってしまいそうです(何を?笑)。





COMMENT

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/01/11(Mon) 22:36 | [Edit
私もコメントに大満足させていただきました(*^_^*)
Maさま

大満足のお言葉、本当にうれしかったです!!ありがとうございます!!
ラブコメの王道みたいな話だったんじゃないでしょうか(*^_^*)
座敷の外に部員がいたことを、本当は直樹はわかってたかも・・・私もそう思います(笑)。
琴子の思う「想定外」=「自分の言動」だと思いますが、直樹の言う「想定外」=「抑制の効かない自分」だと思いますので!(爆)
多分抑制効かず止まらなかった説に私も一票投じたいと思います。自分で書いててなんですが・・・。
とっても楽しくて興味深いコメント、ありがとうございました(^^)
2010/01/12(Tue) 14:34 | chan-BB [Edit
拍手コメントへのお返事です
>Ruさま

投稿サイト様から引き続き読んでいただいてて、本当にありがとうございます。
うるおっていただいて、私もうれしく思います(*^_^*)
そうです!!私も思っていました!!
直樹は、中身は完全に「肉食系男子」ですよね!!外見はちょっと「草食系男子」にも思えますけど、中身は断然「肉食」でしょう!!
ちなみに私、今流行の「草食系男子」にいっさい興味ありませんので(笑)。
いい談義ができて(←すみません、談義したつもりで)、幸せです☆

>Pさま

いつもありがとうございます~♪ラブコメの王道、たまには良かったでしょうか~(*^_^*)
ちょっと弱気になる直樹も、確かに胸きゅんですよね。でも、琴子のこと以外で情けない直樹は見たくない・・・それはイタキスファンの思いかもしれませんよね。
はい。ちょっとここらで、私、一休みしたいと思います。調子に乗りすぎて、いろいろ支障がでてきてるもんで・・・ブログの管理心配するより自身の管理をしっかりしろ!って感じですかね(笑)。
でも、妄想は止みませんので、お互い妄想に勤しみたいですね♪

>Rさま

琴子の様子が浮かんでくださったみたいで、とってもうれしいです♪
以前、Rさまにいただいたコメントを読んで、ラストを考え直してみました。
今回何度もキスばかりの二人でしたが、しつこいようですが、ラストもやっぱり「イタズラなKISS」で締めよう!!と。
私を初心に戻らせていただき(笑)、ありがとうございました。
やっぱり最後はバカップルみたいに私が描いちゃったイリコト(すみません・・・)でもHAPPYが一番ですよね(*^_^*)

>Kさま

はじめして。こんな不安定なブログにお越しいただき、感激しています。
「ラブラブイリコト」に一緒に万歳していただいて、とてもうれしいです!!ありがとうございます(^^)
ちょっとペースを落としますが、大好きなイタキスの世界をこれからも、「愛」を持って妄想していきたいと思います(*^_^*)
これからもよろしくお願い致しします。
2010/01/12(Tue) 14:58 | chan-BB [Edit
無駄に長く無いです~お話にウットリです
ありがとうございます♡
2011/05/07(Sat) 14:43 | Jung Jin [Edit
コメントありがとうございます

Jung Jinさま

「新年会とタバコ」に、たくさんコメントありがとうございます。
こちらにまとめてレスさせていただきますね。お許し下さい。

Jung Jinさんからコメント入る度に、「ああ、この場面だな!」と「新年会とタバコ」を思い出していました。要所要所で反応していただき、とってもうれしかったです。
軽いラブコメなんだけど、このときは私にとってはかなり長いお話になったと記憶してます。
ちょっと乙女チックなラブコメ、ウットリしていただき感激です☆
本当に私のブログに辿り着いていただき、ありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いします(^_-)
2011/05/09(Mon) 18:26 | chan-BB [Edit

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こんにちは。
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